23 / 61
高校一年生、桜川高等学校合唱部
22話「コンクール前日」
しおりを挟む
「そこ!まだ勢いがたりない!」
「コーラスの山田さん。そこは、もっとか細い声で!」
「戸崎さん!ここは、高く!」
...ふぅ。
いよいよコンクール前日だ。
何だかあっと言う間だった。
三回注意したあと、もう一回合唱をして、港先生は言った。
「明日がいよいよ合唱コンクール。
練習してきた1ヶ月は無駄なんかではありません!
良く寝て、食べて、体調を崩さないようにしてください」
そういって、終わった。
でも、港先生がいなくなったとしても、誰もその場所から動こうとはしなかった。
星空の麗が、エンドレスに流れる。
ふと、花の歌声を聞いて思う。
「花ちゃん、上手いね。」
ルアが言うと、花は、ん?と笑顔になって
「そやで~。だって、なんたってあたしは、
関西京都、超強豪校!
京都市立鳥中学の、合唱部卒やねんからー!」
ムフン!と花が笑う。
鳥中は、合唱コンクール強豪校。
いつも全日本大会に出ている。
それは、花が上手いわけだ。
「なあ、でもさ、高島さんのほうが上手いって。
ルアはまだ、高島さんほどじゃないけど...
アタシよりは、二人の方が上手いと思うで」
花が笑う。
歌乃が口を開く。ぷるぷるとして、美味しそうな唇から言葉がはみ出る。
「でも、雪葉先輩が、一番、一番上手い。
私が、幾ら、練習しても、かなわない。
いつから、歌をやっているんだろう。」
歌乃の言葉を聞いてルアも考える。
雪葉の歌は圧倒的だ。まるで、超えられない壁みたい。
「いつも朝練、夜練してんのに」
歌乃が悔しそうだ。
ルアも、朝練は、6時半から、夜練は19時まではやっている。
「どのくらい?」
歌乃に問いかける。
「朝練は、4時半から、かな?
な夜練は8時まで」
え!...流石ミュージカルスター。
「ねー歌お明日本番だし」
花が大声を出す。
「うん」
二人は、9時まで練習を続けた。
寮に戻る。
明日、コンクール。その事実が耐え難く、唸る。
明日、コンクール。
また、あの悔しい思いと、涙を流すのだろうか。
ベッドに寝ころび、アラームをセットする。
最後に、もう一回歌って、眠りについた。
ビロロロリン!
iPhoneの、アラームが、鳴り響く。
音が聞こえた、5秒後、止める。
サッと起きて、洗面所に向かう。
ヘアバンドを付けて、前髪クリップをする。
ぬるま湯で予洗いをし、始めから泡で出る、
洗顔料で、肌を触らないようモコモコと洗う。
ティッシュで顔を吹いた後、
美白化粧水を、ペタペタと付けて、美容液をつける。
乳液をかけたら、ボディミルクを塗る。
髪の毛をとかす。
前髪を黒いピンで留めて、
髪の毛をポニーテールにする。
フワフワと癖っ毛な自分のポニーテールは、やはり
ダサい。
外に出ようとする。星空の麗を歌いながら。
今日、コンクールだ。
寮の部屋を出たとき、部屋は真っ暗だった。
つづく
「コーラスの山田さん。そこは、もっとか細い声で!」
「戸崎さん!ここは、高く!」
...ふぅ。
いよいよコンクール前日だ。
何だかあっと言う間だった。
三回注意したあと、もう一回合唱をして、港先生は言った。
「明日がいよいよ合唱コンクール。
練習してきた1ヶ月は無駄なんかではありません!
良く寝て、食べて、体調を崩さないようにしてください」
そういって、終わった。
でも、港先生がいなくなったとしても、誰もその場所から動こうとはしなかった。
星空の麗が、エンドレスに流れる。
ふと、花の歌声を聞いて思う。
「花ちゃん、上手いね。」
ルアが言うと、花は、ん?と笑顔になって
「そやで~。だって、なんたってあたしは、
関西京都、超強豪校!
京都市立鳥中学の、合唱部卒やねんからー!」
ムフン!と花が笑う。
鳥中は、合唱コンクール強豪校。
いつも全日本大会に出ている。
それは、花が上手いわけだ。
「なあ、でもさ、高島さんのほうが上手いって。
ルアはまだ、高島さんほどじゃないけど...
アタシよりは、二人の方が上手いと思うで」
花が笑う。
歌乃が口を開く。ぷるぷるとして、美味しそうな唇から言葉がはみ出る。
「でも、雪葉先輩が、一番、一番上手い。
私が、幾ら、練習しても、かなわない。
いつから、歌をやっているんだろう。」
歌乃の言葉を聞いてルアも考える。
雪葉の歌は圧倒的だ。まるで、超えられない壁みたい。
「いつも朝練、夜練してんのに」
歌乃が悔しそうだ。
ルアも、朝練は、6時半から、夜練は19時まではやっている。
「どのくらい?」
歌乃に問いかける。
「朝練は、4時半から、かな?
な夜練は8時まで」
え!...流石ミュージカルスター。
「ねー歌お明日本番だし」
花が大声を出す。
「うん」
二人は、9時まで練習を続けた。
寮に戻る。
明日、コンクール。その事実が耐え難く、唸る。
明日、コンクール。
また、あの悔しい思いと、涙を流すのだろうか。
ベッドに寝ころび、アラームをセットする。
最後に、もう一回歌って、眠りについた。
ビロロロリン!
iPhoneの、アラームが、鳴り響く。
音が聞こえた、5秒後、止める。
サッと起きて、洗面所に向かう。
ヘアバンドを付けて、前髪クリップをする。
ぬるま湯で予洗いをし、始めから泡で出る、
洗顔料で、肌を触らないようモコモコと洗う。
ティッシュで顔を吹いた後、
美白化粧水を、ペタペタと付けて、美容液をつける。
乳液をかけたら、ボディミルクを塗る。
髪の毛をとかす。
前髪を黒いピンで留めて、
髪の毛をポニーテールにする。
フワフワと癖っ毛な自分のポニーテールは、やはり
ダサい。
外に出ようとする。星空の麗を歌いながら。
今日、コンクールだ。
寮の部屋を出たとき、部屋は真っ暗だった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる