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木の中にいる
「31話」
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ゴリさんに抱えられて森にいってからおよそ10分ほど、俺はゴリさんと共に再びギルドの食堂へと戻っていた。
その手には抱えきれないぐらいのリンゴがあり……いやまあ、たぶんまた食べたいって言うだろうしね? また吸いに行くのも面倒だからとリンゴを作ってきたのです。
とりあえずリンゴをテーブルに置いてっと。
……おいた瞬間リンゴが消えた。どんだけ美味しかったの。
「いやー……酷い目にあった」
「よかったねー。ちゃんと元に戻れて」
ジョッキに注がれた酒を飲みほして一息つく俺に心配そうに声をかけるカールさん……心配してくれてるのはうれしいが、その両手にちゃっかりリンゴを確保していたりするので思わず苦笑いが浮かぶ。
「しかし……これはまた……大量ですね」
「食いながら喋るなっての……」
「…………」
呆れたような関心したような何とも言えない表情で話すマリーさんであるが、こちらもリンゴ確保済みな上に話ならがしゃべるもんでゴリさんから注意を受けている。
その後は無言でひたすらリンゴにかじりついていた。どんだけ好きなの。
「ウッド。お前さんこれをギルドに卸すだけでもやっていけそうだな」
リンゴの芯を皿においてそう話しかけてきたのはベルトラムさんが。
いや、食うの早すぎない? さっき2個手に持ってましたよね……。
んでギルドにリンゴを下すことなんだけど……たぶん無理なんだよね。
「いやー……一瞬考えはしましたけど、それやるとこの辺りの森全部枯れちゃいますんで」
「ああそれもそうか」
たぶん自分たちで食べる分であれば、大した影響は森にはないと思う。でもギルドに卸すとなると結構な数を用意することになるんじゃないだろうか? ゴリさん達の反応を見るに人気もすごいことになりそうだし……せっつかれそうな気がする。もっと納入しろって。
「この数用意するのにどれぐらい吸わないとダメだったのー?」
「あ、1回で大丈夫でしたよ。満タンまで吸えば10個いけるみたいです」
森にいって萎んだ体を回復させるのに1回。 リンゴ10個作って再び体を戻すのにもう1回吸っている。
さっき6個作った段階で限界がきたのがオーク戦後に大した消耗してないからと吸ってなかったからだろうね。
「ニャー……もう食べられないニャ。お腹いっぱいニャ」
「そりゃその体で4個も食えばそうなるでしょう……」
ぽこりと膨らんだお腹をさするタマさん。
おっさん臭いその仕草もにゃんこがやれば可愛いものですね。うへへ。
「そういや、5人はパーティ組んでるのかニャー?」
ちびちびとジョッキを傾けそんな話をふるタマさん。
「いや、俺は違いますよ。 ゴリさんに助けてもらって、それに稽古とかつけてもらって……何でしょ、一時的な弟子というかなんというか」
なんて言ったらいいのかちょっと悩んだけど、稽古つけてもらってるし弟子といっても……い、いいよね?
とりあえずそんなことをタマさんに言うと納得したらしくふんふんと頷いている。 ま、そうだよね。パーティだとしたら明らかに俺だけ浮いてることになるし。
「ほーん、そうなのかニャー。 ウッドはパーティ組んでるのかニャー?」
「いえ、まだ募集中ですね……やっぱまだ掛かりそう何ですかねー?」
「あー……そろそろ何か言ってきてもおかしくはねえが」
「ニャ。 それだけわかれば十分ニャ」
パーティはまだリタさんから連絡はない。
オークを倒してランクが上がってしまったこともあって色々と見直してたりするのかも知れないね。
いやー、お手数お掛けしますね。
んで俺らの話を聞いたタマさんだけど、どこか機嫌よさげに頷くとぽんと俺の腕にその前足を置く。
どうしたのかな?と首を傾げる俺に向かいタマさんは口を開く。
「タマとパーティ組むニャ」
「へぁ!?」
まさかの爆弾発言である。
いいあ、嬉しいけどね?嬉しいんだけど……。
「タマさん、そいつまだ新人もいいとこですぜ。 やっとオーク倒せたばかりなんで、とてもじゃないけどタマさんが行くようとこには付いていけないですぜ……」
うん、右半身のおかげで新人らしからぬ戦闘力を持つとはいえ、それは中堅どころと比べると幾分劣る程度である。
とてもじゃないがトップ連中についていくなんてことは出来ないだろう。俺は自殺志願者じゃないのだ。
「問題ないニャ。 タマが最下層いってたのは果物食べたかったからニャ。 ウッドとパーティ組めばいかなくていいニャ」
「ま、まさかの体目当て!?」
びっくりしたけど確かにそりゃそうだ。
タマさんが俺と組むメリットなんてそれぐらいしかないだろう。
「ウッドは嫌かニャ? さっきも言ったけどタマは強いニャ。パーティ組むなら強い相手と組むのがいいニャ」
「いやでもあまりに実力離れすぎてると……その、寄生か何かと思われてしまいそうで……」
嫌じゃないんですけどね?
強い人は大歓迎だけど……強すぎるとさすがにちょっとそのへんのやっかみというか、なんというか……。
「パーティ組めばタマのこと撫でていいニャ」
「これからよろしくタマさん!」
「それでいいの!?」
「まさかの二人とも体目当てかよ……」
そうだった、パーティ組めば撫で放題じゃないか!
そのことに比べれば多少やっかみ受けようが何しようが気にしたものではない!
