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「91話」
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一撃目は盾で防いだが、二撃目は防げずに右腕と脇腹に衝撃が走った。
ここで踏ん張るとダメージがでかいと判断し、金棒が振り抜かれる勢いに身を任せ、吹っ飛ばされる事で敵と距離を取る。
「ぐ」
ダメージはそれ程じゃない。
痛いには痛いが、骨も折れていないし打撲程度だ。
それよりも毒がきつい。
解毒ポーションを飲めば治るだろうが、その隙を敵が見逃すとは思えない。
だが数発攻撃を受けるよりも、このまま毒状態になっている方がキツいと判断し、解毒ポーションを取り出し蓋を開け、飲もうとして……敵がこちらに向かって来ていない事に気が付く。
クロが敵を足止めしてくれていた。
加勢に行きたいが体はまともに動かない、逸る気を持ちを抑え、瓶の中身を一気に煽り、飲み下す。
効果はすぐに現れ始めた。
体中の倦怠感が徐々に薄れ、吐き気や痛みなども弱まっていく。
これなら行ける!
そう思い、足に力を込めた瞬間だった。
火球を避けるために飛び上がったクロを金棒が直撃した。
動きが速く、回避力のあるクロだが空中では身動きが取れない。そこを狙われたのだ。
クロは弾丸を撃ち出した様な勢いで飛び、壁にぶちあたる。
土埃が舞い、クロの無事は確認できない。
気が付けば眼前に手足を失い、頭部が爆ぜたオーガの姿があった。
周りの敵も全て肉塊と化している。
戦闘は終わっていた。
体のあちこちが痛むが、重傷では無さそうだ。
……それよりもクロだっ!
そう思い、辺りを見渡し……俺の背後にクロが座っている事に気が付いた。
「クロ大丈夫っ!?」
慌てて駆け寄り怪我の具合を確かめる。
……怪我はしていないように見える。
多少土埃で汚れてはいるが、流血した後も見られない。
でも、内部にダメージが無いとは限らないだろう。俺は怪我用のポーションを取り出し、クロに飲ませようとするが……クロに前足で拒否される。
「軽いから吹っ飛んだだけだし、障壁があるから効いてない……?」
クロ曰く、派手に吹っ飛んだのは自分が軽いからだと、それに障壁もあるからダメージは入っていない、との事だ。
クロの装備を宝石で強化しておいて本当に良かった……。
障壁が無ければ少なくともダメージは受けていたはずである。
「よかった。本当に良かったぁ……でも、一応ポーションは使ってね」
そう言ってクロにポーションを渡し、地面に座り込む俺。
さすがに疲れが出て来たのだ。
体中ズキズキと痛むし、俺もポーションを飲んでおこう。
「しっかし、なんで急に毒が強くなったんかなー……」
先ほど戦闘を思い返し、そう独り言ちる俺。
増援がきたのもアレだが、毒が急に強くなったのが崩れた主な原因だ。そのせいでクロを危険な目に遭わせてしまった……。
原因は確かめておいた方が良い。
「……試してみるか」
そう言ってバックパックから矢筒を取り出す。
コボルトの矢もきっちり回収しているので、これを試しに体のどこかに刺して見れば何かしら検証は出来るはずだ。
「いてっ」
手袋を外し、指先にぶすっと鏃を刺すが、やっぱちょっと痛かった。
「ん?」
さっきの毒の症状がくるかと身構えていたが……一向に来る気配が無い。
「あー……解毒ポーションの効果残ってるのか」
さっき飲んだ解毒ポーションであるが、矢の毒を1回無効化してもまだ効果が残っているらしい。
飲んだ瞬間だけ効果を発揮するタイプでは無いって事なので、予め飲んでおくと言う手段が使えると言うことだ。
