誰でも職業をもらえる世界で無職と言われた俺は「職業合成師」の力に覚醒する ~剣聖奴隷や王女メイドの最強ハーレムパーティーを作る~

今川幸乃

文字の大きさ
34 / 61
秀才学生フィリア

ダンジョンへ

しおりを挟む
 翌日、俺たちは宿の食堂で集合し、ダンジョンへ向かう。
 そもそも最初はスライムのせいで早めに引き返し、前回は突如ドラゴンとの戦いとなってしまったため、ダンジョンの攻略自体はあまり進んでいない。

 俺たちの実力だとどのくらいまでいけるかもよく分からないまま今回はフィリアという同行者もいる。
 魔術学園は有名ではあるが、実際どの程度の実力があるのかは不明だ。それにフィリアはどちらかというと、実技より座学が得意なタイプだという。いくら勉強が出来ても実際の戦いが出来るかは別問題だと思ったが……

「フィリアさん、先ほどからずっとご主人様をずっと見つめていますが、色目を使うのはやめてくださいね?」
「いや、私はあくまで自分の任務のために観察しているだけなんだけど」
「そんなじーっと見ていても分かるものではありません! それにさっきから距離が近いです!」
「近くにいた方が魔力の流れとか分かるかもしれないわ」

 さっきからリンとフィリアはずっとこんな感じだった。
 純粋に人数が増えれば戦力が上がると言う訳にはいかないようだ。
 ティアは少し離れたところから二人のやりとりを苦笑いで見守っている。

 するとフィリアは何かに気づいたように言う。

「大体、さっきからそうやって突っかかってくるけどあなたはアレンさんのことが好きなの?」
「す、すすすすす好きだなんて!」

 突然リンが顔を真っ赤にする。
 てっきり「何を適当なことを言うのですか?」などと斬って捨てるのかと思っていたが、意外なほどにリンは狼狽していて俺も驚く。

「わ、私とご主人様は好きとかそういう俗な関係ではなく、人生の恩人というか、私が全てを捧げてお仕えしている関係というか、もちろんご主人様がその気であればそういう関係になることもやぶさかでは……」

 後半はどんどん声が小さくなっていき、俺には聞き取れなくなる。
 すると、フィリアはにやりと笑って俺に身を寄せてくる。

「ふ~ん。でも全てを捧げたのならご主人様が誰と結ばれても祝福すべきだよね?」
「そ、それは……ご主人様はあなたのような方は認めません! そうですよね?」

 他人事のように会話を聞いていたら、急にリンから同意を求められる。
 俺は一言も言ってないのに勝手に話を進められても困るんだが。

「いや、認めるも認めないも、フィリアは俺の力を調べにきて帰るだけだろ? というか今はダンジョンを探索しているということを覚えておいてほしいんだが」
「すみません……」

 正論だと思ったのか、リンはうなだれる。
 それを見て俺はため息をついた。

「全く、まだ第二層だからいいものの……」

 今の会話をしながらもリンや俺は襲ってきた雑魚魔物を数体返り討ちにしている。恐らくフィリアはそれも含めて観察しているようだが、今のところ何か分かった様子はない。

「でも、ティアさんもフィリアさんはご主人様に距離が近いと思いますよね?」

 苦戦していると思ったリンは今度はティアに助けを求める。

「そうですね、これから下の階層に降りていけばもっと敵が強くなります。その時にあまり近くにいればアレン様の動きの妨げになってしまいますよ」
「はい……」

 リンと違ってティアは合理的に説得するのでさすがのフィリアも折れざるをえない。

「ところであなたはなぜ彼のメイドをしているの? 魔術師なら魔術師として独立した上で一緒に冒険すればいいのに」
「色々あって私はアレン様をお仕えするにふさわしい方だと思っているのでお仕えしているだけです。それに、他の方とパーティーを組むことは想定していないので、魔術師としての力が目覚めてもメイドとしてお仕えし続けているのです」
「ふーん」

 ティアは核心をぼかしてはいるものの、正直に答える。フィリアは納得したようなしていないような微妙な返事をした。

 そんなことを話しつつ、俺たちはこの間踏破した第四層を無事踏破する。そして未知の五層に足を踏み入れた。
 そこは軽く地面がぬかるんでおり、沼地のようになっている。普通に歩いていると思わず滑ってしまいそうになる。

「スリップ・ガード」

 フィリアが呪文を唱えると、俺たちは普通に歩けるようになった。
 確かに派手さはないが、便利な魔法だ。

「ありがとうフィリア」
「任せて。私も伊達にたくさん魔法を覚えている訳じゃないから」

 これまで俺とリンでおおむね片付いてしまっていて出る幕がなかったせいか、フィリアは少し誇らしげにする。

 すると、俺たちの前から現れたのは二足歩行するトカゲ、いわゆるリザードマンと呼ばれる魔物だった。
 彼らは手に手に武器を持ち、中には倒した冒険者の骨らしきものを首から下げている物騒なやつもいる。

「よし、今回は初めての相手だし、気を引き締めていくぞ!」
「はい!」
「ファイアボルト!」

 俺たちが斬りかかると同時にフィリアが炎魔法を放つ。武器を振り上げたリザードマンたちは出鼻を挫かれる。
 俺とリンは先頭のリザードマンと斬り合いになるが、強化値が上がった剣豪のリンと、職業が増えてさらに強くなった俺の敵ではない。

「やあっ」

 俺が剣を振るうとリザードマンも剣を振って応戦するが、俺の剣は相手の剣を叩き折り、そのままリザードマンの胴体を真っ二つにする。

 一方のリンは五体以上のリザードマンの攻撃を曲芸のようにかわしながら的確に奴らの心臓を突いて殺していく。
 本来は沼地に足をとられて思うように動けないところを数の差で圧倒されてしまうのだろうが、実力差とフィリアのアシストのおかげでそうもならなかった。

 後方にいた相手のボスらしきリザードマンもこのままではまずいと思ったのだろう、杖のようなものを振るって何かを唱える。
 すると沼地がまるで意志を持っているかのようにうねって俺たちの足に絡みつきそうになるが、

「プロテクション!」

 すぐにティアが防御魔法を唱える。

 沼地はまるで触手のように俺たちの足をからめとろうとしたが、魔法で阻止されてしまう。

 そうなればもはや怖いものはない。

「えいっ」

 雑魚リザードマンの間を縫ってリンがボスに挑みかかる。ボスはどうにかリンの一撃目を回避したが、二撃目を胸に受けて呆気なく倒れる。

「安心しろ、お前たちもすぐに同じところに送ってやる」

 それを見て右往左往する雑魚リザードマンを斬っていくのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

処理中です...