リュウのケイトウ

きでひら弓

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3レガシィ リュウの伝承3

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『そうだ、
折角だし俺の甲冑、見てみねぇか?。
なあ、気になんだろ?。
甲冑乗りなら絶対他人の甲冑も
気になるはずだよなぁ。

なあっ!。』

サレヒュトは自慢気な顔で
慧人に歩み寄り
その顔を覗き込む様
目を見据える。
溢れ出るワクワク感を
抑えきれぬ様子で。

『わ、分かりました。
拝見させていただきます。』

慧人はサレヒュトの
近過ぎる顔から
自身の顔を遠ざけながら答える。
無愛想なポーカーフェイスでも
少々の引きつりは隠しきれなかった。

『う~~ん?!。
なんか乗り気が伺えねぇな。

あんっ!。』

サレヒュトの不精な髭面を
もう一度ズズいと寄せて来る。
暑苦しさは否めない
それが例えニブチンな慧人と言えど。

『物凄く気になります。
ええ、なんだろ
凄く見たくなって来ました。』

慧人には珍しく
愛想笑いまで浮かべて
その真意を表わそうとする。
サレヒュトの人柄を
相当気に入っているのかもしれない。

『学校の七不思議より
未知の世界の未確認生物よりもかっ!!。』

サレヒュトはしつこく問いただす。
こう言うノリの性格だったのかと
慧人は少し後悔しながらも
ぶれない事を伝える。

『勿論!。
ハエトリソウが獲物を捕らえる瞬間より
オジギソウを指でつついて閉じさせる
時よりも!!。

見てみたいっ!です。』

少しヤケクソ気味だった。

『おおっ!そうだろうともっ!
だっハハハハハハハハハハっ…!。
そうだろうともよ。

よーしこっちだ。
着いて来な兄弟っ!。』

慧人の同意にシンパシーを感じたのだろう。
より一層サレヒュトの親和性が高まった
瞬間だった。

慧人のひたいには
疲れきった汗が滲んでいた。

◇      ◇
 
母屋の隣、渡り廊下で繋がれた所に
大きなガレージがあり、
其処に甲冑は格納されていた。

ガレージの方が母屋よりかなり大きい。
そして造りも頑丈そうな外観である。
母屋の時代的造りに対し
ガレージは近代的、
この世界では近未来的と言うべきだろうか。

操作系コントロールルームを抜けた先、
更にもう一つの扉を開ける。
ココにも近未来を感じさせるような仕組みの
認証キーにて解錠して中に入る。

20mは有ろうかと思われる高い天井の
区画に出ると其処にそれは鎮座していた。

立ったフォームではなく
玉座に座るか如く。

いや、これは玉座と言って良いのかもしれない。

『どーだいっ!。
大したもんだろう。
俺の命と言っても良い、
コイツが
ミレイノ サフィニアだっ!。』

武骨な中にも流麗さを持ち
観る者に感嘆を与える武神。
深い緋の滑らかな輝きを放つ装甲。
其処にはマイスターの美意識の高さを
感じさせる。
動かざる隙の無い俊敏さ。
柔らかく剛を現す出で立ち。

慧人
いや、ココに足を運んだ一行全員
しばらくの間、その像に魅せられ
動く事をしばし忘れていたのだった。
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