9 / 14
第9話
しおりを挟む
叔母のクローディアとの魂のぶつかり合いのような話し合いを終え、フローラは別邸に戻っていた。叔母の力強い言葉は、荒れ果てた彼女の心に一条の光を投げかけ、公爵邸の奪還の覚悟を鋼のように固めさせていた。
(そうよ、私は一人じゃない。叔母様もいる。そして何より、私には守るべきものがあるのだから!)
暖炉の炎を見つめるフローラの瞳には、もう迷いの色はなく静かな闘志が燃え盛っていた。
そんな決意を新たにした矢先、別邸の質素な扉を叩く音がした。ちょっと前に来てくれた侍女のエレナが訝しげに応対に出ると、そこには予想だにしない人物が立っていた。
やがてエレナが、緊張と興奮が入り混じった面持ちでフローラのもとへ駆け込んできた。
「フ、フローラ様! 大変です! ジェラール王子殿下が……!」
「え? ジェラール殿下が?」
フローラは耳を疑った。ジェラール王子といえば、王位継承権こそ高くはないものの、その聡明さと公明正大な人柄で民衆からも王族からも厚い信頼を得ている人物。そして何より、フローラの亡き父とは若い頃から親交があり、公爵家とも縁の深い方だった。
(なぜ、殿下がこのような場所に……?)
混乱と緊張を胸に、フローラが玄関ホールへ向かうと、そこには雨に濡れた外套を脱いだばかりの長身の男性が静かに立っていた。それがジェラール王子だった。
「フローラ公爵閣下、突然の訪問、失礼する」
ジェラール王子は、フローラを一瞥すると、穏やかだが全てを見透かすような深い瞳で言った。その声には王族としての威厳と、相手を慮る温かみが同居していた。
「いやはや、道に迷ったわけではないのだが、君のこの隠れ家は、なかなかに趣があって、少々感心していたところだ。物語に出てくる賢者の庵のようだな」
彼は、緊張しているフローラを和ませるかのように少しだけ口元を緩めた。
フローラは、慌てて淑女の礼をとった。
「ジェラール殿下…まあ、このような場所まで、わざわざご足労いただきまして…恐縮の極みでございます。何のお構いもできませんが、どうぞ中へ……」
(殿下は、どこまでご存知なのかしら? 私のこの…みじめな状況を……)
不安が胸をよぎる。
応接間とも呼べない簡素な部屋で、ジェラール王子は侍女の淹れたハーブティーを一口飲むと静かに切り出した。
「フローラ公爵閣下、単刀直入に言おう。あなたの苦境、そして公爵邸で起きている忌むべき事態については、私の耳にも入っている」
その言葉に、フローラは息を飲んだ。王子の表情は穏やかだが、その瞳の奥には確かな怒りの色が揺らめいていた。
「そして、ドレイクと名乗る男、並びにその家族、さらにはドレイクと親しい女までが、あなたの留守を良いことに公爵邸を私物化し、公爵家の名誉を著しく汚しているという報告も受けている……まったく、恥知らずにも程があるな。カビか何かのように、美しい屋敷に巣食うとは」
王子の言葉は静かだが鋭く、ドレイク一家の愚行を的確に射抜いていた。
フローラは、思わず顔を伏せた。王族の耳にまで、この恥ずべき状況が届いていたとは。そして、その事実が、彼女の孤立感を和らげ、同時に味方を得たかもしれないという淡い期待を抱かせた。
ジェラール王子は、そんなフローラの心中を察したかのように力強く続けた。
「フローラ公爵閣下、顔をお上げなさい。あなたは何も恥じることはない。恥じるべきは、人の善意と信頼を踏みにじり、己の欲望のままに振る舞う者たちだ」
その言葉は、雪解けの冷たく清らかな水のようにフローラの乾いた心に染み渡った。
