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第26話
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テリーは家族の問題を相談しようと元婚約者のフローラに手紙を出しましたが、何の返事もありませんでした。だがしつこく送ると返事があり、夫のレオナルドと一緒なら会うことを了承してくれる。
話し合いの当日。客室に通されたフローラとレオナルドは部屋へ入っていくと、案内したメイドが軽くお辞儀をしてその場を離れる。すでにテリーは待っていて椅子に座ったまま静かな表情をしていた。
「フローラ久しぶりだね」
「ええ、そうね」
フローラはかつての恋人であるテリーの顔を見て驚いてしまったのである。青白いやせこけた顔に、ぼさぼさの髪と無精ひげでテリーの疲労の度合いを感じとった。
「アリスと何があったの?」
「アリスに浮気を告白されて悩んでるんだ」
向かい合ってみると、フローラは何を言ったらいいのか、わからなかった。とりあえず妹のアリスと何か問題があったのかと尋ねたのです。
アリスには不倫関係を結んでいる男がいると、広く噂になっていたのでそれほど驚くべきことではありませんでした。だがテリーは悩んでいるともらす。
「あなたも大変だったのね。それでどうしたいの?」
フローラは上品な顔をしかめて問いかける。余すところなくアリスの性格を知っているので同情心が動いていた。
「アリスの浮気をやめさせたいというか、捨てられないために僕はどうしたらいいか悩んでて……」
テリーの言葉を聞いたフローラとレオナルドは、不思議そうな顔をして互いに顔を合わせたのである。
「別れようとは考えてないのですか?」
そしてレオナルドがこう尋ね返してきた。
「浮気されたとしても僕はアリスのことが好きだ。別れる選択はない。本当にただの出来心だと思うから……妻を許すのも大事だからね」
テリーはアリスのことが好きでたまらないらしく、心があたたかく揺れて胸がときめいていると、異常なほど熱意を燃やし語り出す。
「心が広いですね」
「アリスのこと愛してるから」
あなたは人を愛する心豊かな人間であると、レオナルドは心底驚いたような口ぶりで言うが、こんなことは全然許せる範囲内ですとテリーは答えるのです。その表情は晴れやかな笑みを浮かべている。
「でも子供も全員テリーの子じゃないでしょ?」
「うん、そうだよ。アリスから教えてもらった。顔も全然僕と似てないから前からおかしいとは思ってたから……それほど驚かなかったよ。やっぱりかって感じでね」
「アリスを許せるの?」
許せる範囲をとうに超えています。フローラの顔はそう言いたげでした。だがテリーが納得しているならアリスを責めることなど誰にもできません。
夫婦としての信頼関係は大切でしょう?とフローラはきつい口調で問う。
*****
新作「婚約してる彼が幼馴染と一緒に生活していた「僕は二人とも愛してる。今の関係を続けたい」今は許してと泣いて頼みこむ。」を投稿しました。よろしくお願いします。
話し合いの当日。客室に通されたフローラとレオナルドは部屋へ入っていくと、案内したメイドが軽くお辞儀をしてその場を離れる。すでにテリーは待っていて椅子に座ったまま静かな表情をしていた。
「フローラ久しぶりだね」
「ええ、そうね」
フローラはかつての恋人であるテリーの顔を見て驚いてしまったのである。青白いやせこけた顔に、ぼさぼさの髪と無精ひげでテリーの疲労の度合いを感じとった。
「アリスと何があったの?」
「アリスに浮気を告白されて悩んでるんだ」
向かい合ってみると、フローラは何を言ったらいいのか、わからなかった。とりあえず妹のアリスと何か問題があったのかと尋ねたのです。
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「あなたも大変だったのね。それでどうしたいの?」
フローラは上品な顔をしかめて問いかける。余すところなくアリスの性格を知っているので同情心が動いていた。
「アリスの浮気をやめさせたいというか、捨てられないために僕はどうしたらいいか悩んでて……」
テリーの言葉を聞いたフローラとレオナルドは、不思議そうな顔をして互いに顔を合わせたのである。
「別れようとは考えてないのですか?」
そしてレオナルドがこう尋ね返してきた。
「浮気されたとしても僕はアリスのことが好きだ。別れる選択はない。本当にただの出来心だと思うから……妻を許すのも大事だからね」
テリーはアリスのことが好きでたまらないらしく、心があたたかく揺れて胸がときめいていると、異常なほど熱意を燃やし語り出す。
「心が広いですね」
「アリスのこと愛してるから」
あなたは人を愛する心豊かな人間であると、レオナルドは心底驚いたような口ぶりで言うが、こんなことは全然許せる範囲内ですとテリーは答えるのです。その表情は晴れやかな笑みを浮かべている。
「でも子供も全員テリーの子じゃないでしょ?」
「うん、そうだよ。アリスから教えてもらった。顔も全然僕と似てないから前からおかしいとは思ってたから……それほど驚かなかったよ。やっぱりかって感じでね」
「アリスを許せるの?」
許せる範囲をとうに超えています。フローラの顔はそう言いたげでした。だがテリーが納得しているならアリスを責めることなど誰にもできません。
夫婦としての信頼関係は大切でしょう?とフローラはきつい口調で問う。
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