婚約破棄した王子は年下の幼馴染を溺愛「彼女を本気で愛してる結婚したい」国王「許さん!一緒に国外追放する」

佐藤 美奈

文字の大きさ
18 / 23

18話

ロバートは長きにわたって泣きながら謝罪を繰り返していた。国外追放される前に全裸謝罪か火あぶりの刑にされると泣き腫らした目で助けてくださいと必死になって頼む。

「いままではアンジェラを思う気持ちが足りなかった。これからはアンジェラに人生を捧げるからどうか許してほしい……」
「言うだけだったら誰でもできます」
「それなら僕がアンジェラのことを勝手に好きでいていいか?」
「勝手にしてください」

アンジェラの心はピクリとも動かず、同情を誘うロバートに引きずり込まれることはなかった。数日前の話し合いの時に幼馴染のニーナと寄り添いながら二人だけの世界を作って、幸せそうに微笑みながら愛をささやきあっているのを見ているので冷酷非情になれた。

ロバートは何の苦労も知らずに育った世間知らずのお坊ちゃんだから、性格があんなに横柄な態度なんだよね。知恵や経験が不足している金髪ハンサムの王子には良い薬となったろう。ロバートが婚約破棄の報いを受けてどんな罰が加えられようと、もうアンジェラの中では消化しきれてるのでどうでも良い事で心が痛まない。

ロバートには未練は無くなっていますので、国外追放されて永久に姿を消してしまっても火あぶりの刑にされて一握りに灰になってしまっても別に差し支えありません。逆にとても清々しい気分でお日様のような笑顔になれる。

「お母様!話し合い終わりましたから入ってきてください」

二人はしばらく沈黙していたが、アンジェラは不意に思い出したようにダリアを呼んだ。

「アンジェラ何かおかしなことされなかった?」
「大丈夫です。その時は悲鳴をあげてました」

出入り口のそばで座ってお茶を飲んで待機していたダリアは、ドアの前にいた護衛の男性たちの報告を聞いて部屋に入った。アンジェラに向かって足早に歩いていた。愛娘と目が合うとさわやかで透明感あふれる笑顔を見せてくれてダリアはほっとしたように微笑する。

床にはボロ雑巾のように転がってるロバートがいた。アンジェラの母は今も昔と変わらず美しい見た目を保っている。魅力的な女性のダリアは、自分よりひと回りもふた回りも若い男性に真剣に口説かれるほどのでした。ダリアは整った容貌でゴミを見るような目でロバートを見るとフンと鼻を鳴らした。

「家に帰りましょう」
「そうね」

アンジェラはさっぱりした様子で言う。ダリアは返事をすると二人は楽しそうに話しながら部屋から出ていく。

一人残されたロバートは絶望とさびしさで静かすぎる声で泣き始めた。ロバートは暗黒に放り出された気分で希望のなさに心が折れてしまった。

あなたにおすすめの小説

婚約者を妹に取られた私、幼馴染の〝氷の王子様〟に溺愛される日々

佐藤 美奈
恋愛
エリーゼ・ダグラス公爵家の令嬢は、フレックス・グリムベルク王子と婚約していた。二人の結婚は間近に迫り、すべてが順調に進んでいると思われた。しかし、その幸せは突然崩れ去る。妹のユリア・ダグラスが、フレックスの心を奪ってしまったのだ。婚約破棄の知らせが届くとき、エリーゼは絶望に打ちひしがれた。 「なぜ?」心の中で何度も繰り返した問いに、答えは見つからない。妹に取られたという嫉妬と、深い傷を負ったエリーゼが孤独に沈んでいた。そのとき、カイル・グリムベルク王子が現れる。 彼はエリーゼにとって、唯一の支えであり安らぎの源だった。学園で『氷の王子様』と呼ばれ、その冷徹な態度で周囲を震えさせているが、エリーゼには、その冷徹さとは対照的に、昔から変わらぬ温かい心で接してくれていた。 実は、エリーゼはフレックスとの婚約に苦しんでいた。彼は妹のユリアに似た我儘で気まぐれな性格で、内心では別れを望んでいた。しかし、それを言い出せなかった。

彼女よりも幼馴染を溺愛して優先の彼と結婚するか悩む

佐藤 美奈
恋愛
公爵家の広大な庭園。その奥まった一角に佇む白いガゼボで、私はひとり思い悩んでいた。 私の名はニーナ・フォン・ローゼンベルク。名門ローゼンベルク家の令嬢として、若き騎士アンドレ・フォン・ヴァルシュタインとの婚約がすでに決まっている。けれど、その婚約に心からの喜びを感じることができずにいた。 理由はただ一つ。彼の幼馴染であるキャンディ・フォン・リエーヌ子爵令嬢の存在。 アンドレは、彼女がすべてであるかのように振る舞い、いついかなる時も彼女の望みを最優先にする。婚約者である私の気持ちなど、まるで見えていないかのように。 そして、アンドレはようやく自分の至らなさに気づくこととなった。 失われたニーナの心を取り戻すため、彼は様々なイベントであらゆる方法を試みることを決意する。その思いは、ただ一つ、彼女の笑顔を再び見ることに他ならなかった。

好きでした、婚約破棄を受け入れます

たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……? ※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

婚約者の幼馴染にマウントを取られましたが、彼は最初から最後まで私の味方でした

恋愛
学園で出会い、恋人になり、婚約したリアラとエルリック。 卒業後、リアラはエルリックの故郷へ挨拶に向かう。 彼の両親への挨拶に緊張していると、そこに現れたのはエルリックの幼馴染サラだった。 「私の方がエルリックを知ってる」 「サバサバしてるだけだから」 そんな言葉でリアラを見下し、距離を詰めてくるサラ。 さらにはリアラという婚約者がいるにも関わらず、エルリックに想いを告げてきて―― ※複数のサイトに投稿しています。

婚約者を友人に奪われて~婚約破棄後の公爵令嬢~

tartan321
恋愛
成績優秀な公爵令嬢ソフィアは、婚約相手である王子のカリエスの面倒を見ていた。 ある日、級友であるリリーがソフィアの元を訪れて……。

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました

柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」  結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。 「……ああ、お前の好きにしろ」  婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。  ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。  いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。  そのはず、だったのだが……?  離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。 ※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。