彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

佐藤 美奈

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「イブリン……怒ってるよね?僕はそれほど君のことを苦しめてしまった最低な男だ」

仮に謝罪行脚を終えても彼女と復縁なんて本当にできるのか……?彼はここ数日間、つき詰めて考えていた。ふと気がつくと彼女とやり直すことは不可能なのでは?と急に絶望的な気分に浸る。

妹とのふしだらな関係がバレて、話し合いをした事もあった。結果的には彼女とその友人達と収拾がつかない事態になってしまい彼女に捨てられてしまう。

あの時、最初から妹との関係を言い訳しないで素直に認めて、真剣に誠心誠意謝れば許してくれたのかもしれない。

もはや手遅れではあるが、最近はそんな夢ばかり見ている彼。夢の中では復縁を頼み込んでも彼女に殴られて、仕舞いにはゴミのように捨てられる繰り返しで現実も同じらしい。


「実は私の両親や親戚も最初はホークとの婚約に反対してたの。でも私が懸命に説得して納得してもらいました。認められた時は、とても嬉しくて涙が止まらなかった」
「イブリンが命がけで僕との結婚を頼み込んでいたのに……僕は妹と……なんて情けないんだ……自分が許せない」

公爵家の令嬢と男爵家の令息では、身分が違うと両親に結婚を反対されます。それでも彼女は諦めませんでした。

彼と結婚するためなら自分はどうなっても構わない……という捨て身の覚悟で両親を説得し、娘の熱意に根負けした両親は彼との結婚を許してくれたのです。

その出来事を初めて聞かされた彼は、話を聞きながら膝から崩れ落ち瞳に涙を溜めていた。その涙で視界が歪み彼女の名前を叫びながら嗚咽するほど泣き続ける。

「ホーク見苦しいわ!今更みっともない真似はやめて!」
「イブリン……ごめん」
「私の気持ちが分かったでしょ?」

彼が身を切られる思いで泣いていても、彼を捨てる決意をしている彼女は仏頂面で見下ろしています。それどころか、彼の品のない印象に余計腹が立つ。

もはや彼女は、愛想笑いのようなぎこちない笑顔も見せてくれないのです。悔やみきれないけど、それだけのことをしたんだから仕方ないと彼は理解して謝るしかできない。

「イブリン」
「なに?」
「海に行かない?最後の思い出に行きたい」
「……分かったわ。行きましょう」

突如として不安がるように尋ねる彼。助けを求める顔で遊びに行こうと誘う。彼女は自分でも気づかないうちに少しだけ同情の意識が芽生える。

真に反省したように見えて、哀れみを感じる顔になり彼女が渋々ながら承諾する。彼は弱々しくもはしゃいだ顔つきになって、おぼつかない足取りでやっと帰って行きました。

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