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第28話
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「本気の恋になられたら困るけど、たまにはアリスにもちょっとした気晴らしに外出するのも大事だと思う」
テリーはアリスが不倫相手の男のことを本気で好きになられたら頭を抱えますが、一夜限りの割りきった恋ならいくらでもしてくれて構わないと言う。
妻が家庭に縛られるのは良くないという考えだった。生活への不満に対するガス抜きのために、少しくらいは遊んでくれたほうが夫としても嬉しい。
「なにがちょっとした気晴らしなの?アリスの子供は全員あなたの子供じゃないのよ?異常でしょ?」
フローラは信じられない気持ちでテリーをじっと見つめながら、言い返す言葉に非難を含んだ調子が混じる。
「フローラ何を言っているんだ。アリスが自分から正直に話してくれたから反省はしてるってことだろ?」
「それでテリーは納得したの?」
「うん。僕が許すって言ったらありがとうって可愛い笑顔を返してくれた。それで十分じゃないか?言っておくけど僕はアリスのことを責める気持ちは少しもないよ」
妻が不貞を働いたばかりでなく、その全ての子供の父親が浮気相手など、普通なら素直に受け止めることは難しいでしょうが、テリーは許す事においてはキリストを越える無限の慈愛を秘めて驚くべき忍耐力をそなえていた。
フローラの質問にも軽く受け流して答える。余裕すら感じられるテリーの一言に、フローラとレオナルドの二人は、この男はまともじゃない。きっとどうにかなってしまったんだと思うわけである。
「それならアリスの浮気相手の男と会って話したことはあるの?」
男と話し合ってちゃんと決着をつけるべきだとフローラは、至極もっともな意見を述べてくれた。テリーはアリスから聞いて男が商人であるということもわかっていた。
「やだよ。男と会いたくない。僕がみじめな気持ちになるだけだよ」
ところがテリーは男と顔を合わせることを恐れているのだ。男と会ったら、みじめな気分に落ちこむことが容易に想像できる。それがテリーには屈辱的であり、あまりにも苦痛だろうと悟ったのだ。
「私がテリーの立場なら冷静になって別れるけど……」
「そう?逆に僕はやっぱりアリスのことが好きって思ったよ。僕がアリスに負担をかけてたのかなって反省することしきりだ」
同じ立場になったら、フローラは夫婦の愛情が消えて無くなって、潔く別れる決心をすると言います。だが、テリーは逆で真の愛情に目覚めて、以前よりも数倍好きになってしまったと答える。
さらに妻であるアリスの心に重荷を背負わせて、苦しめたことにも自責の念に駆られ胸が痛いともらす。
テリーはアリスが不倫相手の男のことを本気で好きになられたら頭を抱えますが、一夜限りの割りきった恋ならいくらでもしてくれて構わないと言う。
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「なにがちょっとした気晴らしなの?アリスの子供は全員あなたの子供じゃないのよ?異常でしょ?」
フローラは信じられない気持ちでテリーをじっと見つめながら、言い返す言葉に非難を含んだ調子が混じる。
「フローラ何を言っているんだ。アリスが自分から正直に話してくれたから反省はしてるってことだろ?」
「それでテリーは納得したの?」
「うん。僕が許すって言ったらありがとうって可愛い笑顔を返してくれた。それで十分じゃないか?言っておくけど僕はアリスのことを責める気持ちは少しもないよ」
妻が不貞を働いたばかりでなく、その全ての子供の父親が浮気相手など、普通なら素直に受け止めることは難しいでしょうが、テリーは許す事においてはキリストを越える無限の慈愛を秘めて驚くべき忍耐力をそなえていた。
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「それならアリスの浮気相手の男と会って話したことはあるの?」
男と話し合ってちゃんと決着をつけるべきだとフローラは、至極もっともな意見を述べてくれた。テリーはアリスから聞いて男が商人であるということもわかっていた。
「やだよ。男と会いたくない。僕がみじめな気持ちになるだけだよ」
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「私がテリーの立場なら冷静になって別れるけど……」
「そう?逆に僕はやっぱりアリスのことが好きって思ったよ。僕がアリスに負担をかけてたのかなって反省することしきりだ」
同じ立場になったら、フローラは夫婦の愛情が消えて無くなって、潔く別れる決心をすると言います。だが、テリーは逆で真の愛情に目覚めて、以前よりも数倍好きになってしまったと答える。
さらに妻であるアリスの心に重荷を背負わせて、苦しめたことにも自責の念に駆られ胸が痛いともらす。
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