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「もし私が浮気を疑われたら、シャールに相手とは別れたって言っても簡単に信用してくれないでしょうね」
「そうよマライア。だから殿下の言葉も簡単に信じたらいけませんよ?」
「わかった」
マライアが裏切られたと感じているなら、少なからずシャールとの信頼が損なわれている証拠。元の関係に戻るのは決して容易なことではない。
相手への謝罪は演技で行うのではなく、誠実に振る舞い地道に努力を重ねて信頼を取り戻すことだとマライアは思う。シャールにも真摯な対応で自分を安心させてほしい。
「マライアが偶然に知って注意したから、殿下は面倒だから取りつくろうための言葉だったかも」
「そうだね」
そんなに簡単にやめられるなら最初から浮気なんてしてない。友人が注意を促すのが必要だと感じて言葉のトーンを強めて言う。
男と女がひそかに通じ合っているような繋がりは、もしも叶うならばという倫理観のない気持ちがあると、あっという間に一線を超えた仲が成立してしまう。
マライアはシャールの謝罪に腑に落ちない点があったから悩んだ。これから先、恋人にどう接すれば良いのか?迷っていた自分に正しい道を教えてほしくて友人に相談した。
「彼女はとても美しくて学園では異性、同性問わず人気だったな」
シャールは浮気がマライアに知られてしまい日々後悔していた。この前はマライアに謝罪して少し時間をくださいと言われて別れる。
許してくれてもう一度やり直せるかもしれないと期待していた矢先だった。昨日アニーに呼び出されて妊娠したと打ち明けられて、途方に暮れるしかない自分に腹立たしさを感じる。
ベッドの上で寝転がりながら恋人への気持ちをつぶやく。ありのままに言うと、シャールはマライアと交際してから、幼馴染意外にも数回浮気をしたことがあって反省もしてなかった。
「彼女に告白して受け入れてもらった時には、天にも昇る気持ちだったな」
シャールは初めて自分のほうが好きだと思える相手だった。今までは好きと言われて付き合うことが多かったけど、マライアはシャールから好きと告白して付き合った大切な人。
マライアは今までの子と全然違い、気だてがよく口喧嘩しても勝てなくて機転がきく聡明な女性であり、柔らかい雰囲気と親しみやすい笑顔で癒してくれた。友人のこともすごく大事にしてたし、自分に対しても驚くほどに思いやりがあった。
「僕は甘えて我儘放題言ってたな」
マライアはいつも広い心で接してくれた。今思えば彼女は頑張って時間を作ってくれていたのに、会う時間が少ないと何度も言って困らせていた。
それにシャールが令嬢と遊んだり食事に行っても許してくれていたけど、マライアが男性と話しているだけでここぞとばかりに不満を口にする。
振り返れば、愛らしい顔立ちでスタイルも抜群で異性にモテる要素を兼ね備えた彼女が、よくこんなあまのじゃくな性格の自分となんかと付き合ってくれてたのか不思議だ。
シャールも異性からは好意を持たれていたけどその理由は、あの王子は顔は良いけど頭が弱そうだから簡単に落とせそうと、言い寄ってきた令嬢達が不敵な笑みをもらしながら会話しているのを思いがけず聞いたことがある。
「前からシャールのことが好きだったの」
ある時、幼馴染のアニーに告白され、マライアに会えない悩みなどを何でも打ち明けてしまった。アニーは可愛らしい容姿をしているけど、他の異性とも付き合っていて性格も褒められたものではなかった。
だが、素行が悪いアニーといつも一緒にいると好きになってしまい、シャールの中では本命になりつつあったのが我ながら恥ずかしい。それでアニーと会った次の日には、マライアに何事もなかったように、愛していると言っていた。
シャールは、マライアに幼馴染との関係を知られるというのも想像すらしなかった。泥沼に墜ちたような気持ちのシャールは迷い悩み行方不明になってしまう。国を挙げての取り組みでずいぶん探したが一向に見つからなかった――
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
