彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

ぱんだ

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「えっ?キスしてる……あの二人いつからなの?」

彼と妹の口付けを心臓がドキドキしながら目を離さず見つめるイブリン。一部始終を観察していると自然に涙が溢れて頬を濡らし口に入ると悲しみの味がした。

まだ心の片隅で彼を信頼していたので、全速力で追いかけて引き止めてくれるだろうと淡い期待を抱いていた。それどころか彼は平然とした顔で妹とディナーを楽しむと何事もなかったような態度で言いきる。

それに加えて二人の行き過ぎた愛情表現を見てしまったイブリンは、どこか別の世界に迷い込んだように頭が混乱して心が乱れました。倒れそうな苦しみに耐えて婚約破棄の決心を固く胸に刻んだ。


「彼が妹とキスしてたのよ!」
「イブリン本当なの?」
「あのホークが信じられない……」
「もしかして私達をからかってるの?」

後日イブリンは興奮しながら友人達に話す。この前の気がおかしくなりそうな思いをした衝撃的な出来事。自分がその場からいなくなるとホークとフランソワが口付けをしていた。

3人の友人は冗談だと思っているようです。少し笑って嘘なんでしょ?と尋ねてきたり、イブリンも軽口をたたくようになったんだね?と微笑ましいねと言いながら友人達は思わず笑みがこぼれるのです。

「嘘じゃない!本当なのよ!彼と妹がキスしてたの!」

だけどイブリンが嘘がつけない真面目な性格なのは友人達も理解しているので、気迫のこもった顔で繰り返しその状況を説明すると信じてくれるのでした。

「でもまだ信用できない……」
「ホークがあり得ない」
「そうね、私達もイブリンの事は信用してるよ?でもちょっとまだ……」

それでもまだ半信半疑という感じです。それほど彼は人望があって高く評価されている人。彼は学園ではヒーローのような憧れの存在でした。

運動も勉強も両方できて教師も彼のことを尊敬するような眼差しで見ていました。異性にも引く手あまたでモテモテ。

そんな彼と付き合っていたイブリンは羨ましがられて嬉しい反面、他の子にとられるんじゃないかと不安になったこともたくさんありました。

それでもホークのことを好きで限界まで惚れ込んでいた。プロポーズされた時は感激して舞い上がるような気分で、彼に手を握られて指先を通して愛情を感じ心から喜びの笑顔で答えた。

「イブリンは彼とどうしたいの?」
「そうねまだイブリンの気持ちを聞いてないわ」
「別れる!」
「そうだよね」
「じゃあホークとの別れ話の時に私達も同席させてくれない?」
「それはいいね!私も彼の本音が聞きたい」
「わかった。私も一人だったら心細いから嬉しい」

一番重要なことはイブリンの気持ち。今後は彼とどうなりたいのか?と聞いてくる友人にイブリンは迷いのない真っ直ぐな瞳で決別すると答える。

彼にさよならを告げる話し合いに友人達も同じテーブルを囲みたいとイブリンを応援するように力強い声で言います。イブリンも不安な心境だったので快く了承した。
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