婚約者の王太子殿下は浮気性「私の妹や親友を口説くのはやめて!」もう妊娠させたの?泣いて土下座しても許しませんよ

佐藤 美奈

文字の大きさ
2 / 8

第2話

しおりを挟む
その数日後、学園で昼食が済んで休憩時間の時です。

アリス令嬢は休憩所のようなくつろげる場所に向かっていました。そこで楽しそうに話している声が聞こえてきます。

「楽しそうね。何のお話してるの?」

小鳥のさえずりのような令嬢のおしゃべりでした。その場にいたのは3人でグレース伯爵令嬢、シャーロット子爵令嬢、マチルダ男爵令嬢です。

3人ともアリス令嬢とは親友と呼べる昔ながらの友人でした。勿論この前の婚約パーティーにも出席している。

「ア、アリス…今の話し聞こえてた?」
「いや、今来たところだから……」
「そう」

グレース令嬢は驚いてどもり、動揺している感じです。他の二人の令嬢も妙に気まずそうな顔をする。

「かなり話に花が咲いてたようだけど……何を話してたの?」

あれほど弾んだ調子の声でみんな会話をしていたのにどうしたのか?

自分が来たらなぜその場が潮が引くように静まるのかアリス令嬢には不思議でなりません。

「な、なんでも…ないからね……」

シャーロット令嬢は心の高ぶりと焦りを抑えきれない乱れた声で言います。

なにこの感じは? 明らかにみんなの様子がおかしい。

「マチルダ何を話してたのか教えて」
「…10日ほど前の晩餐会のことです」
「先ほどのお喋りからそんなに愉快でたまらなかったの?」
「はい……」
「それを詳しく話してほしいな」

少し間がありマチルダ令嬢は困った顔のままで口を切り出し愛想笑いを浮かべています。

アリス令嬢がその話をできるだけ噛み砕いて分かりやすく教えてほしいと追及しました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

嘘からこうして婚約破棄は成された

桜梅花 空木
恋愛
自分だったらこうするなぁと。

幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。

喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。 学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。 しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。 挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。 パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。 そうしてついに恐れていた事態が起きた。 レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。

人生の全てを捨てた王太子妃

八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。 傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。 だけど本当は・・・ 受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。 ※※※幸せな話とは言い難いです※※※ タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。 ※本編六話+番外編六話の全十二話。 ※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

天然と言えば何でも許されると思っていませんか

今川幸乃
恋愛
ソフィアの婚約者、アルバートはクラスの天然女子セラフィナのことばかり気にしている。 アルバートはいつも転んだセラフィナを助けたり宿題を忘れたら見せてあげたりとセラフィナのために行動していた。 ソフィアがそれとなくやめて欲しいと言っても、「困っているクラスメイトを助けるのは当然だ」と言って聞かず、挙句「そんなことを言うなんてがっかりだ」などと言い出す。 あまり言い過ぎると自分が悪女のようになってしまうと思ったソフィアはずっともやもやを抱えていたが、同じくクラスメイトのマクシミリアンという男子が相談に乗ってくれる。 そんな時、ソフィアはたまたまセラフィナの天然が擬態であることを発見してしまい、マクシミリアンとともにそれを指摘するが……

貴方の事なんて大嫌い!

柊 月
恋愛
ティリアーナには想い人がいる。 しかし彼が彼女に向けた言葉は残酷だった。 これは不器用で素直じゃない2人の物語。

婚約破棄は先手を取ってあげますわ

浜柔
恋愛
パーティ会場に愛人を連れて来るなんて、婚約者のわたくしは婚約破棄するしかありませんわ。 ※6話で完結として、その後はエクストラストーリーとなります。  更新は飛び飛びになります。

貧乏令嬢はお断りらしいので、豪商の愛人とよろしくやってください

今川幸乃
恋愛
貧乏令嬢のリッタ・アストリーにはバート・オレットという婚約者がいた。 しかしある日突然、バートは「こんな貧乏な家は我慢できない!」と一方的に婚約破棄を宣言する。 その裏には彼の領内の豪商シーモア商会と、そこの娘レベッカの姿があった。 どうやら彼はすでにレベッカと出来ていたと悟ったリッタは婚約破棄を受け入れる。 そしてバートはレベッカの言うがままに、彼女が「絶対儲かる」という先物投資に家財をつぎ込むが…… 一方のリッタはひょんなことから幼いころの知り合いであったクリフトンと再会する。 当時はただの子供だと思っていたクリフトンは実は大貴族の跡取りだった。

悪意には悪意で

12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。 私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。 ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。

処理中です...