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第7話
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「お嬢様の元婚約者はまだ負け惜しみをおっしゃっているようです」
「どうして?」
「門番が何度も説得してもご理解いただけないみたいなので……」
「そう、困った人ね」
何とかして復縁しようとしつこく来訪してきているが日々追い返している。どこまでも敗北を認めない王子にオリビアは華やかな顔が歪み思い詰めた表情になります。
アルフィ殿下とは顔を合わせて話していませんが、事細かに気心の知れた使用人が教えてくれる。
数日前に彼を厳しく注意した見張りの男性が言うには、彼は昔からこの辺りを散歩するのが好きらしく、環境が気に入ってオリビアの家の隣に別宅を立てる計画をしてるらしい。
「どうしてお嬢様を狙う。いい加減にしろ!」
「ちょっと君、勘違いはやめてほしい。僕は別にオリビアをつけ回したり待ち伏せしてるわけではない」
「それなら何でいつも家の周囲を当てもなくさまよっているんだ?」
「その言葉は心外だな。僕はこの場所に愛着があって実は新しく別荘を立てようと思ってるんだ」
「はぇ?」
これまで地味な服装したりして、丸分かりな変装でストーカーまがいのことを繰り返していたのに、彼の苦しい言い訳に呆れさせられた。
門番も体から力が抜けて素っ頓狂な声をあげる。でも数々の迷惑行為を思い出して胸中に引っ掛かりを感じて、本当に家を建てるのかと疑いの眼差しを向けて追及したそう。
「本当だ!嘘じゃない!詰め寄って僕に威圧感を与えるな!」
「……」
「今までのことは謝るから水に流そうじゃないか?な?」
「……」
「そ、そんな怖い顔で睨むなよ?これからは近所同士仲良くしよう」
「……」
「そうだ!お前達にも面倒をかけたから、お詫びに剣をプレゼントしよう?ミスリル製だぞ?どうだ嬉しいだろう?……おい、黙ってないで何とか言ったらどうだ!聞こえているだろう?お前達の耳は飾りか?返事をしろ!」
「……」
「おほんっ、別荘が完成したらお祝いにパーティをしようと思う。その時にオリビアを招待する。当然妹のエリーも呼ぶからな」
先日はアルフィにいきなり後ろから突進されましたが、悲鳴を聞いた門番が矢のように走って駆けつけてくれたので、オリビアに被害はありませんでした。アルフィも驚くべき速さで姿をくらます。
それでも敬愛して心からお慕いしている大切なお嬢様に、危険な目に合わせようとした人物に変わりはない。しかし相手の立場から強くも出れません。
普段は甘い顔立ちの二人の門番は、オリビアに話しかけられると浮かれて、思春期の少年のような照れた顔をしている。両者とも過去にオリビアに手を握られた時に、胸がときめき密かな恋心を抱きました。しかし叶わぬ恋なので告白もできなくて胸の扉に鍵を閉める。
オリビアが出かける時も爽やかな笑顔で挨拶してくれる体つきがたくましい彼らは、一国の王子でも容赦はない気持ちで、今にも切れそうな顔になり王子を睨み続けていた。
何よりもアルフィに恥じる様子もなく、反省がない態度に門番の男性も怒りを通り越して呆れて言葉がない。怯えた声で少々体が頼りなく震え怖気づきながらも、王子は門番に向かって長々と喋りまくるのだった。
「どうして?」
「門番が何度も説得してもご理解いただけないみたいなので……」
「そう、困った人ね」
何とかして復縁しようとしつこく来訪してきているが日々追い返している。どこまでも敗北を認めない王子にオリビアは華やかな顔が歪み思い詰めた表情になります。
アルフィ殿下とは顔を合わせて話していませんが、事細かに気心の知れた使用人が教えてくれる。
数日前に彼を厳しく注意した見張りの男性が言うには、彼は昔からこの辺りを散歩するのが好きらしく、環境が気に入ってオリビアの家の隣に別宅を立てる計画をしてるらしい。
「どうしてお嬢様を狙う。いい加減にしろ!」
「ちょっと君、勘違いはやめてほしい。僕は別にオリビアをつけ回したり待ち伏せしてるわけではない」
「それなら何でいつも家の周囲を当てもなくさまよっているんだ?」
「その言葉は心外だな。僕はこの場所に愛着があって実は新しく別荘を立てようと思ってるんだ」
「はぇ?」
これまで地味な服装したりして、丸分かりな変装でストーカーまがいのことを繰り返していたのに、彼の苦しい言い訳に呆れさせられた。
門番も体から力が抜けて素っ頓狂な声をあげる。でも数々の迷惑行為を思い出して胸中に引っ掛かりを感じて、本当に家を建てるのかと疑いの眼差しを向けて追及したそう。
「本当だ!嘘じゃない!詰め寄って僕に威圧感を与えるな!」
「……」
「今までのことは謝るから水に流そうじゃないか?な?」
「……」
「そ、そんな怖い顔で睨むなよ?これからは近所同士仲良くしよう」
「……」
「そうだ!お前達にも面倒をかけたから、お詫びに剣をプレゼントしよう?ミスリル製だぞ?どうだ嬉しいだろう?……おい、黙ってないで何とか言ったらどうだ!聞こえているだろう?お前達の耳は飾りか?返事をしろ!」
「……」
「おほんっ、別荘が完成したらお祝いにパーティをしようと思う。その時にオリビアを招待する。当然妹のエリーも呼ぶからな」
先日はアルフィにいきなり後ろから突進されましたが、悲鳴を聞いた門番が矢のように走って駆けつけてくれたので、オリビアに被害はありませんでした。アルフィも驚くべき速さで姿をくらます。
それでも敬愛して心からお慕いしている大切なお嬢様に、危険な目に合わせようとした人物に変わりはない。しかし相手の立場から強くも出れません。
普段は甘い顔立ちの二人の門番は、オリビアに話しかけられると浮かれて、思春期の少年のような照れた顔をしている。両者とも過去にオリビアに手を握られた時に、胸がときめき密かな恋心を抱きました。しかし叶わぬ恋なので告白もできなくて胸の扉に鍵を閉める。
オリビアが出かける時も爽やかな笑顔で挨拶してくれる体つきがたくましい彼らは、一国の王子でも容赦はない気持ちで、今にも切れそうな顔になり王子を睨み続けていた。
何よりもアルフィに恥じる様子もなく、反省がない態度に門番の男性も怒りを通り越して呆れて言葉がない。怯えた声で少々体が頼りなく震え怖気づきながらも、王子は門番に向かって長々と喋りまくるのだった。
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