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「280話」
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「なんつーか、ホラーというかシュールというか……」
ぼすんぼすんと弾む頭と、それを追いかける太郎。そして生首の体。
ぱっと見はホラーと言えなくもないが、太郎が混ざっているせいでコメディにみえなくもない。
「いだだだっ!?」
あ、太郎が生首咥えて走り出した。
生えたばかりだからかな? 生首の体はしるの遅いなー。
てか太郎お腹壊さないといいけど……。
結局回収するまで5分ぐらい掛かった。
俺たちが回収すればすぐなんだけど、なんか太郎楽しそうだったし……いいかなって。
「もう頭抱えておけばいいんじゃね?」
クロに蹴られたことでより座りが悪くなったのか、やたらと乗せるのに苦労してるんだよね。
わきに抱えておけば、蹴られても転がることはないし、デュラハンぽいしいいと思うんだ。
「少しは心配してくれてもいいと思うんだがねえ!?」
そう訴える生首であるが、全員無言である。
いや、太郎だけ『はっはっはっ』と息がうるさいけど……まだ遊び足りないのかな?
まあ、クロも手加減してるので、大事には至らないだろうってのと、やっぱ日頃の行いが大きいと思うのですよ。俺は。
「とりあえず炎上しそうだから、ドヤ顔は止めといてもらえると……」
「むぅ……」
中村にそういわれ、自分の顔を揉む生首。
もしかして無意識やっとったんかいな。
「まあいい、続きを話そうじゃないか」
「いいんだ……」
太郎に咥えられたことなんて気にしてなさそうな生首をみて、遥さんがちょっと驚いたような……引いたような? なんかそんな感じの目で生首をみていた。
この前は怖い目をしていたけれど、生首の実物をみて毒気を抜かれたというかなんというか……まあ、俺の目の前で生首を棒の先端に刺したりとか、そんなことにならなくてよかった。
「アマツのダンジョンとの違いだけど、ここではダンジョン外から装備を持ち込むことはできないよ」
そんな俺の心配をよそに、生首の話は続く。
どうにかドヤ顔はおさえているのでクロに蹴られることはなさそうである。
「これはいくつか理由があるけれど、まずアマツのダンジョンで鍛えた装備を使うとなると、その時点で差が生まれてしまうだろう? 自力で揃えた装備を持ち込んで何が悪いと思うかも知れないが、アマツのダンジョンとここは別物だからね。今やっているゲームに他のゲームから装備を持ち込んだりはしないだろう?」
まあ理由は理解できる。
てか、それよりも気になることがあったんだけど……。
「ん、まった。じゃあ俺たちの装備はどうすりゃいいの? 着たままダンジョン入ってるけど」
思いっきりいつもの装備でいるんですが……。
「そっちで着替えるんだよ」
すっと襖をゆびさして、俺の疑問に答える生首。
この奥になんかあるんかいな。
「廊下……?」
「向かいの部屋で着替えんの?」
襖をあけ、その先にを覗き込む俺と中村。
開いた襖の先には廊下があり、俺たちがいる部屋の向かいにさらに襖がある。
……ちなみに廊下は左右に10mほど進んだあたりで暗くなり、先が見通せない状態だ。
ちょっと怖い。
「そうだよ。そう見えて鍵も掛かるから安心するといいさ」
なるほどねえ。
「ここってダンジョンっていうか、入る前の控室的な感じ?」
「そうさね」
俺の疑問に頷く生首。腋に抱えた状態で頷くとか器用だな。
ふむ、しかし控室ね。
広さ的にあまり大人数は入れないよな……。パーティ毎に用意されてるってことなのだろうか。
