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第24話 妹の責めに兄は心が壊れて泣き叫ぶ
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ソフィアは信頼していた兄に身震いするほどの失望感を覚えた。悲しみで涙をこぼしましたが悲しみは直ぐに怒りに変わる。
「お兄様がそのような男だったなんて許せない。夫の愛人と関係を持って妊娠させるなんて……」
人の家族を無茶苦茶にしておいて何を言ってるの! という気持ちで妹はマリアに近づいて頬を平手で思い切り叩いた。マリアは突然の事によろめいて倒れそうになるが、ダニエルに身体を支えられる。マリアは目を大きく開いて驚いた顔をしていた。
「お兄様は二度と子供達に会わせません。教育にも悪いですし、何よりお兄様のような汚い人には触られたくないです!」
マリアが転ばないように即座に反応して兄が助けた。その事で妹の怒りは頂点に達する。マリアの肩を抱いている兄の顔を力に任せて叩いた。
「あぅぅ……うぅ……あうぅぅ……」
ダニエルは溺愛する妹に汚いと言われて精神がおかしくなる。さらに目に入れても痛くないほど可愛がっている妹の子供のリアムとトーマスにも会えないと言われた。
そんなのあんまりじゃないか……ひどすぎる。ダニエルは一緒に遊んだ子供との楽しい記憶がよみがえって、もうあの可愛い天使に会えないと思うと悲しくて涙が止まらなくなる。ダニエルはどうしていいか分からない顔で、なんとも痛々しい悲鳴をあげながら身体がゆっくりとその場に崩れ落ちていく。
「夫の愛人を抱いたお兄様の汚れた身体をみんなに見てもらいなさい!」
「ソフィアやめてくれーーー! 兄を許してくれーーーーー!!」
妹に嫌われたダニエルは希望を失ったうつろな目で視線を落としている。その兄を見ても怒りが冷めやらない妹は兄の服を剥ぎ取ろうとする。
この話し合いの場にはご両親様方もいるし、妹はとにかく兄に恥ずかしい思いをさせて自分のした不名誉な行為をわからせたくなる。兄はやめてくれ許してくれと泣きながら抵抗しますが、最終的に上着のシャツを脱がされ上半身をさらした。
はにかんだように唇をゆがめるダニエルはどちらかというと細身の体だが、予想以上に筋肉が引き締まっている。ゴツゴツしたたくましい筋肉という感じではなく、なめらかなで無駄のないしなやかな筋肉に包まれている。
この世界でトップの精霊魔法使いで七賢者のリーダーという最高権力の座を占める兄。一国の皇帝の力をはるかに超えた高みにいる男だが、真面目なダニエルは怠ける事なく日々の自己鍛錬には余念がないようだ。
「お兄様! その身体の痕は何ですか!」
「ソフィア恥ずかしい私の身体を見ないでくれーーーーーーーーーーー」
妹は兄の上半身を見て叫んだ。ダニエルの身体にはキスマークがついている。兄は妹の声を聞いてあわてて両手で隠そうとする。マリアに付けられたのかな? 妹は顔を近づけてじっくりと見た。兄の身体は微かに歯形がついていたり、ところどころ色うすくなったキスマークが赤く残っている。
その時、不覚にもソフィアはベッドの上で激しく動いて、ダニエルとマリアが愛し合っている姿を想像して耐えられなくなって再び兄の顔を叩いた。右手を振り上げて全力で叩いたので、ソフィアの手はしびれて感覚が鈍くなっていた。
それでも妹の怒りは静まらない。もう一度叩こうとしたらマリアが兄を庇うように二人の間に割って入る。
「ソフィア様もう止めて! もうダニエル様をぶたないで……」
「あなたは黙ってなさい! あなたが兄を助ける事が嫌でしょうがないの!」