「そして、はっきりと言っておこう。私も、これ以上見過ごすつもりはない。あなたの公爵家を、あのようなハイエナどもの餌食にさせるわけにはいかないのだ」
フローラは驚きに目を見開いた。
「殿下…それは……?」
「言葉通りの意味だ、フローラ公爵閣下。私は君に協力する。いや、協力させてほしい。亡き公爵――君の父上には、私も若い頃、随分と世話になった。その恩義に報いるという意味もある。だがそれ以上に、君自身の気高さと、公爵家が長年培ってきた誇りを守りたいのだ」
王子の眼差しは、一点の曇りもなく、その言葉には揺るぎない決意がみなぎっていた。それは、社交辞令などではなく、心からの申し出であることが痛いほど伝わってきた。
「彼らは、公爵邸で毎夜のように、最後の晩餐でも楽しむかのように愚かな宴を開いていると聞く。だが、その晩餐が、本当に『最後』のものになるよう、少しばかり手助けをしてやるのも一興かもしれんな」
ジェラール王子の口元に、一瞬、皮肉ともとれる笑みが浮かんだ。公明正大な王子らしからぬその表情に、フローラは少し驚いたが、彼が本気でドレイク一家を懲らしめようとしているのだと確信した。
孤立無援だと思っていた。しかし、叔母のクローディアに続き、今度は王家の人間までが味方になってくれるという。フローラの胸に、熱いものがこみ上げてきた。
「ジェラール殿下……このフローラ、殿下のそのお言葉…どれほど心強いことか! このご恩は、決して忘れません」
フローラの声は震え、瞳には涙が溢れていた。しかし、それは絶望の涙ではなかった。
「礼には及ばない。むしろ、私にできることがあれば、何なりと申し付けてほしい。法律家、いや、もっと他の専門家が必要かな? それとも、あの者たちが最も恐れるであろう『王命』という名の鉄槌か?」
ジェラール王子は、悪戯っぽく片方の眉を上げてみせた。その姿は厳格な王子というより、頼れる兄のようにも見えた。
フローラは、涙をぬぐい強く頷いた。
「はい、殿下! このフローラ、必ずや公爵家を取り戻し、あの者たちに正義の鉄槌を下してみせます! 殿下のお力添えがあれば、百人力ですわ!」
彼女の声には、確かな力が漲っていた。
ジェラール王子は満足そうに頷くと立ち上がった。
「よろしい。では、具体的な計画は、また改めて練るとしよう。クローディア侯爵夫人も、すでに君の味方だと聞いている。なかなかに頼もしい布陣ではないか。あの愚か者どもが、どんな顔をするか、今から楽しみでならないな」
そう言い残し、ジェラール王子は再び雨の中へと去っていった。しかし、彼の訪問は、フローラの心に勇気と、これから始まる反撃への具体的な道筋を照らし出してくれた。公爵邸奪還作戦は、王家の強力なバックアップを得たのだった。
(そうよ、私は一人じゃない。叔母様もいる。そして何より、私には守るべきものがあるのだから!)
暖炉の炎を見つめるフローラの瞳には、もう迷いの色はなく静かな闘志が燃え盛っていた。
そんな決意を新たにした矢先、別邸の質素な扉を叩く音がした。ちょっと前に来てくれた侍女のエレナが訝しげに応対に出ると、そこには予想だにしない人物が立っていた。
やがてエレナが、緊張と興奮が入り混じった面持ちでフローラのもとへ駆け込んできた。
「フ、フローラ様! 大変です! ジェラール王子殿下が……!」
「え? ジェラール殿下が?」
フローラは耳を疑った。ジェラール王子といえば、王位継承権こそ高くはないものの、その聡明さと公明正大な人柄で民衆からも王族からも厚い信頼を得ている人物。そして何より、フローラの亡き父とは若い頃から親交があり、公爵家とも縁の深い方だった。
(なぜ、殿下がこのような場所に……?)
