聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日

第27話

「フローラとエリザベス今から地獄が始まるから覚悟してください！」

アメリアは冷酷非情に徹した。優しかった両親はフローラとエリザベスとクロフォードとハリーの嘘を信じ込んで別人のように人が変わってしまった。親友のジェシカには絶交されて学園では不安と孤独な生活を送り、教師も生徒も自分以外の周りの人は全員敵になった。

今は誤解が解けて仲直りしているとは言え、アメリアは辛い環境下に置かれ精神的な修行のような毎日でした。アメリアは大切なものを一つ残らず全部とられた。何も守るものがなくなった。

その瞬間アメリアは何か吹っ切れていた。アメリアの限界ぎりぎりまで膨らんだ理性という皮は、今にも破裂しそうなほど透けて見えるくらい薄くなっていた。その長年にわたって蓄えられていた不満が一気に爆発した。

「二人が泣き叫んでもクロフォードとハリーと同じで絶対に止めません!!二人が私をここまで追い詰めたんだから責任を取ってもらうからね!!」

アメリアの批判的な口調にフローラとエリザベスは口を利けない。怖くて声を出したくても出せないのが正しかった。

アメリアは姉と妹と元婚約者と幼馴染に社会やコミュニティから追い出されて、失うものが何も無い人間である無敵の人と呼ばれる存在になってしまった。だがアメリアは吹けば飛ぶような弱い無敵の人ではない。元から価値の高い女性で世界を左右するほどの能力を持っている無敵の人だ。

賽さいは投げられたので、もう引き返すことはできない。

「あなたたち結局最後に頼れるのは自分だけです。どんなに辛くても人生は自分で乗り切るしかない」

二人に罰を与える数日前にさかのぼる――その日アメリアは女性たちと一緒に食事を共にしていた。アメリアは女性たちと自分自身に言い聞かせるように語った。その表情からは強固な意志が感じられる。アメリアは胸の中で込み上げる感情を意識して目を閉じると改めて気持ちを静めていた。

「アメリア様ご苦労様です！」
「お務めお疲れ様でしたっ!!」
「悪い男は懲らしめてやりましょう！」
「ですがアメリア様、無理しないでくださいね」
「いつも私たちのために戦っていただいて感謝しています!!ありがとうございます!!」

女性たちはアメリアにねぎらいの言葉をかけた。今アメリアは学園に通いながら、女性を傷つける悪い男たちを成敗する日々を送っていた。

昔と違って派手なメイクをして見た目は華やかになったけど、アメリアは根は真面目で優しいので困っていたり苦しんでいたりする女性たちを放って置けなくて手を差し伸べる。

「アメリア様、私たちも一緒にやらせてくださいっ！アメリア様のお仕事をお手伝いさせてくださいっ！」
「ダメです！」
「どうしてですか！？」
「汚れ仕事は私だけで十分です。みんなの辛いことは私が全て引き受けるから、あなた達は幸せになることだけを考えていればいいの」
「ア……アメリア様……ありがとうございます!!」

アメリアに心を救われた女性たちはチン切り聖女また救世主的な存在としてチン切り神姫などと呼んで深く慕っており、アメリアは女性たちを可愛がって大切にしている。アメリアに助けられた女性たちは憧れを抱いて、自分たちも一緒に男に罰を与えるチン切り仕置人をしたいという女性は数多くいる。

だがアメリアは真面目な顔で駄目だと厳しく言う。何故なら自分と同じ修羅の道を歩くことになるので断った。アメリアは女性の味方で美人で可愛らしい女性たちには、幸福な人生を送ることを心から願っているのだ。アメリアは真のヒーローで偉大な人物だと言われて女性たちに心から尊敬されていた。

「――アメリアありがとう！僕たちはあそこが切られて逆に幸せになったと感じる毎日さ」
「俺も同じ意見だな、せがれがいじれなくて寂しいときもあるけど正直に言って何も問題ない！」

その時、女性たちに囲まれて一緒に食事をしていたクロフォードとハリーが、とても嬉しそうな笑顔を浮かべて言った。二人は股下のキノコが切られた事について真剣に語りはじめた。