好きじゃない人と結婚した「愛がなくても幸せになれると知った」プロポーズは「君は家にいるだけで何もしなくてもいい」

ぱんだ

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第6話

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夜、夫婦の寝室。アイラは少し緊張しながら、今日あったことを話す時間が楽しみになっていた。ロバートはベッドに座り、仕事の書類を片付けながら淡々と語り始めた。

「今日の会議では、来年度の予算について話し合った」

「そうなんですね。ロバート様はいつも頑張っていますね。私も、ステラ様と一緒に市場へ行ってきました。とても楽しかったです」

ロバートは真剣な表情で言うと、アイラはにっこりと微笑みながら答えた。

「市場か。どうだった?」

「賑やかで、色とりどりの商品が並んでいて、まるでお祭りのようでした」

ロバートは興味を持って尋ねると、アイラは純粋な喜びや強い興味が目に表れていた。

「お祭りか、僕も行きたかったな」

ロバートは微笑みアイラの話に耳を傾けていた。アイラは嬉しそうに続けた。

「ステラ様が一緒だったから、いろいろと話しながら楽しめました。それに、花飾りも買ってもらったんです!」

「花飾り? それは良かったね。どんなの?」

「色とりどりの花が編まれていて、私に似合うと言ってくれたんです」

ロバートは身を乗り出して尋ねると、アイラは少し照れくさそうに言った。

「アイラなら何でも似合うよ」

「ロバート様、今日の出来事を話すのが楽しいです。こうしてお話しすることで、少しずつお互いを知っていける気がします」

ロバートは頷き、アイラの笑顔を見つめた。その瞬間、アイラの心に静かな温かさが広がった。アイラは自分の気持ちを素直に伝えた。


「そうだな、話すことは大切だ。アイラのことをもっと知りたいし、僕も話すことで少しずつ理解してもらえたら嬉しい。アイラと、こうして一緒に過ごす時間が、僕にとっても大切なんだ」

眠りにつく前に、ロバートがふと呟いた。その声は穏やかで、アイラの心にじんわりと染み渡る。好きっていう感情とは違うかもしれないけど、この穏やかな日々が、アイラにとって幸せなものになりつつあるのを感じていた。

「私もです。少しずつ、ここでの生活が心地よくなってきました」

アイラは安心感を持って答えた。アイラは、公爵家との家族としての絆が深まっていることを実感していた。

「これからも、いろんなことを話そう。アイラの話を聞くのが楽しみだ」
「はい、約束します」

ロバートは、大切なものを見るような愛情のこもった視線で見つめた。アイラは微笑み返し、心の中で彼との関係が少しずつ深まっていることを感じていた。

アイラはロバートの隣に横たわり、静かな夜の中で彼の言葉を思い返しながら、心が満たされていく感覚を味わった。
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