婚約していた幼馴染の彼から別れ話を切り出され婚約破棄される、彼は妹と結婚するらしい

佐藤 美奈

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第2話

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「ふぅ…もう一緒にいても意味ないな…今日で終わりにしよう」

深いため息を吐くとノアは別れを切り出す。

「ちょっと待って…」

またたく間に腕を掴むジェシカにノアは突き放したような表情で見る。

「離してくれ。じゃあ、もう学園でも話しかけないでくれ」

ノアは淡々とした口調でジェシカに言うと振り返ることもなく足早に去って行く。ジェシカは何も言えずに一方的に振られたような形になりました。

「はぁ…」

ジェシカは自宅に帰ってから部屋でノアと写っている写真を見ながら悲しげな顔で吐息を漏らす。気づいたらいつのまにか眠っていて夜中に目を覚ますとノアと結婚する相手と話してみようと気持ちを固める。

翌日、学園で食事を終えた昼休みにアリスに声をかけた。

「アリス」
「ジェシカ」
「ちょっと聞きたいんだけど」
「なに?」
「ノアが結婚する人のこと詳しく教えてくれない?」
「聞いてどうするの?ノアと何かあったの?」
「昨日別れようって言われた。それでその人と話して結婚の決め手になったこととか聞きたいと思って」
「結婚の決め手?」
「うん、ノアがその人を選んだ理由とかどういう風なところが良かったのかなとかそういう感じのこと聞きたいなと」
「私もそんなに親しい関係じゃないけど」
「名前は?」
「確か一学年下のクロエって子だと思う」
「クロエ!?」
「たしか子爵家の令嬢の」
「そう、ありがと。じゃあ」
「うん、またね」

ジェシカは普段通りの顔で自然に話した。昨日考えて出した結論はノアが結婚を決めた相手と話し合いをしたいというもの。なぜ自分ではなくクロエという子を結婚相手に選んだのか。

そんなことが聞きたいと漠然と意識した。アリスはジェシカの問いに不思議そうな顔で返すが、ジェシカはさばさばした感じで答えてノアに別れを切り出されたと話す。

最初クロエと聞いて驚いたのは妹と同じ名前だったから。子爵令嬢というのも家と同じだし学園に1歳年下の妹も通っている。まさかノアは妹と結婚するのか?そんなことが頭に浮かぶ。

学年も違うしアリスもそれほどクロエと仲が良くないと言うのでそこからは自分で相手のことを調べて行動することにしようと考えていたが妹に直接問いただしたほうが早いのではと思い始める。

ジェシカはまずクロエと話し合ってノアが自分を振ってまで結婚を決めた理由を聞いてそれが自分の納得できることなら仕方ないと諦めようと思う。

先生に話を聞いてみると一学年下にはクロエと言う名前の子は一人しかいなかったので妹で確定した。
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