リュウのケイトウ

きでひら弓

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12色付く日常5第3ハンガー

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慧人が第三ハンガーの整備班専用口から
中へ入ると既に待機室にミゥエルラが待っていた。
『第二システム室を使おう。ここのパスは私しか所持していない。君の分も登録しておくから明日以後は直接ここに来て
構わない。朝のホームルームは免除だ。』
『時間外に入っても構いませんか?』
『遅刻で無ければ、"早出 居残り"しても構わないぞ?』
『いえそこまでは。しかし了解しました。必要ならそうします。』
ミゥは時間外だろうが作業を進めろと
暗に示したが慧人はそんな不手際を自分が犯す訳が無いと鼻白むのだった。
『早速だが、まず"カムイ"のOSから頼みたい。γs(ガンマシステム)の方から介入するんだろ?』
(カムイとはいわゆる新開発の二足歩行型機動兵器である。ガンマシステムはカムイのメインシステムのアシストだがこれに劣らない。シータユニットもこれと同等の性能を有する)
『そうですね。θu(シータユニット)に"真"OSを仕込んで来ましたので、3機分のγsから一期に書き替えましょう。』
"OS"と表現しているが構造上の表現であり内容は地球上で使用されているあらゆる種類の言語システム形式と合致していない。
『時間はどの程度かかる?』
『通常モードで30分程ですね』
『随分速いな。大丈夫なのか?』 
『これでもかなり安全マージンを取っているんですが… θuの最速設定だと10分です』
θu(シータユニット)は掌に収まる12x5㎝サイズの携帯端末に似た厚さ3㎜の
柔軟性を有する携行可能なオペレーションツールも兼ねた独立補助通信電算動力場抽出機器である。コアには龍真瑰の最小結晶体が使われている。
『……カムイ用のシミュレーターのOS書き換えも今日中に出来そうだな。』
『一緒に並列して行ないましょう』
『………そうか、捗るな。これなら今日中に君のシミュレーター教習も始められそうだ。』
『そうですね。時間があればプロトタイプの方も調整したいのですが。』
カムイのプロトタイプに限ってはココ日本で製造された物では無い。θuに"連携"出来事る唯一の機体なのだ。
『アレも今日弄るつもりなのか…君用のだから好きにして構わないが。セキュリティーパスを渡しておくよ。』
『ありがとうございます。』
『随分ヤル気になってくれているんだな』
『やっぱり物作りは楽しいですよ。』
『ところで擬龍石ASCは見込んだ性能を発揮しているかね?』
擬龍石ASC ( Artificial structures )擬似構造物  Crystal(結晶)
龍真瑰(りゅうしんかい)の模造品レプリカであり能力では
龍真瑰>擬龍石ASCとなる。
カムイのγs、メインシステムの
コアに使われている。
『龍真瑰に比べれば劣りますが人工でこれを作り上げられたのは素晴らしい事です。人の英智には関心します。』
『大元のデータをリークしたから可能だったのだがな。ま、王都で作る訳にもいかなかった訳だが。』
『主軸尊厳派ですか?無視出来ない存在です。が、無闇に手出しも出来ませんし…』
『下手に動けば16年前の惨劇になりかねんからな。いや、この話はすまなかった。』
16年前、慧人がまだ幼かった頃 
過ごしていた調整体実験教育施設を襲った遺伝子操作調整体を始め王室の尊厳を揺るがす者を認めないとする主軸尊厳派と呼ばれる
団体と思き(おぼしき)者の襲撃を受けていたのだった。
『いえ、ミゥ先生が謝る事では。自分はもう気にしていません。』
『強いな。君は』
『いえ、家族と呼べる存在を
失わずに済んだから自分は
今ココに
普通に居られるんだと
思います。』
あの惨劇の中、幼き精神を
崩壊させても
おかしく無い状況下で瀕死の
ティタと迩椰を救う事が
出来たのは僥倖だったと
言わざるを得ない。
『そうだな。どんな事にも
救いはある。でなけば
生きている者は全て絶望の
深淵に堕ちてしまうだろう。』
『全くです。あの惨事は
神の存在を疑いましたが、
奇蹟の存在は信じられるように
なりましたから。』
『奇蹟じゃないさ。
君が自分の手で把み取った、
引き寄せた、
正に不幸中の幸いに
他ならないよ。』
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