とまあそんな感じで、ゴリさん達はドン引きしていたけど俺は無事パーティを組むことが出来たのであった。
その手には抱えきれないぐらいのリンゴがあり……いやまあ、たぶんまた食べたいって言うだろうしね? また吸いに行くのも面倒だからとリンゴを作ってきたのです。
とりあえずリンゴをテーブルに置いてっと。
……おいた瞬間リンゴが消えた。どんだけ美味しかったの。
「いやー……酷い目にあった」
「よかったねー。ちゃんと元に戻れて」
ジョッキに注がれた酒を飲みほして一息つく俺に心配そうに声をかけるカールさん……心配してくれてるのはうれしいが、その両手にちゃっかりリンゴを確保していたりするので思わず苦笑いが浮かぶ。
「しかし……これはまた……大量ですね」
「食いながら喋るなっての……」
「…………」
呆れたような関心したような何とも言えない表情で話すマリーさんであるが、こちらもリンゴ確保済みな上に話ならがしゃべるもんでゴリさんから注意を受けている。
その後は無言でひたすらリンゴにかじりついていた。どんだけ好きなの。
「ウッド。お前さんこれをギルドに卸すだけでもやっていけそうだな」
リンゴの芯を皿においてそう話しかけてきたのはベルトラムさんが。
いや、食うの早すぎない? さっき2個手に持ってましたよね……。
んでギルドにリンゴを下すことなんだけど……たぶん無理なんだよね。
「いやー……一瞬考えはしましたけど、それやるとこの辺りの森全部枯れちゃいますんで」
「ああそれもそうか」
たぶん自分たちで食べる分であれば、大した影響は森にはないと思う。でもギルドに卸すとなると結構な数を用意することになるんじゃないだろうか? ゴリさん達の反応を見るに人気もすごいことになりそうだし……せっつかれそうな気がする。もっと納入しろって。
「この数用意するのにどれぐらい吸わないとダメだったのー?」
「あ、1回で大丈夫でしたよ。満タンまで吸えば10個いけるみたいです」
森にいって萎んだ体を回復させるのに1回。 リンゴ10個作って再び体を戻すのにもう1回吸っている。
さっき6個作った段階で限界がきたのがオーク戦後に大した消耗してないからと吸ってなかったからだろうね。
「ニャー……もう食べられないニャ。お腹いっぱいニャ」
「そりゃその体で4個も食えばそうなるでしょう……」
ぽこりと膨らんだお腹をさするタマさん。
おっさん臭いその仕草もにゃんこがやれば可愛いものですね。うへへ。
「そういや、5人はパーティ組んでるのかニャー?」
ちびちびとジョッキを傾けそんな話をふるタマさん。
「いや、俺は違いますよ。 ゴリさんに助けてもらって、それに稽古とかつけてもらって……何でしょ、一時的な弟子というかなんというか」
なんて言ったらいいのかちょっと悩んだけど、稽古つけてもらってるし弟子といっても……い、いいよね?
とりあえずそんなことをタマさんに言うと納得したらしくふんふんと頷いている。 ま、そうだよね。パーティだとしたら明らかに俺だけ浮いてることになるし。
「ほーん、そうなのかニャー。 ウッドはパーティ組んでるのかニャー?」
「いえ、まだ募集中ですね……やっぱまだ掛かりそう何ですかねー?」
「あー……そろそろ何か言ってきてもおかしくはねえが」
「ニャ。 それだけわかれば十分ニャ」
パーティはまだリタさんから連絡はない。
オークを倒してランクが上がってしまったこともあって色々と見直してたりするのかも知れないね。
いやー、お手数お掛けしますね。
んで俺らの話を聞いたタマさんだけど、どこか機嫌よさげに頷くとぽんと俺の腕にその前足を置く。
どうしたのかな?と首を傾げる俺に向かいタマさんは口を開く。
「タマとパーティ組むニャ」
「へぁ!?」
まさかの爆弾発言である。
いいあ、嬉しいけどね?嬉しいんだけど……。
「タマさん、そいつまだ新人もいいとこですぜ。 やっとオーク倒せたばかりなんで、とてもじゃないけどタマさんが行くようとこには付いていけないですぜ……」
うん、右半身のおかげで新人らしからぬ戦闘力を持つとはいえ、それは中堅どころと比べると幾分劣る程度である。
とてもじゃないがトップ連中についていくなんてことは出来ないだろう。俺は自殺志願者じゃないのだ。
「問題ないニャ。 タマが最下層いってたのは果物食べたかったからニャ。 ウッドとパーティ組めばいかなくていいニャ」
「ま、まさかの体目当て!?」
びっくりしたけど確かにそりゃそうだ。
タマさんが俺と組むメリットなんてそれぐらいしかないだろう。
「ウッドは嫌かニャ? さっきも言ったけどタマは強いニャ。パーティ組むなら強い相手と組むのがいいニャ」
「いやでもあまりに実力離れすぎてると……その、寄生か何かと思われてしまいそうで……」
嫌じゃないんですけどね?
強い人は大歓迎だけど……強すぎるとさすがにちょっとそのへんのやっかみというか、なんというか……。
「パーティ組めばタマのこと撫でていいニャ」
「これからよろしくタマさん!」
「それでいいの!?」
「まさかの二人とも体目当てかよ……」
そうだった、パーティ組めば撫で放題じゃないか!
そのことに比べれば多少やっかみ受けようが何しようが気にしたものではない!
とまあそんな感じで、ゴリさん達はドン引きしていたけど俺は無事パーティを組むことが出来たのであった。
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