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第13話 強盗集団に襲われた王子に意外な助っ人
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「大切な女性に誠心誠意尽くして頭を下げよう」
家を飛び出したエースは静かな田舎道をぶらぶら散歩していた。新鮮な空気と日光を浴びて気分がやわらぐと、アンジェリカに冷たい言い方をした自分の態度を反省して謝りたい気持ちになる。
「ん?あいつらは何だ!?危なそうな連中だな……」
歩きながら真摯な心でアンジェリカに詫びを入れようと考えていた時だ。
前から汚れた衣服をまとった男たちが見えた。知らない顔ばかりで村人たちではない。総数は数十人で暴力的な感じがするので、エースは警戒した顔に変わるが心は不安で仕方がない。逃げ出したいほど怖くて両足はみっともなく震えていた。
エースの予想は見事に的中した。この辺りを縄張りにしている悪名高い盗賊組織だった。引き返すことは可能だが一本道しかないので、待ち伏せされる恐れがあるし結局は前に進むしかない。
いつまでも戻らなければアンジェリカにも余計な心配をかけさせてしまうのもエースは気にする。
「えっ!?」
すれ違ったとき只ならぬ気配を感じたが、慣れたような動きで一瞬で囲まれてしまいどうする事もできなかった。不意をつかれたエースはいささか間抜けな声を出した。
「兄さん見ない顔だな」
「なんだお前たちは?」
田舎の道を見るからに高価なものを身につけ派手な服装の男が歩いていたらよく目立つ。盗賊たちは遠目でも視線を引きつけて、仲間の中で視界が広い者はじっと前方を見据えていた。
身なりからして最初はどこかの貴族かと思って二の足を踏んだ。護衛の兵が何人か近くにいるだろうと盗賊たちは用心ぶかく行動した。
歩きながら話し合っていたが相手は一人で間違いないと分かるとニヤリと笑う。金品に目がない盗賊が黙って見逃すはずがない。こちらは十人以上で相手はたった一人の人間である。
鴨が葱を背負って来るようなもので、例え相手が抵抗して戦いになっても負けることはないだろうと盗賊のボスは判断し獲物を襲うことが決まった。
「兄さん分かっていると思うが俺たちは盗賊だ。ここら辺りでは凶悪で名が通っている」
「やはりお前たちは盗賊か。こんな事をしてただで済むと思っているのか!」
「威勢がいいがこの人数差だ。怪我したくなかったら抵抗しないほうがいいぞ?金目のものを素直に渡せば命までは取らねえよ。まずはその高そうな服を脱いで寄こしてもらおうか?」
エースはこれだけの盗賊を倒せるほど強くはないが、非常に高いプライドを持っているので素直に言う事は聞きたくなかった。
はっきり言って盗賊の男たちの脅し文句に心底脅えていたが、一生懸命に気高い姿を貫いて王族的な品位を感じさせていた。
「ふざけるな!この服がいくらすると思ってるんだ。この服はお母様からいただいた宝物でお前たちが一生かかっても買えない高価な品だぞ」
「兄さん口だけは一丁前だな。しかし頭が悪いらしい。じゃあ俺たちとやりあうっていうのか?」
エースの着ているたくさんの宝石で飾られた服を差し出せと命令された。この服は信じられないほど価値の高い服で、贅沢をしなければ一生お金の心配はせずに暮らしていける。
だがこの服はオリビア王妃からエースの成人した祝いでプレゼントしてもらった。彼が一番大切にしているものといっていい。それをこんな薄汚い男たちに譲ってやるなんて、命が取られそうでも納得できることではなかった。
まさに絶体絶命の危機である。その瞬間、辺りに響くような大声が聞こえた。エースは心臓のとまった気分で驚きの顔をしていたが強力な助っ人が現れた。
「大丈夫かーーーーー!」
「お、お前たちは!?」
家を飛び出したエースは静かな田舎道をぶらぶら散歩していた。新鮮な空気と日光を浴びて気分がやわらぐと、アンジェリカに冷たい言い方をした自分の態度を反省して謝りたい気持ちになる。
「ん?あいつらは何だ!?危なそうな連中だな……」
歩きながら真摯な心でアンジェリカに詫びを入れようと考えていた時だ。
前から汚れた衣服をまとった男たちが見えた。知らない顔ばかりで村人たちではない。総数は数十人で暴力的な感じがするので、エースは警戒した顔に変わるが心は不安で仕方がない。逃げ出したいほど怖くて両足はみっともなく震えていた。
エースの予想は見事に的中した。この辺りを縄張りにしている悪名高い盗賊組織だった。引き返すことは可能だが一本道しかないので、待ち伏せされる恐れがあるし結局は前に進むしかない。
いつまでも戻らなければアンジェリカにも余計な心配をかけさせてしまうのもエースは気にする。
「えっ!?」
すれ違ったとき只ならぬ気配を感じたが、慣れたような動きで一瞬で囲まれてしまいどうする事もできなかった。不意をつかれたエースはいささか間抜けな声を出した。
「兄さん見ない顔だな」
「なんだお前たちは?」
田舎の道を見るからに高価なものを身につけ派手な服装の男が歩いていたらよく目立つ。盗賊たちは遠目でも視線を引きつけて、仲間の中で視界が広い者はじっと前方を見据えていた。
身なりからして最初はどこかの貴族かと思って二の足を踏んだ。護衛の兵が何人か近くにいるだろうと盗賊たちは用心ぶかく行動した。
歩きながら話し合っていたが相手は一人で間違いないと分かるとニヤリと笑う。金品に目がない盗賊が黙って見逃すはずがない。こちらは十人以上で相手はたった一人の人間である。
鴨が葱を背負って来るようなもので、例え相手が抵抗して戦いになっても負けることはないだろうと盗賊のボスは判断し獲物を襲うことが決まった。
「兄さん分かっていると思うが俺たちは盗賊だ。ここら辺りでは凶悪で名が通っている」
「やはりお前たちは盗賊か。こんな事をしてただで済むと思っているのか!」
「威勢がいいがこの人数差だ。怪我したくなかったら抵抗しないほうがいいぞ?金目のものを素直に渡せば命までは取らねえよ。まずはその高そうな服を脱いで寄こしてもらおうか?」
エースはこれだけの盗賊を倒せるほど強くはないが、非常に高いプライドを持っているので素直に言う事は聞きたくなかった。
はっきり言って盗賊の男たちの脅し文句に心底脅えていたが、一生懸命に気高い姿を貫いて王族的な品位を感じさせていた。
「ふざけるな!この服がいくらすると思ってるんだ。この服はお母様からいただいた宝物でお前たちが一生かかっても買えない高価な品だぞ」
「兄さん口だけは一丁前だな。しかし頭が悪いらしい。じゃあ俺たちとやりあうっていうのか?」
エースの着ているたくさんの宝石で飾られた服を差し出せと命令された。この服は信じられないほど価値の高い服で、贅沢をしなければ一生お金の心配はせずに暮らしていける。
だがこの服はオリビア王妃からエースの成人した祝いでプレゼントしてもらった。彼が一番大切にしているものといっていい。それをこんな薄汚い男たちに譲ってやるなんて、命が取られそうでも納得できることではなかった。
まさに絶体絶命の危機である。その瞬間、辺りに響くような大声が聞こえた。エースは心臓のとまった気分で驚きの顔をしていたが強力な助っ人が現れた。
「大丈夫かーーーーー!」
「お、お前たちは!?」
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