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第2話
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「二人に何があったんだろう……」
カミュとのデートから帰ってきてから自分の部屋で一人きりになると、椅子に腰かけてぼんやりと二人のことを考える。
その時は、いくら仲の良い親友の二人でも共同生活を送っていたら、仲が悪くなる時もあるだろうと事態を楽観視していたと思う。
「ユリウスと何かあったの?」
「何もないよ」
二人が仲直りするまでアリーナはカミュに気遣って、ユリウスの話しはなるべく避けるようにし、カミュもユリウスのことは話そうとしなかった。
気になって何度か思い切って尋ねてみますが、何もないと答えるばかりで動揺する様子もない。
それから少し経っても二人の仲は変わらずに、三人で会った時も何ともいえない重苦しい雰囲気に包まれて、アリーナは息が詰まりそうだった。
前のように爽やかな笑顔を浮かべて、二人がいかにも楽しそうな声で会話することもなく、いつも素っ気ない態度しかみせないのです。
「やっぱりカミュと喧嘩でもしてるの?」
「別に僕達は喧嘩はしてないよ」
「じゃあどうしてあんな状態なの?」
「それは……」
いつまで経っても二人の様子は変わらなかったので、アリーナはどうしても我慢がしきれなくなって、覚悟を決めてユリウスにカミュと何があったのか真相を問いただすことにした。
だがアリーナがいくら厳しく追及する構えを見せても、ユリウスは言葉を詰まらせて浮かない顔色をしている。
それでもアリーナがいつまでも根気よく問いただすと、ユリウスはあまりの緊張に耐えきれず、重い口を開きカミュについて語り始めた。
「カミュと一緒に暮らす部屋には今は帰ってないんだ」
「えっ……どうして?」
「その理由なんだけどアリーナのことを信頼して喋るから、カミュには言わないでほしい」
「分かった。約束する」
いつもユリウスは冗談めかした口調でアリーナのことを笑わせてくれますが、いつになく真剣な面持ちである。そしてカミュと共同生活を送る部屋に、自分はしばらく帰ってないと打ち明けるのです。
寝耳に水の話で、アリーナは唖然とした。いつも三人で遊んでいたのにアリーナは自分だけが、蚊帳の外に置かれていたと感じて悲しくなる。
この驚くべき事実にアリーナはほとんど即座に聞き返した。するとまた一段とユリウスが真顔になり、目を見つめて言うとアリーナは大きく頷いて同意を示してみせた。
「実を言うとカミュが幼馴染だという子を部屋に連れてくるようになって、僕の居場所がどこにもないんだ」
「え?」
ユリウスの言葉にアリーナは何も考えられなくなり、しばらく虚脱状態に陥っていた。
カミュとのデートから帰ってきてから自分の部屋で一人きりになると、椅子に腰かけてぼんやりと二人のことを考える。
その時は、いくら仲の良い親友の二人でも共同生活を送っていたら、仲が悪くなる時もあるだろうと事態を楽観視していたと思う。
「ユリウスと何かあったの?」
「何もないよ」
二人が仲直りするまでアリーナはカミュに気遣って、ユリウスの話しはなるべく避けるようにし、カミュもユリウスのことは話そうとしなかった。
気になって何度か思い切って尋ねてみますが、何もないと答えるばかりで動揺する様子もない。
それから少し経っても二人の仲は変わらずに、三人で会った時も何ともいえない重苦しい雰囲気に包まれて、アリーナは息が詰まりそうだった。
前のように爽やかな笑顔を浮かべて、二人がいかにも楽しそうな声で会話することもなく、いつも素っ気ない態度しかみせないのです。
「やっぱりカミュと喧嘩でもしてるの?」
「別に僕達は喧嘩はしてないよ」
「じゃあどうしてあんな状態なの?」
「それは……」
いつまで経っても二人の様子は変わらなかったので、アリーナはどうしても我慢がしきれなくなって、覚悟を決めてユリウスにカミュと何があったのか真相を問いただすことにした。
だがアリーナがいくら厳しく追及する構えを見せても、ユリウスは言葉を詰まらせて浮かない顔色をしている。
それでもアリーナがいつまでも根気よく問いただすと、ユリウスはあまりの緊張に耐えきれず、重い口を開きカミュについて語り始めた。
「カミュと一緒に暮らす部屋には今は帰ってないんだ」
「えっ……どうして?」
「その理由なんだけどアリーナのことを信頼して喋るから、カミュには言わないでほしい」
「分かった。約束する」
いつもユリウスは冗談めかした口調でアリーナのことを笑わせてくれますが、いつになく真剣な面持ちである。そしてカミュと共同生活を送る部屋に、自分はしばらく帰ってないと打ち明けるのです。
寝耳に水の話で、アリーナは唖然とした。いつも三人で遊んでいたのにアリーナは自分だけが、蚊帳の外に置かれていたと感じて悲しくなる。
この驚くべき事実にアリーナはほとんど即座に聞き返した。するとまた一段とユリウスが真顔になり、目を見つめて言うとアリーナは大きく頷いて同意を示してみせた。
「実を言うとカミュが幼馴染だという子を部屋に連れてくるようになって、僕の居場所がどこにもないんだ」
「え?」
ユリウスの言葉にアリーナは何も考えられなくなり、しばらく虚脱状態に陥っていた。
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