母親の再婚相手に襲われそうになり家から逃げました〜義父は処刑され私は交際していた領主の息子と結婚しました

第四話

最初に母親から紹介された時は優しそうな印象でした。顔も母親の好みなのか男前で亡くなった父親と似ていました。

「エミリーちゃんこんにちは」

私は知らない男の人から突然名前を呼ばれて、親しそうに話しかけられて嫌悪感を抱きました。

「ほら、エミリー挨拶しなさい」

私が黙ってふてくされた顔でいると母親が小言を言う。

「こんにちは」

母親に言われて仕方なく嫌々ながら挨拶した。

「エミリー！　その態度は何！」
「別に私には関係ないから」
「あなたの新しいお父さんに失礼でしょ！」
「まあまあ、ローズ落ち着いて。エミリーちゃんも緊張していると思うからさ」
「ごめんなさい。こんな我がままな娘で……」
「エミリーちゃんこれからよろしくね」

私はその瞬間コップの水を顔にかける。

「下の名前で気安く呼ぶな！気持ち悪い！」と言ってやりました。

バチンッ！　私のほっぺたを叩く母親。

「あなた、何てことするの！」

私は何も言わずにその場から逃げました。

新しい父親はフリーズしていましたが目は怖かったです。

事件が起きたのは1ヶ月後。

その日母親は、領主の家では客人を大勢招いているらしくて、夜も領主の家でメイドの仕事で帰りが遅くなるということでした。

家に義父と二人きりになりました。

寝ていると突然義父が部屋に入ってきて襲いかかってきた。私は必死に抵抗してどうにか逃げることができました。

その出来事に母親はひどくショックを受けたらしく、しばらくは仕事を休んでいた。

私はその頃から彼のシモンと付き合っていて、義父とのことを相談したらぬくもりを感じさせる言葉で優しく気遣ってくれた。

私はその事件がきっかけで男性が怖くなりましたが、不思議なことに他の男性は怖くても彼のシモンだけは平気で怖くありませんでした。

気づけば彼と一緒になることばかり考えていました。

その後、母親は義父に「離婚しましょう」と切り出したそうですが義父は「ふざけるな！」と怒鳴りつけ荒れ狂う。

挙げ句の果てに、母親に暴力を振るって牢屋に入れられてしまった。その10日後に義父は罰せられる。

そして学園を卒業した時に、私は彼にプロポーズされ結婚した。

今は母親もなんとか元気になって、私と仲直りし彼と幸せな日々を過ごしています。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。