彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

ぱんだ

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妹に謝罪行脚を断られて、途方に暮れていた。しかし頼れるのは彼女だけで再び家を訪問する。面会を許されたのは5日目。その間彼はずっと門前で土下座をしていた。

このままではあの野郎いい加減死ぬんじゃないのか?と心配した守衛が仕方なく伝えて、ようやく彼女と話ができることに。

「あなたかなり臭いですね」

顔を引きつらせたメイドにそう言われた。それもそのはず、彼は5日間風呂も入らずにひたすら風雨に打たれ、ひれ伏せていたのです。

「じゃあ浴室を貸してほしい。イブリンと会う前に綺麗にしておくよ」
「それは駄目です」
「どうして?」
「そんな不潔な状態で……お嬢様が使っている浴槽に浸からせるわけには参りません!」

ホークが入浴したいとお願いしますが、メイドは反射的に拒否しました。衛生的に問題のある人にはお風呂は使わせない。この家の人間が健康を損なうようなことは、承知できないと厳しい視線で言われました。

「じゃあ僕はどうしたらいい?」
「少しお持ちください」

僕は体が臭いけど、どうしたらいいのかな?このままでは彼女に会わせてもらえないと、彼は肩を落として不安な表情で尋ねるとメイドがどこかへ向かいました。

しばらく待っていると大きめの桶をメイドが複数人で運んできました。


「お待たせいたしました」
「それでは服を脱いで体を洗ってくださいませ」
「ここで?」
「はい、勿論でございます」
「冗談はよせ!」
「ふざけてなどいませんが?それならお嬢様との面会は諦めますか?」
「くっ!仕方ない……入ろう」

メイド達は持っていた桶をその場に置くと、ホークに向かって生まれたままの姿になり体を洗えと告げました。

ホークは信じられませんでした。ここは完全な外で、周りにはメイドもいる。ここで体を洗うの?と呆れた顔で聞きますがメイドは平然と頷く。

そうこうしている内に集団化して屋敷中のメイドが勢ぞろいしていました。いたずらっぽく好奇心に溢れた目で彼のことを観察しています。

そんなジロジロ見られたら恥ずかしい……。でも体を清潔に保たないと彼女に会わせてもらえない。彼は身の縮む思いをして体を洗うしか選択はなかった。

「冷たい……!?水じゃないか!」
「当たり前でしょう」
「寒い……風邪をひきそうだよ」
「何を屈み込んでいるのですか?ちゃんと立って体を洗ってください!」
「お湯を持ってきてくれ」
「無理です!」

ようやく覚悟を決めて服を脱いで桶の中に足を入れました。冷たすぎる……。このままでは病気になるので、彼はせめてぬるま湯にしてくれと悲願しますがメイドは突っぱねます。

彼はひどく不満な顔になりながら、ごしごしと体を洗い溜まった汚れを落とし始めました。


*****
新作「聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。」を投稿しました。よろしくお願いします。
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