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第17話
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「お、お母様もアリーナに病気を治していただいたことが……あ、あるのですか?」
レオナルドは、おそるおそる声をかける。母の怖い顔に青ざめて明らかに怯えた様子の彼は、自然に丁寧な言葉遣いになっていた。
「私は肌よ」
「肌……?」
母は肌と答えて得意そうに息子の横顔に視線を据えた。レオナルドはちょっと首をかしげて口をとがらせる。
「私の肌を見てどう思いますか?レオナルド正直に答えてみなさい」
彼は無学な人間なので、肌と言われても何か?という疑問が残る顔をしていた。すると母は自分の肌を見て、どんな印象を受けるかと聞いてきました。
「……お母様の肌は透き通るように美しいです。若い女性にも負けておりません。むしろ逆にお母様のほうが眩しい光に照らされたような肌をして輝いています。でもそれが何か?」
母が怖くてお世辞を言っているわけではない。レオナルドは本心からの言葉を話す。そもそも彼は頭の回転が悪いので、相手の機嫌をとるための褒め言葉は言えない。だから実際に目で見て素直に思ったことを口にしただけでした。
――少し前の学園祭では両親共に訪問して母は存在感を放っていた。誰もが皆、つい見とれてしまうほど麗しいのです。
「なんて素敵なご婦人なんだ……?」
「誰なんだろう……」
「あの女性を見た瞬間に心臓が踊ってしまった!」
「この胸の高鳴りはもう抑えられないよおおおおおぉーっ!俺は告白してくる!!」
「キャーーーーーッ!すごく綺麗な人がいるわ!!」
「何を寝ぼけてるのかしら?あれは王妃様ですよ」
「な、なんだってええええええええええええぇぇぇーっ!?」
友人の間でも美人の母だと評判なのだ。王妃様は、たちまち男子学生の人気の的となる。彼らはすっかり興奮しながらも、みんなはその女性が誰なのか気になった。女子たちもキャーキャー歓声をあげて喜んでいた。
ただでさえ皆を振り向かせる凜とした綺麗な顔だちなのに、それ以上に肌が年齢を感じさせないのです。生まれたての赤ん坊を思わせる白くて柔らかそうな瑞々しい肌をしている。
「これは全てアリーナ様のおかげなの!」
「え……!?」
息子の感想に母は同意するように頷いて、そうでしょうと目を輝かせて限りない嬉しさを感じる。そしてほとんど全部アリーナのおかげだと言う。レオナルドは大きな驚きへと変わって、ますます不思議そうに母の顔を眺めたのであった。
*****
新作「王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。」を投稿しました。よろしくお願いします。
レオナルドは、おそるおそる声をかける。母の怖い顔に青ざめて明らかに怯えた様子の彼は、自然に丁寧な言葉遣いになっていた。
「私は肌よ」
「肌……?」
母は肌と答えて得意そうに息子の横顔に視線を据えた。レオナルドはちょっと首をかしげて口をとがらせる。
「私の肌を見てどう思いますか?レオナルド正直に答えてみなさい」
彼は無学な人間なので、肌と言われても何か?という疑問が残る顔をしていた。すると母は自分の肌を見て、どんな印象を受けるかと聞いてきました。
「……お母様の肌は透き通るように美しいです。若い女性にも負けておりません。むしろ逆にお母様のほうが眩しい光に照らされたような肌をして輝いています。でもそれが何か?」
母が怖くてお世辞を言っているわけではない。レオナルドは本心からの言葉を話す。そもそも彼は頭の回転が悪いので、相手の機嫌をとるための褒め言葉は言えない。だから実際に目で見て素直に思ったことを口にしただけでした。
――少し前の学園祭では両親共に訪問して母は存在感を放っていた。誰もが皆、つい見とれてしまうほど麗しいのです。
「なんて素敵なご婦人なんだ……?」
「誰なんだろう……」
「あの女性を見た瞬間に心臓が踊ってしまった!」
「この胸の高鳴りはもう抑えられないよおおおおおぉーっ!俺は告白してくる!!」
「キャーーーーーッ!すごく綺麗な人がいるわ!!」
「何を寝ぼけてるのかしら?あれは王妃様ですよ」
「な、なんだってええええええええええええぇぇぇーっ!?」
友人の間でも美人の母だと評判なのだ。王妃様は、たちまち男子学生の人気の的となる。彼らはすっかり興奮しながらも、みんなはその女性が誰なのか気になった。女子たちもキャーキャー歓声をあげて喜んでいた。
ただでさえ皆を振り向かせる凜とした綺麗な顔だちなのに、それ以上に肌が年齢を感じさせないのです。生まれたての赤ん坊を思わせる白くて柔らかそうな瑞々しい肌をしている。
「これは全てアリーナ様のおかげなの!」
「え……!?」
息子の感想に母は同意するように頷いて、そうでしょうと目を輝かせて限りない嬉しさを感じる。そしてほとんど全部アリーナのおかげだと言う。レオナルドは大きな驚きへと変わって、ますます不思議そうに母の顔を眺めたのであった。
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