婚約破棄したら王子が行方不明になった。幼馴染と妹に捨てられて人生に絶望したらしい。

佐藤 美奈

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「マライアの目を盗んで隠れてアニーに会っていた。全て僕が悪いけど罪悪感で苦しかった」

数日後、マライアとシャールは接触し二人だけで話し合う。恵み豊かな頬の肉はげっそりと痩せて蒼白な顔色で、シャールの印象は精神的に疲れているように見える。

自分は幼馴染のアニーと妹のミュエルに甘い言葉で誘われて悪い企みにひっかかり、倫理的によくない行動をしたことを深く反省している。

マライアの気持ちを考えられない情けない男だったと、悲しんだ顔で謝る。この日の前日に、もう戻れないかもしれないけど、最後まで解決に努力することを誓っていた。

彼は今はせめて、誠心誠意を尽くして謝るしかないことを自覚しているので、熱意を持って床に頭をこすりつけて彼女の許しを願う。

「私とまだ結婚する気持ちはあるの?」
「こんなこと言える立場じゃないけどマライアとやり直したい」

男女の仲になった時から、こまやかな愛情を胸に秘めてシャールを宿命的に惹かれていた。

彼女は非常に失望した表情をしている。念を押すように厳重な口調になり、眼前でいきなり土下座をした彼に意思を問う。

マライアが大切な存在であることを再認識し、もう一度やり直したいと話す。彼女は彼の言葉が何とも情けない感じに聞こえた。

「つい先日は何もないと言っておきながら、態度をコロッと変えて平気で手のひらを返すのですね?」

おかしい……?シャールが急に心を入れ替えたように変わったことに、マライアは困惑した表情で追及する構えを見せる。大いに反省しているのは分かるが、だからと言って人はこれほどまで変われるのかと思うのです。

「愛している人を失うかもしれないと分かって、自分の考えが足りないと感じたから……それからアニーとミュエルともつながりを切る。僕の中でマライアが唯一無二の誰よりも大切な存在なんだ」

自分は彼女との約束を踏みにじったゴミ以下の男。信頼できないという風な視線で睨む。前まではかわいい笑顔だけを向けてくれていた彼女に、限りなく軽蔑した目で見られるのが自業自得でも辛い。

「シャールを信じていいの?」
「裏切った男なんだから、マライアが心の片隅に引っかかりを感じるのは当たり前のことだよ。でも信じてほしい」

マライアは不安なのだろう……少しだけ緊張感が和らいだ声で改めて確認する。

だがシャールは強い思いがある顔で、自分が問題のある行動をしていたのが原因で全体にわたって自分が悪いと徹底的に主張した。

彼の涙に覆われた顔を見ながら、忍びないほど哀れを誘う悲痛な声が彼女の鼓膜へと響き渡ると、心がひそかに同情が湧く。
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