誰でも職業をもらえる世界で無職と言われた俺は「職業合成師」の力に覚醒する ~剣聖奴隷や王女メイドの最強ハーレムパーティーを作る~

今川幸乃

文字の大きさ
54 / 61
因縁の再会と決着

改造魔物の力

しおりを挟む
 翌朝、俺たちはギルドの外に集まる。
 トロール使いの兵士はリオナと、彼女が連れてきた魔物軍団を見て目を丸くした。

「もうこんなにたくさん用意出来るなんて公爵はすごいな」
「数日は私が彼らを指揮するけど、それで問題がなければ彼らはあなたに返すわ」
「本当か!?」

 彼は目を輝かせる。この魔物たちを指揮すればダンジョンの踏破も夢ではないと思ったのだろう。
 俺たちはそれを微妙な表情で眺めるしかない。

「彼らは見学のためについてくるみたいだけど気にしないで」
「あ、ああ」

 ちなみに魔物の働きを見学したいという者は俺たち以外にも十人ほどいた。俺たちは兵士の転移石で一斉に二十一層まで降りる。

 二十一層にはこれまでの階層で出てきたのよりも一回りも二回りも大きなオーガやオークが棲息していた。
 体長が三メートル以上あり、体の表面は薄い魔力の膜のようなものに覆われており、魔法耐性もある。
 そして俺たちを見るなりオークは刃だけで一メートルほどもある斧を振りかぶって襲い掛かり、オーガは攻撃魔法を放ってくる。

 が、リオナは特に慌てる様子もない。
 すぐにこちら側のトロールとオーガがそれぞれの武器を振るうと、敵の魔法を武器で消し去った。

 このような芸当は一握りの戦士か、もしくは高価な魔法強化が施された武器を持つ者しか出来ないが、こいつらは武器も一級品を持っている。
 続いて、向かってくるオークに向かってバジリスクが魔法を放つ。
 オークは魔法を体に受けてダメージを受けるが、体力も多いためそのままこちらに向かってくる。
 そしてたちまち乱戦となった。

 が、すぐにトロールやオーガの武器によりオークの斧が壊れる。
 いくら強くなったとは言っても、オークの斧はただの大きくて少し丈夫な斧でしかなかった。武器を壊されたオークはなすすべもなく倒されていく。
 続いて敵のオーガが棍棒や剣を振り回して襲い掛かってくる。

 すると今度はリザードマンが俊敏な動きで敵の背後に回り、挟み撃ちの態勢をとる。トロールやオーガは完璧な連携をとり、バジリスクは的確に味方の隙間から攻撃魔法を放つ。
 その様子はまるで熟練のパーティーのようだった。
 ダンジョンに出る魔物はせいぜい前衛と後衛が別れるぐらいの知能しかないが、こちらは完璧に連携していた。

 それを見て俺たちだけでなく野次馬からも驚きの声が上がる。
 気が付くと、十体以上いた敵の群れは全滅していた。

 一方、こちらの魔物には傷らしい傷はないし、主戦力であるリオナは何もしていない。そして特に何事もなかったかのように次へと進んでいく。
 そこから先は一方的な殺戮が続いた。
 強化されたスライムや強化されたアンデッド、バジリスクなど強力な魔物が次から次へと出現したが、改造魔物軍団はそれらを完璧な連携で倒していく。

 時折ダメージを受けることはあったが、すぐにリオナが回復魔法で治癒してしまう。「聖剣士」はあくまで剣士がメインのはずであったが、職業を大量に持っているせいか、リオナの回復魔法は本職の魔術師に勝るとも劣らない。
 基本的にそれぞれの職業には得意不得意がある、という常識はこいつらの前ではもはや通じなくなっていた。

 そして俺たちはいよいよ二十五層へとやってくる。
 そこにはレッサードラゴンたちが棲息していた。しかもボス部屋ではなく普通のエリアにである。
 さすがの魔物軍団も苦戦するかと思いきや、リオナの防御魔法でブレスを防ぐと、残った魔物たちは降りてきたレッサードラゴンと肉弾戦を始めて倒してしまう。

 全く苦戦の様子がなかったが、一度だけ魔物たちが全員戦っている最中に新手のドラゴンが現れたことがあった。
 ドラゴンは後ろにいるリオナを魔術師とでも思ったのか、まっすぐに襲い掛かる。
 するとリオナは今日初めて剣を抜いた。魔物たちの武器も皆特注品であったが、リオナの剣はもっとも高価な金属と言われるミスリル製であった。

「せいっ」

 彼女が剣を一閃すると、襲い掛かって来たドラゴンの鉤爪は、手首ごと斬り落とされる。それを見てさすがのドラゴンも一瞬呆然とした。当然リオナはその隙を逃さず斬りかかる。ドラゴンは反撃しようとするが、牙も翼もリオナを傷つける前にリオナの剣で斬り落とされていく。
 気が付くとドラゴンの鱗はリオナの剣戟で穴だらけになり、やがて胸の辺りを一突きにされて力尽きた。

 そのころには魔物軍団も目の前のドラゴンを倒し終える。
 確かに魔物軍団も強かったが、リオナ本人も強い上に魔法も使いこなす万能の存在だった。
 それを見て俺たちは目を見合わせる。
 この軍団に手向かうのはさすがに無理だ、と誰もが思っていた。

「じゃあ最後に一度小休止してからボスを倒して、二十六層の転移石をもらって帰ろう」

 リオナはボスを倒すことなど確定事項かのようにそう言い、俺たちも頷くしかなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界で目が覚めたら目の前で俺が死んでました。この世界でオリジナルの俺はとっくに死んでたみたいです

青山喜太
ファンタジー
主人公桜間トオル17歳は家族との旅行中、車の中ではなく突然なんの脈絡もなく遺跡の中で目が覚めてしまう。 混乱する桜間トオルの目の前にいたのは自分と瓜二つ、服装さえ一緒のもう一人の桜間トオルだった。 もう一人の桜間トオルは全身から出血し血を吐きながら、乞う。 「父さんと、母さん……妹をアカリを頼む……!!」 思わず、頷いた桜間トオルはもう一人の自分の最後を看取った。 その時、見知らぬ声が響く。 「私のことがわかるか? 13人の桜間トオル?」 これはただの高校生である桜間トオルが英雄たちとの戦争に巻き込まれていく物語

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

処理中です...