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第38話
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「アリスどうだい?」
「ちょうどいいわ。テリー上手よ」
「ありがとうっ!!!」
家庭と王子の妻の地位を捨てて、男と共に駆け落ちしたアリスが帰ってきてから数日経過した。今は昼頃、テリーはアリスの足を両手で揉んで真心を尽くしている。
アリスは横になりお菓子を食べて雑誌を読みながら、テリーに足のだるさとむくみを取ってもらっていた。アリスに褒められると嬉しさに瞳が揺れて満面の笑顔で応えた。
最近テリーは、いつも明るい笑顔を絶やさぬ日々を送っている。これも切なさに胸が溢れるほど愛する妻が戻ってきたおかげだろう。アリスがいない間は、暗い顔でずっと黙って物思いに沈んでいた。一時は体調を崩して入院して周囲を心配させたこともあった。
「――パパ!」
「パパ遊んで!!」
子供たちが部屋にやってきた。テリーの子供は4人いて、一人は赤ん坊である。この子供たちはアリスが産んだのは間違いありませんが、全員が駆け落ちした男の子供だった。
なので、史上最も美しいと言われているテリーの顔が全く入っていないのだ。それなら母のアリスに似ているのか?と思うのだがそういうわけではない。アリスは可愛らしい可憐な顔立ちをしているが、その顔も残念ながら子供たちに一人も受け継がれていないのです。
どういうわけか?アリスと長年にわたって関係を結んでいる男の下品な顔にそっくりだった。それも男の子も女の子も全員だ。そんな事はあってはならぬのに……。テリーの両親の陛下と王妃は、孫の顔を見た時に悲しみの底に突き落とされて今も戸惑いから立ち直れていなかった。
「今はママの足を揉んでるからごめんね」
どうやらテリーの中では、子供と遊ぶよりもアリスの足を揉むほうが大事なようだ。テリーは申しわけなさそうな顔で言いましたが、内心ではアリスとの時間を邪魔されたくないというのが本心でした。
「パパはママの足が痛いから回復してくれてるのよ」
別にアリスは足が痛いわけではないのだが、そのように言った。アリスは駆け落ちから帰って来てから、特別に子供たちに触れ合うこともなく、元気にしてた?みたいな感じである。
子供たちに対して深い愛情はないようです。メイドたちがしっかりと育ててくれている事はわかっているので、それほど心配する様子も見せなかったのがアリスの率直な気持ちだった。
「ちょうどいいわ。テリー上手よ」
「ありがとうっ!!!」
家庭と王子の妻の地位を捨てて、男と共に駆け落ちしたアリスが帰ってきてから数日経過した。今は昼頃、テリーはアリスの足を両手で揉んで真心を尽くしている。
アリスは横になりお菓子を食べて雑誌を読みながら、テリーに足のだるさとむくみを取ってもらっていた。アリスに褒められると嬉しさに瞳が揺れて満面の笑顔で応えた。
最近テリーは、いつも明るい笑顔を絶やさぬ日々を送っている。これも切なさに胸が溢れるほど愛する妻が戻ってきたおかげだろう。アリスがいない間は、暗い顔でずっと黙って物思いに沈んでいた。一時は体調を崩して入院して周囲を心配させたこともあった。
「――パパ!」
「パパ遊んで!!」
子供たちが部屋にやってきた。テリーの子供は4人いて、一人は赤ん坊である。この子供たちはアリスが産んだのは間違いありませんが、全員が駆け落ちした男の子供だった。
なので、史上最も美しいと言われているテリーの顔が全く入っていないのだ。それなら母のアリスに似ているのか?と思うのだがそういうわけではない。アリスは可愛らしい可憐な顔立ちをしているが、その顔も残念ながら子供たちに一人も受け継がれていないのです。
どういうわけか?アリスと長年にわたって関係を結んでいる男の下品な顔にそっくりだった。それも男の子も女の子も全員だ。そんな事はあってはならぬのに……。テリーの両親の陛下と王妃は、孫の顔を見た時に悲しみの底に突き落とされて今も戸惑いから立ち直れていなかった。
「今はママの足を揉んでるからごめんね」
どうやらテリーの中では、子供と遊ぶよりもアリスの足を揉むほうが大事なようだ。テリーは申しわけなさそうな顔で言いましたが、内心ではアリスとの時間を邪魔されたくないというのが本心でした。
「パパはママの足が痛いから回復してくれてるのよ」
別にアリスは足が痛いわけではないのだが、そのように言った。アリスは駆け落ちから帰って来てから、特別に子供たちに触れ合うこともなく、元気にしてた?みたいな感じである。
子供たちに対して深い愛情はないようです。メイドたちがしっかりと育ててくれている事はわかっているので、それほど心配する様子も見せなかったのがアリスの率直な気持ちだった。
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