リュウのケイトウ

きでひら弓

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2エバンス16世に蔓延る理不尽

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『慧人
マザーの元へ向かうのだな?。』

学園内は元より、軍、警備会社
関係各所は先程の事態で
大変な騒ぎだ。

各所で緊急会議が招集られるが
対策案の纏まりには程遠い状況。
頭を抱えこむ上層部。

夏を連れ去られたC組内
その状況を遠目にし
敵性と思われる者より
思考波により手出し出来なかった
無力感に支配された
多くの者達。

これからどうすればいいのかも
皆目検討もつかない。

辺りには苛立ちだけが
立ち込めていた。

しかし、
ミゥはそんな中で
打開策が存在する事を
知っていた。

慧人にはその朧気ながら
案がある事を
感じ取っていたのだ。

『はい。
ティタと迩椰も連れて行きます。

学園の事はお願いします。』

『了解した。

夏の事を頼む。
彼女は今後必要な人材になる
必ず連れ戻してくれ。』

『はい。』

慧人は思う。
夏の事を。

人材としてただ必要としている訳ではなく
夏は自分の周りに居て欲しい人だと。

その為にはどんな困難が生じようとも
必ず連れ戻して来る。
そう心に誓う。

暗いやみの中に差す
一筋の光明。

あの場所、あの人に会えば
必ずヒントが得られると。

思考停止に陥らず
行動に移せる一縷の望みがあれば
まだ大丈夫だ  と。

少し薄ら笑いさえ漏れて
しまいそうになる。

自分を落とし入れようとする者。

自分の平静を許さぬ者。

自分を窮地に追い込もうとする者。

何故、世界には世の中には
この様な者が存在するのか?。

必ずと言っていい程
この手の輩は現れる。

いくら真っ当に生きようが
静かに普通に暮らそうが。

本当に世界と言う物は
すんなりとは行かせてくれないものだと
思ってしまう。

それを考えると
悩み落ち込むより
そのシステムを可笑しく
感じてしまうのだ。

そして、こうも思う。
だから冒険が成り立つのだ。
物語が成り立つのだな と。

『けーと、
なんか楽しそうだけど?

面白い案でも浮かんだの?。』

迩椰もそんな
不敵な笑みを浮かべる
慧人の表情に
事態の中に明るい部分を
見いだし
少し安心感を覚える。

『いや、
世の中はやはり、理不尽なものだなと
感じたんだ。

でも、いつでもその理不尽に
立ち向かわなければならないのだなと
思うと何か薄ら面白くてな。

そして、多かれ少なかれ
立場、性別、環境が違っても
誰にでもそれは降りかかるものだな と。

それが物語の主人公でも
一介のサラリーマンでもだ。

誰もが其れ等と
闘っているのだなと。

それと、同じ境遇の多くの者から
エールを受け取った気がしてな。

少しやる気が増したんだ。

人生に。

あははは……。

こんな場面で
不謹慎だったなら許してくれ。』

『ううん。
けーとがやる気なら良いんだ。

ガンバろ  ね?。』

『そうだな。頑張ろう。』

『そうね。
三人なら何でも出来そうね。

頑張ろう。』
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