知らない人と一緒になるよりは気軽でいいかもね。
このへんちゃんと考えてるんだなあ。生首なのに。
「装備はダンジョン内で入手できるん?」
俺がへんなことに関心していると、中村が生首質問してた。
確かにそれは気になるとこだよね。
「もちろんだとも。敵を倒すと確率でドロップしたり、落ちたものを拾ったり、買う事もできる」
ほほう。
「通貨は拾ったり、ものを売って得るよ」
「かなりゲームよりだなあ」
ドロップがあるとかまじでゲームだなこりゃ。
たぶん剥ぎ取りとか無くなるんじゃないかな……確率でドロップだし、倒すとモンスターが消えて、消えたあとにアイテム残る方式とみた。
それか某狩りゲームみたいにそれっぽく剥ぎ取るとかね。
尻尾切らなきゃ。
「そっちのほうがとっつきやすいだろう?」
まあ確かにそうかも。
「ちなみに一度潜ると特定のアイテムを使用するか、10階層ごとにある町からしかここには戻れないから気を付けて」
おう、まじかー……。
そこはアマツダンジョンよりキツイね。
傷みもないし、ゲームよりになってるってことは、普通に死ねる難易度の敵物ぶっこんでくるかもだし。
結構慎重に進まないと全滅してアイテム……ロストするのかな? ロストするの結構きっついよな。せめて所持金が半額になるとかならいいんだけど。
「入手したアイテムは専用の袋を用意したからそこにいれるといい。容量というよりかは、入る個数が決まっているのがアマツのダンジョンとの違いかねえ。ああ、そうそう。死亡判定になったら、装備しているもの含めて、全アイテムがその場にぶちまけられるよ。味方が回収できればロストはしないけど……回収できなかったら、時間経過で消えるよ」
するんかいっ。
これ、いい装備とか持ってロストしたらまじで泣ける。
……ゲームとして考えれば、それぐらいで良いのかもだけどさあ。
「あとは、アマツのダンジョンとの最大の違いとしてはだね」
「まだあんのか」
「大分変えてきてるなあ」
「なんだろうねー」
今出ている部分だけでも結構違うけど、このうえ何があるのやら。
俺たちの視線が生首にあつまると、ついにこらえきれなくなったのか生首はドヤ顔で語り始める。
「なんと入るごとにダンジョンの構造が変わるんだよ!」
えへん! と胸をはる生首の体……うーん、実際にみるとなかなかシュールな光景だ。
てか、てかね。
なんか結構とんでもない内容を言いやがった気がするんですよ。この生首。
「……どっかでみたことあるような」
「大丈夫? それ怒られない?」
「私、そのゲームやったことある」
著作権とか大丈夫なのかな!?
怒られるのは生首だからいいけどさっ。
とりあえず俺たちはダンジョンの仕様の決定には一切関わってない事を動画でアピールしておこう。
ぼすんぼすんと弾む頭と、それを追いかける太郎。そして生首の体。
ぱっと見はホラーと言えなくもないが、太郎が混ざっているせいでコメディにみえなくもない。
「いだだだっ!?」
あ、太郎が生首咥えて走り出した。
生えたばかりだからかな? 生首の体はしるの遅いなー。
てか太郎お腹壊さないといいけど……。
結局回収するまで5分ぐらい掛かった。
俺たちが回収すればすぐなんだけど、なんか太郎楽しそうだったし……いいかなって。
「もう頭抱えておけばいいんじゃね?」
クロに蹴られたことでより座りが悪くなったのか、やたらと乗せるのに苦労してるんだよね。
わきに抱えておけば、蹴られても転がることはないし、デュラハンぽいしいいと思うんだ。
「少しは心配してくれてもいいと思うんだがねえ!?」
そう訴える生首であるが、全員無言である。
いや、太郎だけ『はっはっはっ』と息がうるさいけど……まだ遊び足りないのかな?