ありがたいね。
「ぐ……」
何回ぐらい無効化するのかな?と、追加で矢を2回刺した所で毒の症状が出た。
解毒ポーション1本で矢の毒を3回無効に出来ると……てかね。
「今度は始めから症状がキツい……どゆこと」
さっきは途中から毒が強くなったんだけど、今回は何故か最初から強い……一体どういう事かと頭を悩ませていたが、一つだけ思い当たる節があった。
俺は追加で怪我用のポーションを取り出し、飲み干した。
「少し楽になった…………んぐ」
怪我用なので解毒することは出来ないが、毒のダメージを相殺は出来ると言うことか。
そしてポーションの効果が切れた瞬間に、毒本来のダメージが来ると。
なるほどなるほど。
厄介だなあ……知っていたならともかく、知らないとこれが原因でやられてしまう可能性だってある。
こりゃ自衛隊の皆にも話しておかないとだ。
毒とポーションの関係も分かった所で反省タイムだ。
今回は正直今までで一番危なかったと思う。
きっちり振り返っておかないと……。
「反省点は追加の敵に気を取られて矢を食らったこと、最初はそこまできつい毒じゃないと思って、解毒ポーションを飲まなかったこと、かな」
俺の言葉ににゃーと鳴いて反応するクロ。
クロの反省点としては、回避する時に中途半端に飛んだところらしい。
天井まで飛んでしまえば、そこから天井を蹴って次の動きにも繋げられた……との事だ。
「普通のポーションが効いている間はまだ良いけど、切れた途端に一気にキツくなるってのがなあ……。毒の症状が出たら即、解毒ポーションを飲もう。それと今後は怪我用だけじゃなくて、解毒ポーションも事前に飲んでおく……あとは増援の条件は分からないけれど2チーム以上を相手にする時は、常に増援が来ると考えておいた方が良いね」
増援に関しては条件がね……1チームだけ相手にしていた時は一度も増援が来なかったんだよね。戦闘時間とか関係しているのだろうか?
ただこれは考えても良く分からないので、毎回増援の可能性を考えておけば良いだろう。
クロも大体それで良かったらしく、にゃーと小さく鳴くと、立ち上がり、道を進み始める。
「こんなもんかな……よし、反省会終わり!次いくどー!」
回復したし、反省会も終わった。
ガンガン狩り進めるぞー!
ここで踏ん張るとダメージがでかいと判断し、金棒が振り抜かれる勢いに身を任せ、吹っ飛ばされる事で敵と距離を取る。
「ぐ」
ダメージはそれ程じゃない。
痛いには痛いが、骨も折れていないし打撲程度だ。
それよりも毒がきつい。
解毒ポーションを飲めば治るだろうが、その隙を敵が見逃すとは思えない。
だが数発攻撃を受けるよりも、このまま毒状態になっている方がキツいと判断し、解毒ポーションを取り出し蓋を開け、飲もうとして……敵がこちらに向かって来ていない事に気が付く。
クロが敵を足止めしてくれていた。
加勢に行きたいが体はまともに動かない、逸る気を持ちを抑え、瓶の中身を一気に煽り、飲み下す。
効果はすぐに現れ始めた。
体中の倦怠感が徐々に薄れ、吐き気や痛みなども弱まっていく。
これなら行ける!
そう思い、足に力を込めた瞬間だった。
火球を避けるために飛び上がったクロを金棒が直撃した。
動きが速く、回避力のあるクロだが空中では身動きが取れない。そこを狙われたのだ。
クロは弾丸を撃ち出した様な勢いで飛び、壁にぶちあたる。
土埃が舞い、クロの無事は確認できない。
気が付けば眼前に手足を失い、頭部が爆ぜたオーガの姿があった。
周りの敵も全て肉塊と化している。
戦闘は終わっていた。
体のあちこちが痛むが、重傷では無さそうだ。
……それよりもクロだっ!
そう思い、辺りを見渡し……俺の背後にクロが座っている事に気が付いた。
「クロ大丈夫っ!?」
慌てて駆け寄り怪我の具合を確かめる。
……怪我はしていないように見える。
多少土埃で汚れてはいるが、流血した後も見られない。
でも、内部にダメージが無いとは限らないだろう。俺は怪我用のポーションを取り出し、クロに飲ませようとするが……クロに前足で拒否される。
「軽いから吹っ飛んだだけだし、障壁があるから効いてない……?」
クロ曰く、派手に吹っ飛んだのは自分が軽いからだと、それに障壁もあるからダメージは入っていない、との事だ。
クロの装備を宝石で強化しておいて本当に良かった……。
障壁が無ければ少なくともダメージは受けていたはずである。
「よかった。本当に良かったぁ……でも、一応ポーションは使ってね」
そう言ってクロにポーションを渡し、地面に座り込む俺。
さすがに疲れが出て来たのだ。
体中ズキズキと痛むし、俺もポーションを飲んでおこう。
「しっかし、なんで急に毒が強くなったんかなー……」
先ほど戦闘を思い返し、そう独り言ちる俺。
増援がきたのもアレだが、毒が急に強くなったのが崩れた主な原因だ。そのせいでクロを危険な目に遭わせてしまった……。
原因は確かめておいた方が良い。
「……試してみるか」
そう言ってバックパックから矢筒を取り出す。
コボルトの矢もきっちり回収しているので、これを試しに体のどこかに刺して見れば何かしら検証は出来るはずだ。
「いてっ」
手袋を外し、指先にぶすっと鏃を刺すが、やっぱちょっと痛かった。
「ん?」
さっきの毒の症状がくるかと身構えていたが……一向に来る気配が無い。
「あー……解毒ポーションの効果残ってるのか」
さっき飲んだ解毒ポーションであるが、矢の毒を1回無効化してもまだ効果が残っているらしい。
飲んだ瞬間だけ効果を発揮するタイプでは無いって事なので、予め飲んでおくと言う手段が使えると言うことだ。
ありがたいね。
「ぐ……」
何回ぐらい無効化するのかな?と、追加で矢を2回刺した所で毒の症状が出た。
解毒ポーション1本で矢の毒を3回無効に出来ると……てかね。
「今度は始めから症状がキツい……どゆこと」
さっきは途中から毒が強くなったんだけど、今回は何故か最初から強い……一体どういう事かと頭を悩ませていたが、一つだけ思い当たる節があった。
俺は追加で怪我用のポーションを取り出し、飲み干した。
「少し楽になった…………んぐ」
怪我用なので解毒することは出来ないが、毒のダメージを相殺は出来ると言うことか。
そしてポーションの効果が切れた瞬間に、毒本来のダメージが来ると。
なるほどなるほど。
厄介だなあ……知っていたならともかく、知らないとこれが原因でやられてしまう可能性だってある。
こりゃ自衛隊の皆にも話しておかないとだ。
毒とポーションの関係も分かった所で反省タイムだ。
今回は正直今までで一番危なかったと思う。
きっちり振り返っておかないと……。
「反省点は追加の敵に気を取られて矢を食らったこと、最初はそこまできつい毒じゃないと思って、解毒ポーションを飲まなかったこと、かな」
俺の言葉ににゃーと鳴いて反応するクロ。
クロの反省点としては、回避する時に中途半端に飛んだところらしい。
天井まで飛んでしまえば、そこから天井を蹴って次の動きにも繋げられた……との事だ。
「普通のポーションが効いている間はまだ良いけど、切れた途端に一気にキツくなるってのがなあ……。毒の症状が出たら即、解毒ポーションを飲もう。それと今後は怪我用だけじゃなくて、解毒ポーションも事前に飲んでおく……あとは増援の条件は分からないけれど2チーム以上を相手にする時は、常に増援が来ると考えておいた方が良いね」
増援に関しては条件がね……1チームだけ相手にしていた時は一度も増援が来なかったんだよね。戦闘時間とか関係しているのだろうか?
ただこれは考えても良く分からないので、毎回増援の可能性を考えておけば良いだろう。
クロも大体それで良かったらしく、にゃーと小さく鳴くと、立ち上がり、道を進み始める。
「こんなもんかな……よし、反省会終わり!次いくどー!」
回復したし、反省会も終わった。
ガンガン狩り進めるぞー!
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