彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

ぱんだ

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彼は身体の関係を拒否されて気持ちが奈落の底に沈む。彼女のことは絶え間なく好きだったことは間違いないけど、心に埋めようのない孤独感を味わう。

そんな時に可愛いらしい妹のフランソワに誘惑された。元々兄に恋愛感情を抱いてメロメロの妹。日々性欲を発散することができずに、正常な判断ができない状態のホークにはブレーキが利かなくなる。

「僕はなんてことを……」

人目をはばかる恋に最初は罪の意識に悩まされる彼。ところがさせてくれない彼女にストレスが蓄積されて、好きでいられるか自信がなくなってきます。

「そうだ!僕は彼女を好きでいたかったから妹と寝た。きっとその筈だ!」

傍から見れば明らかに歪んでいる感情だと認識できますが、すでに色欲に溺れ頭が少々壊れている恥ずべき彼は、屈折した気持ちに陥るもひた向きに自己正当化をする。


「あれ……?そう言えば最近はホークからしつこく求められない」

一人でいた時に何気なく脳裏をよぎる彼女。それもそのはず、彼は別の女性と解消したことで彼女に荒っぽい言い方をしたり、不服そうに睨むことも無くなった。

まとわり付くように甘い言葉をかけるなどして、様々なやり方で関係を迫ってこなくなり、彼女が憂鬱そうな顔をすることもなくなる。

結果的に二人がいがみ合って、激しい口論も繰り広げることもなく平和な日常が訪れる。会えば互いに愛想のいい笑顔を向けて改めて婚約を誓う。

「フランソワとの関係を勘付かれたら……イブリンと積み上げてきた信頼が……」

裏切りで成り立っていた恋人同士の調和した生活。彼女に知られれば大変なことになるのは頭では理解している。でも身体のほうは中毒になったみたいに止めることができない。

天国に上ったような心地よい気分に浸れる。恥さらしという言葉もどこ吹く風と受け流す彼は、開き直って目を輝かせ事に及ぶ。


「イブリンを裏切っておいて元の鞘に収まることはないよ。ホーク諦めなさい……不潔!」

過ぎ去った日。話し合いの時に彼女の友人から、軽蔑の眼差しを向けられ口を酸っぱくして言われた言葉。

「決まりごとのように君達の勝手な倫理観で語るな!」

苛立ちを抑えられなく、別れるという現実が受け入れられない彼は、気でも違った態度でそのように反発した。彼の胸の中では言ってやったぞ……と言う感じでしてやったりの気持ちでした。

対照的に彼女と友人達は、脳が揺さぶられ目が点になる。そんな馬鹿な……といった表情で、この人どうしたの……?いきなり何を言い出すの……?と互いに顔を見合わせていた。

現在の彼は彼女のお日様のように明るい笑顔を脳裏に浮かべながら、うつろな感じの眼差しで樹海の中に迷い込み消えていく――。
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