16 / 39
16
しおりを挟む
「この前フランソワと口付けしてたの見たよ」
「なんのこと?見間違いじゃないの?」
イブリンが核心を突いた質問を投げかけると、なぜか彼が目を合わせてくれなくなりシラを切る。
「間違いなくホークとフランソワだったけど?」
「本人である僕がしてないって言ってるんだ!僕が妹と仲が良いのは認めるけど……それくらいの分別はある!」
真面目くさった顔になり強い口調で道理をわきまえていると、否定しているが彼はとんだ嘘つきでした。
彼女は実際に現場にいて一部始終を見ているのです。
「私とのディナーを拒否してあなたの態度に怒って帰った時にのぞき見してたの!」
「イブリン!恋人でもプライバシーはあるぞ!」
「公衆の面前で抵抗もなくキスしたのに何言ってるの?」
追及すると開き直ってプライバシーがあると声を荒げて呆れたことを言い出す。
誰もが見ている前でキスしておいてその言い訳はない。
彼がおかしな責任逃れをすると二人はしばらく無言のまま向き合っていた。
「本音で話すと……僕は妹と付き合うことでイブリンのことも大事にできるし心も充実している」
「本気で言ってるの?」
「もちろん!それに今時は浮気くらい皆普通にしてるだろ?」
沈黙を破った彼は浮気をすることで本命の彼女を大切に扱うことができると言う。
浮気くらい誰も彼もしているじゃないか?と熱意を込めて主張するのです。
「でも妹とはないでしょ」
「そんなことはない!キスくらい普通だ!」
その上に妹と口付けするのは当たり前だ!と呆れを通り越すようなことを平気な顔で答える。
彼のぶっ飛んだ発言に、彼女と友人達は顔を見合わせて首を傾げた。
そして可愛らしい美貌を誇っている淑女達は苦痛そうに顔を歪める。
「私は互いを思いやる関係を望んでるから……私達は価値観が合わないと思う」
「僕だってイブリンのことを心から愛している!」
「この前の対応でそんなのは伝わらなかった。フランソワばかりかばって私を悪者にして」
一番大事な部分の恋人との考え方の歯車がかみ合わないから別れるしかない。
妹を優先する彼にも我慢がならないとイブリンは心の内を打ち明ける。
彼は彼女にやわらかく温かな感情があると言いますが、妹ばかり肩入れする彼の言葉を信用できません。
「私は妹とあなたをシェアしたくない!」
「不潔なことを言うな!」
彼のことを妹と共有するなんて願い下げ!彼女は肩が激しい怒りに震えていた。
彼は自分が不潔なことをしておきながら、彼女に向かって汚らわしいと吐き捨てるように言う。
「不潔なホークに言われたくない!」
「なんだと!僕はいつも衛生的で綺麗だ!」
険しい視線をぶつけ合い喧嘩のような議論を続けていると、同席していた彼女の友人達が動き始める。
「なんのこと?見間違いじゃないの?」
イブリンが核心を突いた質問を投げかけると、なぜか彼が目を合わせてくれなくなりシラを切る。
「間違いなくホークとフランソワだったけど?」
「本人である僕がしてないって言ってるんだ!僕が妹と仲が良いのは認めるけど……それくらいの分別はある!」
真面目くさった顔になり強い口調で道理をわきまえていると、否定しているが彼はとんだ嘘つきでした。
彼女は実際に現場にいて一部始終を見ているのです。
「私とのディナーを拒否してあなたの態度に怒って帰った時にのぞき見してたの!」
「イブリン!恋人でもプライバシーはあるぞ!」
「公衆の面前で抵抗もなくキスしたのに何言ってるの?」
追及すると開き直ってプライバシーがあると声を荒げて呆れたことを言い出す。
誰もが見ている前でキスしておいてその言い訳はない。
彼がおかしな責任逃れをすると二人はしばらく無言のまま向き合っていた。
「本音で話すと……僕は妹と付き合うことでイブリンのことも大事にできるし心も充実している」
「本気で言ってるの?」
「もちろん!それに今時は浮気くらい皆普通にしてるだろ?」
沈黙を破った彼は浮気をすることで本命の彼女を大切に扱うことができると言う。
浮気くらい誰も彼もしているじゃないか?と熱意を込めて主張するのです。
「でも妹とはないでしょ」
「そんなことはない!キスくらい普通だ!」
その上に妹と口付けするのは当たり前だ!と呆れを通り越すようなことを平気な顔で答える。
彼のぶっ飛んだ発言に、彼女と友人達は顔を見合わせて首を傾げた。
そして可愛らしい美貌を誇っている淑女達は苦痛そうに顔を歪める。
「私は互いを思いやる関係を望んでるから……私達は価値観が合わないと思う」
「僕だってイブリンのことを心から愛している!」
「この前の対応でそんなのは伝わらなかった。フランソワばかりかばって私を悪者にして」
一番大事な部分の恋人との考え方の歯車がかみ合わないから別れるしかない。
妹を優先する彼にも我慢がならないとイブリンは心の内を打ち明ける。
彼は彼女にやわらかく温かな感情があると言いますが、妹ばかり肩入れする彼の言葉を信用できません。
「私は妹とあなたをシェアしたくない!」
「不潔なことを言うな!」
彼のことを妹と共有するなんて願い下げ!彼女は肩が激しい怒りに震えていた。
彼は自分が不潔なことをしておきながら、彼女に向かって汚らわしいと吐き捨てるように言う。
「不潔なホークに言われたくない!」
「なんだと!僕はいつも衛生的で綺麗だ!」
険しい視線をぶつけ合い喧嘩のような議論を続けていると、同席していた彼女の友人達が動き始める。
5