「マリアいいんだ。私が全て悪いんだから。これは当然の罰なんだ」
悲しい顔で涙を流している兄の目にはどう見えていただろう? 自分に怒りをこめて睨みつけて顔面を本気で叩く妹と、自分を守って泣きながら妹に許してと泣きすがるマリア。
「ダニエル様を放っておけません! ダニエル様は私を暗闇の中から救い出して助けてくれた。今度は私が助ける番です!!」
「マリア……君って子は……」
ソフィアが怒るほど兄の目には、マリアが救いの女神のように感じて良く見えたのだろうと妹は悔しい思いをしていた。
「品性下劣な人同士仲がよろしいですね」
「ダニエル様にひどい事をしないでください! 許してください。お願い許して……」
ソフィアは落ち着きを失って、兄にひどく冷たい仕打ちをしたと後で反省した。この時は強がってみせる事が妹に残された最後のプライドで、夫の不倫相手を抱いた兄をどうしても許せなかった。人目をはばからず悲鳴をあげて号泣しているマリアを見て、ソフィアは少しずつ冷静さを取り戻してくる。
「――最後に聞きますが、お兄様はこれからこの人との関係をどうするつもりですか?」
マリアは兄に寄り添い親身になって兄の世話をしている。その姿を見て妹は寂しさで心が冷たく凍りつく。二人の気持ちが固い絆で結ばれていて、血を分けた自分よりも密接な関係を築きあげているように感じる。うつむいて深く悩んでいるような姿の兄に妹は質問の答えを要求した。
「ソフィアすまない。私の本当の気持ちを言うとマリアの身の上には同情して可哀想な子だと思ったのは確かだが、最初からマリアには恋愛感情などない。それだけは信じてくれ」
「え? ダニエル様?」
兄の言葉を聞いてマリアは嘘でしょ? という気持ちで急に不安そうな顔になって、異質な存在を見たように何度も瞬きを繰り返している。
「自分が情けないけどマリアの身体に溺れてしまっただけだ。もう彼女には二度と会わないから許してほしい」
「私のお腹にはダニエル様の子供がいるのですよ? 別れるなんて絶対に許さない!」
兄に捨てられると思った瞬間、拳を握りしめたマリアがダニエルの顔を殴って怒鳴りつけた。
「お兄様がそのような男だったなんて許せない。夫の愛人と関係を持って妊娠させるなんて……」
人の家族を無茶苦茶にしておいて何を言ってるの! という気持ちで妹はマリアに近づいて頬を平手で思い切り叩いた。マリアは突然の事によろめいて倒れそうになるが、ダニエルに身体を支えられる。マリアは目を大きく開いて驚いた顔をしていた。
「お兄様は二度と子供達に会わせません。教育にも悪いですし、何よりお兄様のような汚い人には触られたくないです!」
マリアが転ばないように即座に反応して兄が助けた。その事で妹の怒りは頂点に達する。マリアの肩を抱いている兄の顔を力に任せて叩いた。
「あぅぅ……うぅ……あうぅぅ……」
ダニエルは溺愛する妹に汚いと言われて精神がおかしくなる。さらに目に入れても痛くないほど可愛がっている妹の子供のリアムとトーマスにも会えないと言われた。
そんなのあんまりじゃないか……ひどすぎる。ダニエルは一緒に遊んだ子供との楽しい記憶がよみがえって、もうあの可愛い天使に会えないと思うと悲しくて涙が止まらなくなる。ダニエルはどうしていいか分からない顔で、なんとも痛々しい悲鳴をあげながら身体がゆっくりとその場に崩れ落ちていく。
「夫の愛人を抱いたお兄様の汚れた身体をみんなに見てもらいなさい!」
「ソフィアやめてくれーーー! 兄を許してくれーーーーー!!」
妹に嫌われたダニエルは希望を失ったうつろな目で視線を落としている。その兄を見ても怒りが冷めやらない妹は兄の服を剥ぎ取ろうとする。
