彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

ぱんだ

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「イブリン彼は頭のネジが飛んでいる」
「別れたほうがいいよ」
「こんな男は捨てたほうがいい!」
「まさかホークがこんなに品性が下劣な人だったなんて……夢にも思わなかった」
「あのホーク様が狂人だったなんて正直ショックです」
「イブリンがまだ彼と付き合うなら友人ではいられない」
「そうね私達も人間性を疑われるわ」

常識的な物差しから大きくかけ離れた彼に、友人達が呼吸を合わせて頷くと総がかりで反発のスイッチが入った。

こんな危険人物に私達の大切な親友を渡せない!何があっても彼女は私達が救出する!

そんな気持ちを胸に秘めて容赦せずに、彼にとどめを刺す一言を言い続ける。

一斉に猛反撃をくらった彼は返す言葉が見つからない。間抜けな顔で魚みたいに口をぽかんと開けて動きが完全に停止していた。

「ちょ、ちょっと待てよ!イブリン行くな!」

友人達に袋だたきにされた彼は何か言っていたようだけど、友人達が部屋を出て行くと後を追うように彼女も一緒に帰った。


彼との付き合いから婚約まで最初フランソワはよその国に留学していました。なので彼の妹が戻ってくるだけでここまで私達の生活が引っ掻きまわされるとは考えられませんでした。

彼女は婚約前にも彼の性格を見極めて頼りがいがあり、どんな時でも自分のことを一番に考えてくれる信頼できる男性だと頭から信じてかかる。

彼のことを間違いない人だと思い込んでいた。

それなのに別れることになり当然のことながら婚約も消滅して、落とし穴に落ちたような絶望した気持ちになる。


「そんなに怒るほどのことか?あの時イブリンも感じが悪かったよね?僕の気持ちも少しは汲んでほしい」

あれから毎日のように復縁したいのか手紙が送られてくる。彼は私の胸中を何一つ理解することができないのに、何をふざけた事を言ってるんだろう?と鼻で笑ってしまう。

ホークの中では自分と妹の親密な関係に彼女が拗ねてしまい、一時だけ距離を置いているくらいの軽い考えをしていました。

ところが事態が急変する。

兄ホークと妹フランソワのただならない関係がバレて、皆の知るところとなってしまい二人は家から絶縁され逃避行をしたと噂で聞く。

「ホークのこと聞いた?」
「うん」
「大変なことになってるみたいだね」
「両親から縁切り宣言をされたらしいわ」
「二人はどこにいるのかしら?」

オープンカフェで語り合うイブリンと友人達は、彼が妹と駆け落ちした話で盛り上がる。

その後は気兼ねなく恋バナをして会話が膨らむ。

「次はもっといい恋をして素敵な彼を見つけてやる!」

イブリンは新しい恋を見つけるために気持ちが吹っ切れたような晴れやかな顔をして人生を仕切り直しました。
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