彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

ぱんだ

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「イブリンに謝っても許してくれないだろうな」

別れ話の前日、彼は悔やみきれない思いでいた。彼女は途方もなく優しい……けどいつか自分と妹の関係に耐えられなくなるときが来るかも知れないとため息混じりに漏らす。

ホークは爆弾を抱えてるような気持ちで、明日はひたすら謝罪して仮に許してくれたら飾ることなく彼女に尽くすだけ。今の自分にはそれしかできない。

「彼女はなんでこんな男と私が結婚して一生をともにしなくちゃいけないの?とか思ってるんだろうな」

はっきり言って彼の自業自得だが、かなり辛い状況のホークの悩みはいつまでも尽きなくて泣き言ばかり出てくる。

もう信頼できないと言われそう。それも当然のことで彼女をないがしろにして、妹とじゃれ合い続けていれば振られるのは火を見るよりも明らかだ。

明日顔を会わせれば彼女に捨てられるのが怖くて、身体がみっともなく震えてしまう。

「やはりイブリンのこと愛してる」

彼女の気持ちを振り回しておきながら、自分勝手な事を口にする。

子供のように涙を流して駄々をこねれば少しは彼女の気持ちが揺れるだろうか?

だが残念ながら正直もうどうやっても無理で、どんなに謝っても彼女の心の真ん中に彼がいない。

「逃げてないで向き合うしかないな」

誠心誠意で望めば……でも失われた信頼をとり戻すことは並大抵ではない。

彼女と別れて婚約解消になれば罪滅ぼしのために彼女に慰謝料を払おう。そうすれば死んだあと地獄に落ちることはないかな?

イブリンとは学園に通っていた頃からずっと付き合ってきた。今更他の子を見つけるのは難しい。

もう彼女と幸せな時間を共有することはできないのか?顔やスタイルも申し分ないけど、彼女は非の打ちどころのない程の性格で、いつも自分のことを優しく理解するような瞳を向けてくれた。

彼女を失いそうな今、こんなに辛いなら出逢わなければ良かったとさえ思えてくる。

「彼女は友人が多いから、あんな男と結婚することにならなくて良かったねって慰められているのかな?」

彼女の心に響くようなことをしないと伝わらないよな?形で謝ってるだけじゃ意味がない。

彼女の気持ちをどん底に叩き落とした自分に幸せになる権利はないので、イブリンに愛情が残っているホークは今後は彼女の幸せのために生きると誓いました。

「まさか……新しい男ができたのか?」

不意にそんな思いが頭をよぎる。もしそれで自分と別れると言うなら彼女を許せない。彼はまた自己中心的な考えをしてしまう。

巡り巡って自分かわいさに裏切られた彼女の心情は全く考慮してなくて、自分の行いの重大さを理解していなかった。
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