この話し合いの場にはご両親様方もいるし、妹はとにかく兄に恥ずかしい思いをさせて自分のした不名誉な行為をわからせたくなる。兄はやめてくれ許してくれと泣きながら抵抗しますが、最終的に上着のシャツを脱がされ上半身をさらした。
はにかんだように唇をゆがめるダニエルはどちらかというと細身の体だが、予想以上に筋肉が引き締まっている。ゴツゴツしたたくましい筋肉という感じではなく、なめらかなで無駄のないしなやかな筋肉に包まれている。
この世界でトップの精霊魔法使いで七賢者のリーダーという最高権力の座を占める兄。一国の皇帝の力をはるかに超えた高みにいる男だが、真面目なダニエルは怠ける事なく日々の自己鍛錬には余念がないようだ。
「お兄様! その身体の痕は何ですか!」
「ソフィア恥ずかしい私の身体を見ないでくれーーーーーーーーーーー」
妹は兄の上半身を見て叫んだ。ダニエルの身体にはキスマークがついている。兄は妹の声を聞いてあわてて両手で隠そうとする。マリアに付けられたのかな? 妹は顔を近づけてじっくりと見た。兄の身体は微かに歯形がついていたり、ところどころ色うすくなったキスマークが赤く残っている。
その時、不覚にもソフィアはベッドの上で激しく動いて、ダニエルとマリアが愛し合っている姿を想像して耐えられなくなって再び兄の顔を叩いた。右手を振り上げて全力で叩いたので、ソフィアの手はしびれて感覚が鈍くなっていた。
それでも妹の怒りは静まらない。もう一度叩こうとしたらマリアが兄を庇うように二人の間に割って入る。
「ソフィア様もう止めて! もうダニエル様をぶたないで……」
「あなたは黙ってなさい! あなたが兄を助ける事が嫌でしょうがないの!」
「マリアいいんだ。私が全て悪いんだから。これは当然の罰なんだ」
悲しい顔で涙を流している兄の目にはどう見えていただろう? 自分に怒りをこめて睨みつけて顔面を本気で叩く妹と、自分を守って泣きながら妹に許してと泣きすがるマリア。
「ダニエル様を放っておけません! ダニエル様は私を暗闇の中から救い出して助けてくれた。今度は私が助ける番です!!」
「マリア……君って子は……」
ソフィアが怒るほど兄の目には、マリアが救いの女神のように感じて良く見えたのだろうと妹は悔しい思いをしていた。
「品性下劣な人同士仲がよろしいですね」
「ダニエル様にひどい事をしないでください! 許してください。お願い許して……」
ソフィアは落ち着きを失って、兄にひどく冷たい仕打ちをしたと後で反省した。この時は強がってみせる事が妹に残された最後のプライドで、夫の不倫相手を抱いた兄をどうしても許せなかった。人目をはばからず悲鳴をあげて号泣しているマリアを見て、ソフィアは少しずつ冷静さを取り戻してくる。
「――最後に聞きますが、お兄様はこれからこの人との関係をどうするつもりですか?」
マリアは兄に寄り添い親身になって兄の世話をしている。その姿を見て妹は寂しさで心が冷たく凍りつく。二人の気持ちが固い絆で結ばれていて、血を分けた自分よりも密接な関係を築きあげているように感じる。うつむいて深く悩んでいるような姿の兄に妹は質問の答えを要求した。
「ソフィアすまない。私の本当の気持ちを言うとマリアの身の上には同情して可哀想な子だと思ったのは確かだが、最初からマリアには恋愛感情などない。それだけは信じてくれ」
「え? ダニエル様?」
兄の言葉を聞いてマリアは嘘でしょ? という気持ちで急に不安そうな顔になって、異質な存在を見たように何度も瞬きを繰り返している。
「自分が情けないけどマリアの身体に溺れてしまっただけだ。もう彼女には二度と会わないから許してほしい」
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