聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈

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14 王子の後悔

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「僕はなんて恥ずかしい男なんだ……」

クロエが去り魔物が押し寄せ国が崩壊した。ガブリエル殿下は、目の前に広がる見るも無残な光景を見つめて、とてつもない罪の意識と言いようのない悔し涙を流す。

自分が振った婚約者で恋人だった聖女のクロエは、この国にとってかけがえのない存在であることを理解した。クロエの言った言葉は全て真実。

彼女がいるのに幼馴染のマリアを好きになり、のめり込んで愛した。『自分が本当の聖女でクロエは偽物』と言えば盲目的に従う無能ぶり。この王国の庶民を守る立場にありながら、なんとも思慮に欠けた情けない王子。

「クロエ……ごめん」

この国を心配した彼女の度重なる説得にも、聞く耳を持たないで問答無用で切り捨てた。実際には自分が捨てられていたのは言うまでもない。


数日前のこと。高飛車な態度で聖女と主張しておきながら、国が苦境に追い込まれるとマリアは誰よりも先に逃げ出した。

「ガブリエルもうこの国は助からないわ。私は国外に逃亡する」
「えっ?ちょっと待ってくれ!マリアは聖女だろう?救ってくれよ!」
「昔から能天気な人ね。呆れるわ……」
「マリア?」
「この状況を見れば分かるでしょ?」
「な、なにが?」
「顔はいいけど本当に頭がからっぽね」
「今僕のことを知恵遅れだと悪口を言ったのか!」
「そうよ、さっきから言ってるでしょ?ガブリエルは本物の聖女を追い出した大馬鹿者だってね!」

僕は何をやっているんだろう……。クロエに土下座して謝れば許してくれるかな?いや、そんなんじゃ足りない。自分が床に頭をこすりつけたところで無意味。国を助ける釣り合いが取れていない。

彼女は許してくれないし、心も波風ひとつ立たないよな?

クロエは慈愛に満ちた女性で、分け隔てすることなく国民に愛情を注いでいた。まさに王国の守護神で救世主。

「クロエと元に戻れるなら僕はどうなってもいい。彼女と比べたら僕の命なんて軽すぎて虫程度だ」

今に至るまで平和な日常が当たり前のことで気がつかなかった。彼女がいたから誰もが安心して笑顔になれて過ごすことができた極めて重要な人物。そんな可愛く美しい彼女と婚約していたのに……。

幼馴染に夢中になっていた自分自身が憎らしい。今思えばたいして美人でもないのに、マリアは異常に男性に好かれていた。いつもモデルのような顔とスタイルの騎士をはべらせる。

よく騎士の体に触れてスキンシップを好み、甘えるのが得意で我がままな子。マリアは自分の見せ方が上手く雰囲気や性格で誤魔化していた。


*****
新作「婚約した幼馴染の彼と妹がベッドで寝てた。婚約破棄は嫌だと泣き叫んで復縁をしつこく迫る。」を投稿しました。よろしくお願いします。
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