異世界宿屋の住み込み従業員

熊ごろう

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273話 「小遣い稼ぎ2」

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戦利品を持ってギルドへと向かったうーちゃんであるが、空いている窓口を見つけるととことこと駆け寄って行く。
ギルドメンバーの多くは既に仕事に行っている為この時間帯は割と空いているらしい。
窓口へ着くとうーちゃんに気が付いたギルド員に戦利品を見せる。

うー(かいとりにょろ)

「はいはい……買取かな? えぇっと綺麗な指輪に宝石ね。鑑定するから少し待っててくれる?」

うーちゃんが頷いたのを見て戦利品を受け取るギルド員。
代わりに番号の書かれた紙を受け取ったうーちゃんは手近な空いているテーブルへと向かい椅子に腰掛ける。

うー(ぱかっとな)

少し待っていてとギルド員は言ったが、少なくとも数十分は待たされたりする。
ただ待っているのもあれなのでうーちゃんは本日二度目のおやつタイムとした様だ。
空いているだけあってカポンとあたりにお菓子の箱を空ける音が響く。その音に気が付いた者はうーちゃんへ視線を向けるが当人は気にした様子はなくモリモリと焼き菓子を頬張っていた。

「番号札22番の方~」

箱の中身が半分近くまで減った頃になってようやくうーちゃんの番号が呼ばれる。
いそいそと箱をカバンにしまい込みと窓口へと向かう。

「はいこれ魔道具の詳細と買取価格。よければすぐお金渡すけど……」

うっ(かいとりー)

指輪は魔道具だった様だ。
ギルド員が手渡した紙には魔道具の詳細とその買い取り価格が記載されていた。
ギルドで買い取りする以外にもちょっとしたオークションに掛けることも出来るがその場合お金を受け取るまで多少時間が掛かる。

「……はい、落とさない様に気を付けてね」

うーちゃんとしてはリンゴが買えればそれで良いらしく、さっさとお金を受け取ると再び八百屋へと向かい駆けて行く。

「おや……さっきは財布でも忘れたのかい。 はいはい、リンゴね」

八百屋へと着いたうーちゃんは早速リンゴを購入しようとしていた。
他にも色々商品が並んでいるがそれには目もくれず、山盛りのリンゴを購入しカバンにパンパンになるまで詰め込むとそのままダッシュで宿へと向かう。

「おっかえりー」

玄関から聞こえる物音に気が付いた加賀が厨房から顔を覗かせる。
うーちゃんはパンパンになったカバンをテーブルへと置くとゴソゴソと中からリンゴを抜き出して加賀へと差し出す。

うー(りんごー)

「それ全部……美味しそうなリンゴだね。剥く?」

リンゴでパンパンに膨らんだカバンを見て少し苦笑いをする加賀であったが、割と見慣れた光景ではあるのだろう、すぐに気を取り直すとリンゴを持って厨房へと引っ込む。
次に出て来た時にはリンゴは可愛らしいウサギになっていた。

「おいし?」

う(うまうま)

リンゴはあっという間にうーちゃんのお腹に収まるが、リンゴはまだまだある。
うーちゃんが満足するまでひたすら加賀がリンゴを剥いたそばからうーちゃんが食べる、そんな光景が繰り返されるのであった。

「余ったのはどうしよっか?」

うー(じゃむー)

「あいあい、明日までには作っておくね」

大半はうーちゃんのお腹に収まり、加賀などもいくつか摘まんでいたが、それでも結構な量のリンゴが余ったようだ。
今回はジャムにするようだが日によってはコンポートになったり、ジュースにしたりと色々である。

今回うーちゃんはダンジョンに潜ってお金を稼いだが、実は加賀やアイネと同様にバクスから給料を貰っていたりもする。
ただ食費が給料から天引きな為、大食らいのうーちゃんが貰える給金は子供のお小遣い程度だったりする。
ただダンジョンにたまに潜るのは楽しいらしく、本人としてはそのあたりは余り気にしてない様だ。
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