混乱と緊張を胸に、フローラが玄関ホールへ向かうと、そこには雨に濡れた外套を脱いだばかりの長身の男性が静かに立っていた。それがジェラール王子だった。
「フローラ公爵閣下、突然の訪問、失礼する」
ジェラール王子は、フローラを一瞥すると、穏やかだが全てを見透かすような深い瞳で言った。その声には王族としての威厳と、相手を慮る温かみが同居していた。
「いやはや、道に迷ったわけではないのだが、君のこの隠れ家は、なかなかに趣があって、少々感心していたところだ。物語に出てくる賢者の庵のようだな」
彼は、緊張しているフローラを和ませるかのように少しだけ口元を緩めた。
フローラは、慌てて淑女の礼をとった。
「ジェラール殿下…まあ、このような場所まで、わざわざご足労いただきまして…恐縮の極みでございます。何のお構いもできませんが、どうぞ中へ……」
(殿下は、どこまでご存知なのかしら? 私のこの…みじめな状況を……)
不安が胸をよぎる。
応接間とも呼べない簡素な部屋で、ジェラール王子は侍女の淹れたハーブティーを一口飲むと静かに切り出した。
「フローラ公爵閣下、単刀直入に言おう。あなたの苦境、そして公爵邸で起きている忌むべき事態については、私の耳にも入っている」
その言葉に、フローラは息を飲んだ。王子の表情は穏やかだが、その瞳の奥には確かな怒りの色が揺らめいていた。
「そして、ドレイクと名乗る男、並びにその家族、さらにはドレイクと親しい女までが、あなたの留守を良いことに公爵邸を私物化し、公爵家の名誉を著しく汚しているという報告も受けている……まったく、恥知らずにも程があるな。カビか何かのように、美しい屋敷に巣食うとは」
王子の言葉は静かだが鋭く、ドレイク一家の愚行を的確に射抜いていた。
フローラは、思わず顔を伏せた。王族の耳にまで、この恥ずべき状況が届いていたとは。そして、その事実が、彼女の孤立感を和らげ、同時に味方を得たかもしれないという淡い期待を抱かせた。
ジェラール王子は、そんなフローラの心中を察したかのように力強く続けた。
「フローラ公爵閣下、顔をお上げなさい。あなたは何も恥じることはない。恥じるべきは、人の善意と信頼を踏みにじり、己の欲望のままに振る舞う者たちだ」
その言葉は、雪解けの冷たく清らかな水のようにフローラの乾いた心に染み渡った。
「そして、はっきりと言っておこう。私も、これ以上見過ごすつもりはない。あなたの公爵家を、あのようなハイエナどもの餌食にさせるわけにはいかないのだ」
フローラは驚きに目を見開いた。
「殿下…それは……?」
「言葉通りの意味だ、フローラ公爵閣下。私は君に協力する。いや、協力させてほしい。亡き公爵――君の父上には、私も若い頃、随分と世話になった。その恩義に報いるという意味もある。だがそれ以上に、君自身の気高さと、公爵家が長年培ってきた誇りを守りたいのだ」
王子の眼差しは、一点の曇りもなく、その言葉には揺るぎない決意がみなぎっていた。それは、社交辞令などではなく、心からの申し出であることが痛いほど伝わってきた。
「彼らは、公爵邸で毎夜のように、最後の晩餐でも楽しむかのように愚かな宴を開いていると聞く。だが、その晩餐が、本当に『最後』のものになるよう、少しばかり手助けをしてやるのも一興かもしれんな」
ジェラール王子の口元に、一瞬、皮肉ともとれる笑みが浮かんだ。公明正大な王子らしからぬその表情に、フローラは少し驚いたが、彼が本気でドレイク一家を懲らしめようとしているのだと確信した。
孤立無援だと思っていた。しかし、叔母のクローディアに続き、今度は王家の人間までが味方になってくれるという。フローラの胸に、熱いものがこみ上げてきた。
「ジェラール殿下……このフローラ、殿下のそのお言葉…どれほど心強いことか! このご恩は、決して忘れません」
フローラの声は震え、瞳には涙が溢れていた。しかし、それは絶望の涙ではなかった。
「礼には及ばない。むしろ、私にできることがあれば、何なりと申し付けてほしい。法律家、いや、もっと他の専門家が必要かな? それとも、あの者たちが最も恐れるであろう『王命』という名の鉄槌か?」
ジェラール王子は、悪戯っぽく片方の眉を上げてみせた。その姿は厳格な王子というより、頼れる兄のようにも見えた。
フローラは、涙をぬぐい強く頷いた。
「はい、殿下! このフローラ、必ずや公爵家を取り戻し、あの者たちに正義の鉄槌を下してみせます! 殿下のお力添えがあれば、百人力ですわ!」
彼女の声には、確かな力が漲っていた。