まあ、クロも手加減してるので、大事には至らないだろうってのと、やっぱ日頃の行いが大きいと思うのですよ。俺は。
「とりあえず炎上しそうだから、ドヤ顔は止めといてもらえると……」
「むぅ……」
中村にそういわれ、自分の顔を揉む生首。
もしかして無意識やっとったんかいな。
「まあいい、続きを話そうじゃないか」
「いいんだ……」
太郎に咥えられたことなんて気にしてなさそうな生首をみて、遥さんがちょっと驚いたような……引いたような? なんかそんな感じの目で生首をみていた。
この前は怖い目をしていたけれど、生首の実物をみて毒気を抜かれたというかなんというか……まあ、俺の目の前で生首を棒の先端に刺したりとか、そんなことにならなくてよかった。
「アマツのダンジョンとの違いだけど、ここではダンジョン外から装備を持ち込むことはできないよ」
そんな俺の心配をよそに、生首の話は続く。
どうにかドヤ顔はおさえているのでクロに蹴られることはなさそうである。
「これはいくつか理由があるけれど、まずアマツのダンジョンで鍛えた装備を使うとなると、その時点で差が生まれてしまうだろう? 自力で揃えた装備を持ち込んで何が悪いと思うかも知れないが、アマツのダンジョンとここは別物だからね。今やっているゲームに他のゲームから装備を持ち込んだりはしないだろう?」
まあ理由は理解できる。
てか、それよりも気になることがあったんだけど……。
「ん、まった。じゃあ俺たちの装備はどうすりゃいいの? 着たままダンジョン入ってるけど」
思いっきりいつもの装備でいるんですが……。
「そっちで着替えるんだよ」
すっと襖をゆびさして、俺の疑問に答える生首。
この奥になんかあるんかいな。
「廊下……?」
「向かいの部屋で着替えんの?」
襖をあけ、その先にを覗き込む俺と中村。
開いた襖の先には廊下があり、俺たちがいる部屋の向かいにさらに襖がある。
……ちなみに廊下は左右に10mほど進んだあたりで暗くなり、先が見通せない状態だ。
ちょっと怖い。
「そうだよ。そう見えて鍵も掛かるから安心するといいさ」
なるほどねえ。
「ここってダンジョンっていうか、入る前の控室的な感じ?」
「そうさね」
俺の疑問に頷く生首。腋に抱えた状態で頷くとか器用だな。
ふむ、しかし控室ね。
広さ的にあまり大人数は入れないよな……。パーティ毎に用意されてるってことなのだろうか。
知らない人と一緒になるよりは気軽でいいかもね。
このへんちゃんと考えてるんだなあ。生首なのに。
「装備はダンジョン内で入手できるん?」
俺がへんなことに関心していると、中村が生首質問してた。
確かにそれは気になるとこだよね。
「もちろんだとも。敵を倒すと確率でドロップしたり、落ちたものを拾ったり、買う事もできる」
ほほう。
「通貨は拾ったり、ものを売って得るよ」
「かなりゲームよりだなあ」
ドロップがあるとかまじでゲームだなこりゃ。
たぶん剥ぎ取りとか無くなるんじゃないかな……確率でドロップだし、倒すとモンスターが消えて、消えたあとにアイテム残る方式とみた。
それか某狩りゲームみたいにそれっぽく剥ぎ取るとかね。
尻尾切らなきゃ。
「そっちのほうがとっつきやすいだろう?」
まあ確かにそうかも。
「ちなみに一度潜ると特定のアイテムを使用するか、10階層ごとにある町からしかここには戻れないから気を付けて」
おう、まじかー……。
そこはアマツダンジョンよりキツイね。
傷みもないし、ゲームよりになってるってことは、普通に死ねる難易度の敵物ぶっこんでくるかもだし。
結構慎重に進まないと全滅してアイテム……ロストするのかな? ロストするの結構きっついよな。せめて所持金が半額になるとかならいいんだけど。
「入手したアイテムは専用の袋を用意したからそこにいれるといい。容量というよりかは、入る個数が決まっているのがアマツのダンジョンとの違いかねえ。ああ、そうそう。死亡判定になったら、装備しているもの含めて、全アイテムがその場にぶちまけられるよ。味方が回収できればロストはしないけど……回収できなかったら、時間経過で消えるよ」
するんかいっ。
これ、いい装備とか持ってロストしたらまじで泣ける。
……ゲームとして考えれば、それぐらいで良いのかもだけどさあ。
「あとは、アマツのダンジョンとの最大の違いとしてはだね」
「まだあんのか」
「大分変えてきてるなあ」
「なんだろうねー」
今出ている部分だけでも結構違うけど、このうえ何があるのやら。
俺たちの視線が生首にあつまると、ついにこらえきれなくなったのか生首はドヤ顔で語り始める。
「なんと入るごとにダンジョンの構造が変わるんだよ!」
えへん! と胸をはる生首の体……うーん、実際にみるとなかなかシュールな光景だ。
てか、てかね。
なんか結構とんでもない内容を言いやがった気がするんですよ。この生首。
「……どっかでみたことあるような」
「大丈夫? それ怒られない?」
「私、そのゲームやったことある」
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怒られるのは生首だからいいけどさっ。
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