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第29話
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汚い顔の男たちがぞろぞろと出てきた。毛穴の広がったブサイク顔で禿げ上がった頭で髪の毛がない。髪があっても頭にシラミやノミを飼っている男たち。顔も体も豚のように醜く太っている肥満体型の男に、逆にやせ気味で凄く貧相な猿みたいな体つきの男は気持ち悪い。
教養がない無知な顔にお笑い向きの容姿で、普通の感覚からかけ離れた想像以上のとんでもないほどのキモブサ。実に不潔で間違いなく臭そうな男たちが目の前に現れる。ちなみに陰気で根暗オタクのような人も後ろにひょっこり混じっていた。
「信じられねえくらい綺麗だべ」
「べっぴんさんやね」
「おらと付き合ってくんねか?」
「ええ匂いだなぁたまんねえべよ」
「ほんとにおら達が種付けしていいべか?」
顔のランクは最底辺だと見た瞬間にわかる程の醜い男たちには、絶対に何がなんでもどんな手段を使っても人生で縁のない若く美しい女性を前にした。容貌のよくない男たちは歓喜が爆発して猿みたいに騒いでいた。嬉し泣きしているのは見世物小屋にいるようなヘンテコな顔の男。
汚い格好をしたブサイクな男たちの下品な言葉が飛び交う。この世に生まれてきた事に落胆を引き起こすほどの顔の作りがかなり乱雑な男たちは、飢えた獣みたいな表情になって鼻息を荒くしていた。これからの事を考えると一同揃って胸の中の心臓が羽ばたくような思いでした。
「何をしても構いませんよ。そのかわり約束通りちゃんと妊娠させてあげてくださいね」
この二人を好きなようにしていいですよと、アメリアは何も問題ないというような平気な顔で言った。フローラとエリザベスの罰は、能力や風貌が劣っている男に強制的に妊娠させられて公爵家から追放すること。
不潔な男たちに弄ばれてショックで嘆き悲しむ顔の姉と妹を見ても心は少しも痛まなかった。それどころか同情を引く感じで救いを求める声を聞いても嬉しくて限りない喜びに満ちる。
悲しみに怒りまたは痛みのために泣き叫ぶ声を聞いてもアメリアには心地良く感じられた。アメリアは学園で辛い思いをしていた時のことを思い出していた。そして必ず復讐してやると決めてこの光景を持ち望んでいた。
「くさああああい!!ブサイク気持ち悪い……触らないでえええええ!!アメリアお姉様ゆるしてええええええ!!私たちが悪かったからあぁああ!!うわあぁあぁああぁああぁあぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁああああぁっ!!!」
「やだああああああああぁーーーー!!ブサイクの子供なんて産みたくないのおおおおっ!!子供が絶対にブスになるからーーーー!!ブスは人生不幸になって絶望するからーーーー!!」
アメリアはすでに両親とは和解していたが、まだ関係は緊張した状態のままだった。アメリアの話を聞かずにフローラとエリザベスの話を鵜呑みにしたことに、罪悪感のような思いに苦悩しながら過ごしていた。
元々の性格は真面目で優しい人格者の両親は良心の呵責に耐えきれずにアメリアの条件を受け入れた。アメリアに負い目を感じて恐ろしい復讐に協力することに同意した。公爵家はアメリアが実質的に支配していた。
数日後、アメリアは姉と妹に復讐を終えてひと仕事終わったようなほっとする思いで、食後の熱いコーヒーを飲みながら新聞の広告を見て笑っていた――
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
教養がない無知な顔にお笑い向きの容姿で、普通の感覚からかけ離れた想像以上のとんでもないほどのキモブサ。実に不潔で間違いなく臭そうな男たちが目の前に現れる。ちなみに陰気で根暗オタクのような人も後ろにひょっこり混じっていた。
「信じられねえくらい綺麗だべ」
「べっぴんさんやね」
「おらと付き合ってくんねか?」
「ええ匂いだなぁたまんねえべよ」
「ほんとにおら達が種付けしていいべか?」
顔のランクは最底辺だと見た瞬間にわかる程の醜い男たちには、絶対に何がなんでもどんな手段を使っても人生で縁のない若く美しい女性を前にした。容貌のよくない男たちは歓喜が爆発して猿みたいに騒いでいた。嬉し泣きしているのは見世物小屋にいるようなヘンテコな顔の男。
汚い格好をしたブサイクな男たちの下品な言葉が飛び交う。この世に生まれてきた事に落胆を引き起こすほどの顔の作りがかなり乱雑な男たちは、飢えた獣みたいな表情になって鼻息を荒くしていた。これからの事を考えると一同揃って胸の中の心臓が羽ばたくような思いでした。
「何をしても構いませんよ。そのかわり約束通りちゃんと妊娠させてあげてくださいね」
この二人を好きなようにしていいですよと、アメリアは何も問題ないというような平気な顔で言った。フローラとエリザベスの罰は、能力や風貌が劣っている男に強制的に妊娠させられて公爵家から追放すること。
不潔な男たちに弄ばれてショックで嘆き悲しむ顔の姉と妹を見ても心は少しも痛まなかった。それどころか同情を引く感じで救いを求める声を聞いても嬉しくて限りない喜びに満ちる。
悲しみに怒りまたは痛みのために泣き叫ぶ声を聞いてもアメリアには心地良く感じられた。アメリアは学園で辛い思いをしていた時のことを思い出していた。そして必ず復讐してやると決めてこの光景を持ち望んでいた。
「くさああああい!!ブサイク気持ち悪い……触らないでえええええ!!アメリアお姉様ゆるしてええええええ!!私たちが悪かったからあぁああ!!うわあぁあぁああぁああぁあぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁああああぁっ!!!」
「やだああああああああぁーーーー!!ブサイクの子供なんて産みたくないのおおおおっ!!子供が絶対にブスになるからーーーー!!ブスは人生不幸になって絶望するからーーーー!!」
アメリアはすでに両親とは和解していたが、まだ関係は緊張した状態のままだった。アメリアの話を聞かずにフローラとエリザベスの話を鵜呑みにしたことに、罪悪感のような思いに苦悩しながら過ごしていた。
元々の性格は真面目で優しい人格者の両親は良心の呵責に耐えきれずにアメリアの条件を受け入れた。アメリアに負い目を感じて恐ろしい復讐に協力することに同意した。公爵家はアメリアが実質的に支配していた。
数日後、アメリアは姉と妹に復讐を終えてひと仕事終わったようなほっとする思いで、食後の熱いコーヒーを飲みながら新聞の広告を見て笑っていた――
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
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