彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

佐藤 美奈

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「お嬢様は一切会うつもりはないとハッキリ申しております」

ホークはイブリンの家に行きましたが、案の定使用人に追い返されました。隣にはフランソワもいます。私もイブリン様に謝罪したいという気持ちでついて来たのです。

でも遅すぎました。彼女は愚かな兄と妹とは話すことはないと面会してくれません。ホークとフランソワはがっくり項垂れて帰って行く。


「貴様!またイブリン様に大変なお手数を掛けたのか!」

結局のところ兄と妹は父に怒鳴られる覚悟で実家に戻る。彼女の家に謝罪しに訪問したことを伝えると恥さらし息子と一喝され平謝りの繰り返し。

フランソワも兄の隣で顔中涙まみれになり命がけで謝りました。すると熱意が通じたのか父の眉間のシワが和らいで穏やかな顔になってくる。最後に彼女には二度と迷惑をかけるなときつく説教されます。

「お父様!」
「なんだホーク?何か言いたいことがあるのか?」
「僕は毎日イブリンの家に謝罪に行きます!諦めません!」
「なんだと!まだ分からんのか?お前はイブリン様に捨てられたのだぞ!」

父に神様に誓って彼女には金輪際関わるなと言われた時です。これまで父に叱り飛ばされ度重なる厳しい意見を吐かれても黙って耐えていたホークが、今までにない真剣な顔で発言する。

僕は彼女を諦めないで、日ごと欠かさず家に通い続けると言うのです。このドラ息子がと反射的に父が怒声を放つ。

お前は美しく清らかな公爵令嬢にいらなくなった紙切れと同じで遺棄されたのだ。とっくの昔に愛想をつかされていると声を荒げて頭は大丈夫か?と息子に改善命令を下す。


「お父様に何を言われようとも僕はイブリンのことを愛しているのです」
「ホーク!お前はいつからそんなに間抜けになった?これ以上家に迷惑をかけることは許さんぞ!」

誰に何を言われても天地がひっくり返っても彼女への気持ちは譲れない。父も聞く耳を持たなくて救いようがない息子には、もはや限界でお手上げ。

我が家は現状でも首の皮一枚でつながっているような状態なのに、公爵家へのお詫びの言葉も見つからなくてどうにもできない。

「それなら僕は出て行きます。ただしフランソワのことは許してあげてください」
「お兄様……」

これは自分の我がままだから妹だけは受け入れてほしい。正義感に溢れた青い瞳で父にそう告げると、ホークは部屋を退出して再び家出の準備をしに自室に向かう。

妹が弱々しい声で兄の名前をつぶやく。お兄様は私を守るために犠牲になるのですね……。妹はいつまでも兄の後ろ姿を見つめていた。

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