ジェラール王子は満足そうに頷くと立ち上がった。
「よろしい。では、具体的な計画は、また改めて練るとしよう。クローディア侯爵夫人も、すでに君の味方だと聞いている。なかなかに頼もしい布陣ではないか。あの愚か者どもが、どんな顔をするか、今から楽しみでならないな」
そう言い残し、ジェラール王子は再び雨の中へと去っていった。しかし、彼の訪問は、フローラの心に勇気と、これから始まる反撃への具体的な道筋を照らし出してくれた。公爵邸奪還作戦は、王家の強力なバックアップを得たのだった。
158
あなたにおすすめの小説
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
三度裏切られたので堪忍袋の緒が切れました
蒼黒せい
恋愛
ユーニスはブチ切れていた。外で婚外子ばかり作る夫に呆れ、怒り、もうその顔も見たくないと離縁状を突き付ける。泣いてすがる夫に三行半を付け、晴れて自由の身となったユーニスは、酒場で思いっきり羽目を外した。そこに、婚約解消をして落ちこむ紫の瞳の男が。ユーニスは、その辛気臭い男に絡み、酔っぱらい、勢いのままその男と宿で一晩を明かしてしまった。
互いにそれを無かったことにして宿を出るが、ユーニスはその見知らぬ男の子どもを宿してしまう…
※なろう・カクヨムにて同名アカウントで投稿しています
婚約破棄でみんな幸せ!~嫌われ令嬢の円満婚約解消術~
春野こもも
恋愛
わたくしの名前はエルザ=フォーゲル、16才でございます。
6才の時に初めて顔をあわせた婚約者のレオンハルト殿下に「こんな醜女と結婚するなんて嫌だ! 僕は大きくなったら好きな人と結婚したい!」と言われてしまいました。そんな殿下に憤慨する家族と使用人。
14歳の春、学園に転入してきた男爵令嬢と2人で、人目もはばからず仲良く歩くレオンハルト殿下。再び憤慨するわたくしの愛する家族や使用人の心の安寧のために、エルザは円満な婚約解消を目指します。そのために作成したのは「婚約破棄承諾書」。殿下と男爵令嬢、お二人に愛を育んでいただくためにも、後はレオンハルト殿下の署名さえいただければみんな幸せ婚約破棄が成立します!
前編・後編の全2話です。残酷描写は保険です。
【小説家になろうデイリーランキング1位いただきました――2019/6/17】
番?呪いの別名でしょうか?私には不要ですわ
紅子
恋愛
私は充分に幸せだったの。私はあなたの幸せをずっと祈っていたのに、あなたは幸せではなかったというの?もしそうだとしても、あなたと私の縁は、あのとき終わっているのよ。あなたのエゴにいつまで私を縛り付けるつもりですか?
何の因果か私は10歳~のときを何度も何度も繰り返す。いつ終わるとも知れない死に戻りの中で、あなたへの想いは消えてなくなった。あなたとの出会いは最早恐怖でしかない。終わらない生に疲れ果てた私を救ってくれたのは、あの時、私を救ってくれたあの人だった。
12話完結済み。毎日00:00に更新予定です。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
私が一番嫌いな言葉。それは、番です!
水無月あん
恋愛
獣人と人が住む国で、ララベルが一番嫌う言葉、それは番。というのも、大好きな親戚のミナリア姉様が結婚相手の王子に、「番が現れた」という理由で結婚をとりやめられたから。それからというのも、番という言葉が一番嫌いになったララベル。そんなララベルを大切に囲い込むのが幼馴染のルーファス。ルーファスは竜の獣人だけれど、番は現れるのか……?
色々鈍いヒロインと、溺愛する幼馴染のお話です。
いつもながらご都合主義で、ゆるい設定です。お気軽に読んでくださったら幸いです。
婚約破棄されたショックで前世の記憶を取り戻して料理人になったら、王太子殿下に溺愛されました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
シンクレア伯爵家の令嬢ナウシカは両親を失い、伯爵家の相続人となっていた。伯爵家は莫大な資産となる聖銀鉱山を所有していたが、それを狙ってグレイ男爵父娘が罠を仕掛けた。ナウシカの婚約者ソルトーン侯爵家令息エーミールを籠絡して婚約破棄させ、そのショックで死んだように見せかけて領地と鉱山を奪おうとしたのだ。死にかけたナウシカだが奇跡的に助かったうえに、転生前の記憶まで取り戻したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる