幼馴染の勇者パーティーから「無能で役立たず」と言われて追放された女性は特別な能力を持っている世界最強。

佐藤 美奈

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第17話 幼馴染の勇者パーティー視点1

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レベッカの事をと言い放って、追い出した幼馴染の勇者パーティーたちは、彼女から金を巻き上げた挙句に装備品や道具なども取り上げた。レベッカが部屋から出て行ってから、下卑げびた笑みを浮かべてさんざん悪口を言い合っていた。

「この僕の愛を受け入れないから追放される目にあうんだ」
「あの子は昔から少し綺麗だからって、鼻にかけて見下すような態度とるのも気に入らなかったわ」
「私たちのアルスを何だと思ってるのかしら?」
「こんなにカッコいいアルスを何回振れば気がすむのよ!」

まずはレベッカに数十回は告白しても振られ続けた情けないアルスが、すねたように早口で不満をぶちまける。次にアルスの愛人たちもレベッカの批判を興奮した口調で話す。グレースは見れば見るほど気品の高い絶世の美人のレベッカに対して、激しい嫉妬の炎を燃やしていたのだ。

ジェシカは愛していると想いを打ち明けるアルスをレベッカが、容赦なく拒否しているのを何度も目にしている。それが悔しくてたまらなかった彼女は、アルスを溺愛できあいするあまりレベッカにいつも悪質な嫌がらせを繰り返した。

切ない眼差しでアルスを見つめるエミリーは、怒りで胸が締め付けられる。自分の愛するアルスと言う男は、これ以上ないほどの端正なルックスをしているのに、どうして同意しないのか?もはやレベッカに憎しみしか抱いていなかった。

「よし、今日はレベッカから奪った金で皆で豪遊するぞおおおおおー!!!」

頭に障害を疑うほどの知恵遅れのオリバーは、レベッカの金で美味しい食べ物を腹に詰め込みたくて荒れ狂う獣みたいに叫んだ。

「みんなレベッカがいなくなったから自由にお金が使えますよー!!」
「やったー!それならギャンブル場に行こうよ。私は競馬がしたい」
「僕は早くパチスロがしたくて昨日から手が震えて頭がおかしかったんだ……」
「アルスそれは大変だわ。直ぐに行きましょう!」

実は彼らは国王陛下から勇者に認定されて、毎月莫大な資金援助されているのに年中金欠であった。その理由は異常なほどの浪費家であり、稼いだ金は誰も残していない。なにせレベッカ以外は全員が無類のギャンブル好きでギャンブル中毒におちいっているのだ。

彼らは事あるごとに無駄づかいをして、いつもレベッカに説教されていた。彼らの作ったギャンブルの多額の借金返済のために、国からの支援金は全て無くなるどころかそれでも足りない程でした。アルスはギャンブルによる禁断症状で、昨日からと呆れた言葉をもらす。

真面目なレベッカは、借金を返すために泣きだしたい気持ちと戦いながら、みんなの食事代や冒険に必要な道具などを節約して、けなげな努力をして頑張っていたのだった。
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