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第26話 幼馴染の勇者パーティー視点7
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勇者パーティーは助けた商人の男の家に泊まって、久しぶりに気持ちの良い朝を迎えた。誰もが和やかで晴れ晴れとした微笑を浮かべて話し出す。
「いやあ、本当に最高だった」
「あの男を助けて良かったね」
「朝ごはんも美味しかったぁ~」
「昨日のご飯も豪華で幸せでした」
「俺はまだ食えるぜ!」
今は朝食を食べ終わって、お茶を飲んでくつろいで機嫌よくしている。彼らはギャンブル狂という特性を持っているので、昨晩はものすごく幸せな気分になれた。
泊まらせてくれた部屋もこの家で一番広く、贅沢を極めた凝った装飾に驚かされた。男からすれば自分の命の恩人なので、いい加減に扱うことは出来ませんから丁重におもてなししたというわけだ。
心がねじ曲がっている彼らは、お金のかかった室内装飾や価値の高そうな美術品や骨董品をまじまじと見つめながら何か盗むか?とアルスが言い始める。これだけあるから何か一つ無くなっても大丈夫だろうと、しばらくの間ふざけたことを本気で話し合っていた。
「勇者様方、おはようございます。お泊りになっていかがでございますか?」
巨額の富を築いて、御殿というほどの規模の家に住む主人が顔を見せた。きわめて謙虚な態度で男は挨拶をする。
「とても気分がいいよ」
「それはよろしゅうございました」
アルスが明るく爽やかな顔で言うと、ご機嫌伺いにきた男は、いかにも満足そうな微笑を頬に浮かべている勇者パーティーたちを見て、ほっと安心した様子であった。
「ここにずっと住みたいよね」
「ほんと幸せだった」
「お風呂もよかったです」
グレースがずっと滞在したいと本心を口にすると、ジェシカとエミリーも感無量な面持ちで喜びの声を出して充実感に満ちていた。風呂がかなり気にいったエミリーは、朝食の前にも温泉を引いた露天風呂に入った。部屋にもシャワーはついていたが、やはり大浴場の方が気分がいい。
同じ男を愛しているからだろうか?アルスの幼馴染の愛人たちは、性格も合って意外に仲が良かった。昨夜もアルスと女性たちはベッドを共にして楽しんでいたが、いつものようにオリバーだけは暑苦しくて臭いと言われて完全に蚊帳の外に置かれて、ひとり仲間外れにされて恨めしい思いで悔し涙を流して眺めていた。
「お気に召されたようで私も嬉しい限りです。昨日も言いましたがずっと居ていただいて構いませんよ」
男は実業で成功し大金持ちなので自分の財産を守るために、警備の強化に力を入れていて常に優秀な人材を求めていいる。広い敷地には大きな建物がいくつもあり、その中には屋敷を守る護衛たちが暮らしている兵舎もあります。
この家の警備兵も男のお眼鏡にかなった能力が高い者たちですが、それでも勇者パーティーに比べたら戦力的には大分劣ると思っている。むしろ用心棒役として勇者パーティーを雇いたいほどでありました。
正式に雇うならそれなりの報酬を払わなくてはなりませんが、寝泊りする場所を提供するだけだったら男にはなんら負担にならない。勇者パーティーもギャンブル依存症でお金がないというわけで、お互いにとって都合が良かった。
「いやあ、本当に最高だった」
「あの男を助けて良かったね」
「朝ごはんも美味しかったぁ~」
「昨日のご飯も豪華で幸せでした」
「俺はまだ食えるぜ!」
今は朝食を食べ終わって、お茶を飲んでくつろいで機嫌よくしている。彼らはギャンブル狂という特性を持っているので、昨晩はものすごく幸せな気分になれた。
泊まらせてくれた部屋もこの家で一番広く、贅沢を極めた凝った装飾に驚かされた。男からすれば自分の命の恩人なので、いい加減に扱うことは出来ませんから丁重におもてなししたというわけだ。
心がねじ曲がっている彼らは、お金のかかった室内装飾や価値の高そうな美術品や骨董品をまじまじと見つめながら何か盗むか?とアルスが言い始める。これだけあるから何か一つ無くなっても大丈夫だろうと、しばらくの間ふざけたことを本気で話し合っていた。
「勇者様方、おはようございます。お泊りになっていかがでございますか?」
巨額の富を築いて、御殿というほどの規模の家に住む主人が顔を見せた。きわめて謙虚な態度で男は挨拶をする。
「とても気分がいいよ」
「それはよろしゅうございました」
アルスが明るく爽やかな顔で言うと、ご機嫌伺いにきた男は、いかにも満足そうな微笑を頬に浮かべている勇者パーティーたちを見て、ほっと安心した様子であった。
「ここにずっと住みたいよね」
「ほんと幸せだった」
「お風呂もよかったです」
グレースがずっと滞在したいと本心を口にすると、ジェシカとエミリーも感無量な面持ちで喜びの声を出して充実感に満ちていた。風呂がかなり気にいったエミリーは、朝食の前にも温泉を引いた露天風呂に入った。部屋にもシャワーはついていたが、やはり大浴場の方が気分がいい。
同じ男を愛しているからだろうか?アルスの幼馴染の愛人たちは、性格も合って意外に仲が良かった。昨夜もアルスと女性たちはベッドを共にして楽しんでいたが、いつものようにオリバーだけは暑苦しくて臭いと言われて完全に蚊帳の外に置かれて、ひとり仲間外れにされて恨めしい思いで悔し涙を流して眺めていた。
「お気に召されたようで私も嬉しい限りです。昨日も言いましたがずっと居ていただいて構いませんよ」
男は実業で成功し大金持ちなので自分の財産を守るために、警備の強化に力を入れていて常に優秀な人材を求めていいる。広い敷地には大きな建物がいくつもあり、その中には屋敷を守る護衛たちが暮らしている兵舎もあります。
この家の警備兵も男のお眼鏡にかなった能力が高い者たちですが、それでも勇者パーティーに比べたら戦力的には大分劣ると思っている。むしろ用心棒役として勇者パーティーを雇いたいほどでありました。
正式に雇うならそれなりの報酬を払わなくてはなりませんが、寝泊りする場所を提供するだけだったら男にはなんら負担にならない。勇者パーティーもギャンブル依存症でお金がないというわけで、お互いにとって都合が良かった。
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