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1.渡辺亜希子殺人事件1
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プルルルルルル、プルルルルルル。
ピッ。
電話を取る。それは、
幼なじみの、勇気であった。
「勇気。どうした?まさか、依頼?」
勇気は、警察官なのである。
「そうそう。
あのさあ、スマン。
警察も、亜希子のヤツ、解けなくて、
俺も、友人の死に、
もう、ちゃんと解けるわけないじゃん?」
「それはそうね。
でも、私だって、友人の死に驚いているのよ。」
赤い紅茶を飲む。
「その割には、結構落ち着いてるようだが?」
「当たり前よ。
ミステリー小説を読みまくって、
友人が死んじゃうなんて、名探偵としては当たり前なんだから」
「ひでえな」
電話の向こうで真顔になる勇気の声がする。
「冗談よ。でも、亜希子自身恨まれそーな、
酷い性格だったもの」
「まあな、小学生の頃から、アイツ、
ひでえ性格してたよなあ」
「私は、酷い性格好きだけど」
「とにかく、頼むぜ」
「りょ、お給料頂戴ね」
「おいおい」
電話が切れ、ため息を吐く。
勇気の前では、冷静に、してるが、
実際は、まだ、受け入れられない。
亜希子からは、小4からの付き合いなのだ。
中学は、違ったが、高校でまた出会ったし。
だが、だからこそ、私は、亜希子の死を解き明かさなくてはいけない。
だって、じゃないと、亜希子が報われないんだもの。
亜希子の住んでるアパートに、警察達とつく。
ほんの少し汚れてるが、まあ、普通に暮らせそうな木造のアパートだ。
鍵は一つ。丸いドアノブ。
覗き穴はなし、インターホンは、カメラなし。
大分古いインターホンだろうか。
隙間等もない。
ザッと外見から見る。もう、この時点で違和感を覚えた。
「亜希子って、こんな、稼いでなかったかしら。
なんで、ここに住んでるんだろう」
亜希子は、新築マンションに住める程度には、
お金を稼いでいたはずだ。
「中に入ってみましょうか。」
白い線と、ビニール袋が引いてある亜希子の部屋。
確かに、桜の花びらが、一枚落ちている。
今は春ではない。桜はこの辺では咲いている筈がない。
赤黒くなってる、血に、吐き気を覚える。
ここで、誕生日会をした、という事実に、とてつもなく気持ち悪くなる。
「あの、私ここで三人で1ヶ月前誕生日会してたんです」
警察に白状する。
「三人?」
「私、亜希子、はるか。」
「はるか?」
「野山はるか。私は、小学校までの付き合いでしたが、
亜希子は仲が良くて」
「そうですか。ちょっと調べてきます」
たたたたと駆け出す警察官をチラリと見て、捜査を始める。
持ってきた、何もくっつかないようにしてる、使い捨てスリッパと、
虫眼鏡と、マスクをつける。
「この、桜の花びらに、指紋とかって、ついているんですか?」
「いえ」
つづく
ピッ。
電話を取る。それは、
幼なじみの、勇気であった。
「勇気。どうした?まさか、依頼?」
勇気は、警察官なのである。
「そうそう。
あのさあ、スマン。
警察も、亜希子のヤツ、解けなくて、
俺も、友人の死に、
もう、ちゃんと解けるわけないじゃん?」
「それはそうね。
でも、私だって、友人の死に驚いているのよ。」
赤い紅茶を飲む。
「その割には、結構落ち着いてるようだが?」
「当たり前よ。
ミステリー小説を読みまくって、
友人が死んじゃうなんて、名探偵としては当たり前なんだから」
「ひでえな」
電話の向こうで真顔になる勇気の声がする。
「冗談よ。でも、亜希子自身恨まれそーな、
酷い性格だったもの」
「まあな、小学生の頃から、アイツ、
ひでえ性格してたよなあ」
「私は、酷い性格好きだけど」
「とにかく、頼むぜ」
「りょ、お給料頂戴ね」
「おいおい」
電話が切れ、ため息を吐く。
勇気の前では、冷静に、してるが、
実際は、まだ、受け入れられない。
亜希子からは、小4からの付き合いなのだ。
中学は、違ったが、高校でまた出会ったし。
だが、だからこそ、私は、亜希子の死を解き明かさなくてはいけない。
だって、じゃないと、亜希子が報われないんだもの。
亜希子の住んでるアパートに、警察達とつく。
ほんの少し汚れてるが、まあ、普通に暮らせそうな木造のアパートだ。
鍵は一つ。丸いドアノブ。
覗き穴はなし、インターホンは、カメラなし。
大分古いインターホンだろうか。
隙間等もない。
ザッと外見から見る。もう、この時点で違和感を覚えた。
「亜希子って、こんな、稼いでなかったかしら。
なんで、ここに住んでるんだろう」
亜希子は、新築マンションに住める程度には、
お金を稼いでいたはずだ。
「中に入ってみましょうか。」
白い線と、ビニール袋が引いてある亜希子の部屋。
確かに、桜の花びらが、一枚落ちている。
今は春ではない。桜はこの辺では咲いている筈がない。
赤黒くなってる、血に、吐き気を覚える。
ここで、誕生日会をした、という事実に、とてつもなく気持ち悪くなる。
「あの、私ここで三人で1ヶ月前誕生日会してたんです」
警察に白状する。
「三人?」
「私、亜希子、はるか。」
「はるか?」
「野山はるか。私は、小学校までの付き合いでしたが、
亜希子は仲が良くて」
「そうですか。ちょっと調べてきます」
たたたたと駆け出す警察官をチラリと見て、捜査を始める。
持ってきた、何もくっつかないようにしてる、使い捨てスリッパと、
虫眼鏡と、マスクをつける。
「この、桜の花びらに、指紋とかって、ついているんですか?」
「いえ」
つづく
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