「そうよマライア。だから殿下の言葉も簡単に信じたらいけませんよ?」
「わかった」
マライアが裏切られたと感じているなら、少なからずシャールとの信頼が損なわれている証拠。元の関係に戻るのは決して容易なことではない。
相手への謝罪は演技で行うのではなく、誠実に振る舞い地道に努力を重ねて信頼を取り戻すことだとマライアは思う。シャールにも真摯な対応で自分を安心させてほしい。
「マライアが偶然に知って注意したから、殿下は面倒だから取りつくろうための言葉だったかも」
「そうだね」
そんなに簡単にやめられるなら最初から浮気なんてしてない。友人が注意を促すのが必要だと感じて言葉のトーンを強めて言う。
男と女がひそかに通じ合っているような繋がりは、もしも叶うならばという倫理観のない気持ちがあると、あっという間に一線を超えた仲が成立してしまう。
マライアはシャールの謝罪に腑に落ちない点があったから悩んだ。これから先、恋人にどう接すれば良いのか?迷っていた自分に正しい道を教えてほしくて友人に相談した。
「彼女はとても美しくて学園では異性、同性問わず人気だったな」
シャールは浮気がマライアに知られてしまい日々後悔していた。この前はマライアに謝罪して少し時間をくださいと言われて別れる。
許してくれてもう一度やり直せるかもしれないと期待していた矢先だった。昨日アニーに呼び出されて妊娠したと打ち明けられて、途方に暮れるしかない自分に腹立たしさを感じる。
ベッドの上で寝転がりながら恋人への気持ちをつぶやく。ありのままに言うと、シャールはマライアと交際してから、幼馴染意外にも数回浮気をしたことがあって反省もしてなかった。
「彼女に告白して受け入れてもらった時には、天にも昇る気持ちだったな」
シャールは初めて自分のほうが好きだと思える相手だった。今までは好きと言われて付き合うことが多かったけど、マライアはシャールから好きと告白して付き合った大切な人。
マライアは今までの子と全然違い、気だてがよく口喧嘩しても勝てなくて機転がきく聡明な女性であり、柔らかい雰囲気と親しみやすい笑顔で癒してくれた。友人のこともすごく大事にしてたし、自分に対しても驚くほどに思いやりがあった。
「僕は甘えて我儘放題言ってたな」
マライアはいつも広い心で接してくれた。今思えば彼女は頑張って時間を作ってくれていたのに、会う時間が少ないと何度も言って困らせていた。
それにシャールが令嬢と遊んだり食事に行っても許してくれていたけど、マライアが男性と話しているだけでここぞとばかりに不満を口にする。
振り返れば、愛らしい顔立ちでスタイルも抜群で異性にモテる要素を兼ね備えた彼女が、よくこんなあまのじゃくな性格の自分となんかと付き合ってくれてたのか不思議だ。
シャールも異性からは好意を持たれていたけどその理由は、あの王子は顔は良いけど頭が弱そうだから簡単に落とせそうと、言い寄ってきた令嬢達が不敵な笑みをもらしながら会話しているのを思いがけず聞いたことがある。
「前からシャールのことが好きだったの」
ある時、幼馴染のアニーに告白され、マライアに会えない悩みなどを何でも打ち明けてしまった。アニーは可愛らしい容姿をしているけど、他の異性とも付き合っていて性格も褒められたものではなかった。
だが、素行が悪いアニーといつも一緒にいると好きになってしまい、シャールの中では本命になりつつあったのが我ながら恥ずかしい。それでアニーと会った次の日には、マライアに何事もなかったように、愛していると言っていた。
シャールは、マライアに幼馴染との関係を知られるというのも想像すらしなかった。泥沼に墜ちたような気持ちのシャールは迷い悩み行方不明になってしまう。国を挙げての取り組みでずいぶん探したが一向に見つからなかった――
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
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