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。
【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。
凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」
リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。
その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。
当然、注目は私達に向く。
ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた──
「私はシファナと共にありたい。」
「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」
(私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。)
妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。
しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。
そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。
それとは逆に、妹は──
※全11話構成です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。
初恋のひとに告白を言いふらされて学園中の笑い者にされましたが、大人のつまはじきの方が遥かに恐ろしいことを彼が教えてくれました
3333(トリささみ)
恋愛
「あなたのことが、あの時からずっと好きでした。よろしければわたくしと、お付き合いしていただけませんか?」
男爵令嬢だが何不自由なく平和に暮らしていたアリサの日常は、その告白により崩れ去った。
初恋の相手であるレオナルドは、彼女の告白を陰湿になじるだけでなく、通っていた貴族学園に言いふらした。
その結果、全校生徒の笑い者にされたアリサは悲嘆し、絶望の底に突き落とされた。
しかしそれからすぐ『本物のつまはじき』を知ることになる。
社会的な孤立をメインに書いているので読む人によっては抵抗があるかもしれません。
一人称視点と三人称視点が交じっていて読みにくいところがあります。
幼なじみのとばっちりに巻き込まれ、そんな彼女に婚約者を奪われるまでしつこくされ、家族にも見捨てられた私に何を求めているのでしょう?
珠宮さくら
恋愛
カミーユ・サヴィニーは、幼なじみに婚約者を奪われることになった。
実母はそんなことになった結果だけを見て物凄く怒っていた。そして、勘当でも、修道院にでも行かせようとして、恥を晒した娘なんて、家に置いておけないとばかりに彼女の両親はした。実の兄は我関せずのままだった。
そんなカミーユのことを遠縁が養子にしたいと言い出してくれたことで、実家との縁を切って隣国へと行くことになったのだが、色んなことがありすぎたカミーユは気持ちに疎くなりすぎていたからこそ、幸せを掴むことになるとは思いもしなかった。
【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~
Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。
だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと──
公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、
幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。
二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。
しかし、リリーベル十歳の誕生日。
嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、
リリーベルを取り巻く環境は一変する。
リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。
そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。
唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。
そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう……
そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は───
※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』
こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。
めちゃくちゃチートを発揮しています……
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる