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第1話 兄が死んでも冷静に分析する姉妹
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「きゃあああっ!」
パーティー会場に絶叫が響き渡り、誰もが困惑して立ちすくむ。オリビア公爵令嬢とジェームズ第一王子の二人の婚約を祝ってグラスを掲げて乾杯の音頭をとった。そのワインを飲んだジェームズ王子が苦しみはじめ、がしゃんとグラスが落ちて砕ける音がしてジェームズは倒れてしまった。毒入りワインで何者かが毒殺したのだ。
「被害者はジェームズお兄様。次期国王候補の一人と見られていた。絶世の美人と評判が高い公爵家のオリビア令嬢と婚約が決まり、婚約披露パーティ会場で殺害されるとは何と悲しいことです。自分のワインに毒が入っているとも知らずに口にしてしまい亡くなるとは人生何が起こるのかわかりませんね」
大理石の床に倒れて命の炎が燃え尽きている兄のジェームズを見ながら、意外なほど冷静な声で言ったのは第一王女のアメリア年齢は22歳。亡くなった兄のジェームズは25歳。二人は決して仲がいいわけではないごく普通の関係。
「よくそこまで落ち着いていられますね。もしかしてアメリアお姉様が殺したのかしら?」
横からそう言ったのは第二王女のイザベラ20歳。いたずら好きな性格をしているが、あらゆる物事に対して真相を解き明かすことに純粋な喜びの感情があふれてくる賢い子であった。
「冗談はやめなさい。どうして私がお兄様を殺さなくてはいけないの?」
「アメリアお姉様冗談ですから本気で怒らないでくださいよ。ここだけの話ですが私は婚約者のオリビアさんが怪しいと思ってるんです」
さすがにむっとしてアメリアは言い返した。するとイザベラはふざけた調子で言葉をつづけた。婚約者のオリビアが怪しいとうさん臭げな目つきで言う。
「え……!?どうして?」
オリビアはジェームズの婚約者で永遠の愛を誓っている仲なので、殺害する理由もないでしょう?とアメリアは驚いて聞き返した。その証拠にオリビアは倒れているジェームズにすがってひどく取り乱し、泣き崩れている。
「いやぁぁぁ!」
絶望的に高らかな悲鳴をあげてオリビアが、この場にいる婚約パーティーに招かれた人たちには気の毒な悲劇のヒロインだと深く同情し、オリビアの友人たちは慰めの言葉をかけて一緒に泣いていた。この彼女のどこが怪しいと言うのか?
「オリビアさんはジェームズお兄様と婚約をしているのに、メイソンお兄様とも繋がりを持っていたのよ」
「嘘?ジェームズお兄様に隠れてそんな事を……それって二人は情を交わしてたってこと?」
「当然です」
「でもどうしてイザベラはそんな事知ってるの?」
「晩餐会の席で最初にジェームズお兄様からオリビアさんを紹介された時から、一癖も二癖もある人だと雰囲気を見て思いましたので行動を監視させてもらっていました」
「抜けめなく動いているわね。妹ながら立派だと感心します」
パーティー会場に絶叫が響き渡り、誰もが困惑して立ちすくむ。オリビア公爵令嬢とジェームズ第一王子の二人の婚約を祝ってグラスを掲げて乾杯の音頭をとった。そのワインを飲んだジェームズ王子が苦しみはじめ、がしゃんとグラスが落ちて砕ける音がしてジェームズは倒れてしまった。毒入りワインで何者かが毒殺したのだ。
「被害者はジェームズお兄様。次期国王候補の一人と見られていた。絶世の美人と評判が高い公爵家のオリビア令嬢と婚約が決まり、婚約披露パーティ会場で殺害されるとは何と悲しいことです。自分のワインに毒が入っているとも知らずに口にしてしまい亡くなるとは人生何が起こるのかわかりませんね」
大理石の床に倒れて命の炎が燃え尽きている兄のジェームズを見ながら、意外なほど冷静な声で言ったのは第一王女のアメリア年齢は22歳。亡くなった兄のジェームズは25歳。二人は決して仲がいいわけではないごく普通の関係。
「よくそこまで落ち着いていられますね。もしかしてアメリアお姉様が殺したのかしら?」
横からそう言ったのは第二王女のイザベラ20歳。いたずら好きな性格をしているが、あらゆる物事に対して真相を解き明かすことに純粋な喜びの感情があふれてくる賢い子であった。
「冗談はやめなさい。どうして私がお兄様を殺さなくてはいけないの?」
「アメリアお姉様冗談ですから本気で怒らないでくださいよ。ここだけの話ですが私は婚約者のオリビアさんが怪しいと思ってるんです」
さすがにむっとしてアメリアは言い返した。するとイザベラはふざけた調子で言葉をつづけた。婚約者のオリビアが怪しいとうさん臭げな目つきで言う。
「え……!?どうして?」
オリビアはジェームズの婚約者で永遠の愛を誓っている仲なので、殺害する理由もないでしょう?とアメリアは驚いて聞き返した。その証拠にオリビアは倒れているジェームズにすがってひどく取り乱し、泣き崩れている。
「いやぁぁぁ!」
絶望的に高らかな悲鳴をあげてオリビアが、この場にいる婚約パーティーに招かれた人たちには気の毒な悲劇のヒロインだと深く同情し、オリビアの友人たちは慰めの言葉をかけて一緒に泣いていた。この彼女のどこが怪しいと言うのか?
「オリビアさんはジェームズお兄様と婚約をしているのに、メイソンお兄様とも繋がりを持っていたのよ」
「嘘?ジェームズお兄様に隠れてそんな事を……それって二人は情を交わしてたってこと?」
「当然です」
「でもどうしてイザベラはそんな事知ってるの?」
「晩餐会の席で最初にジェームズお兄様からオリビアさんを紹介された時から、一癖も二癖もある人だと雰囲気を見て思いましたので行動を監視させてもらっていました」
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