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エピローグ
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その後、アルバートとセラフィナは仮病を使った報いを受けたのか、本当に体調を崩してしまいました。言葉の力というものは本当にあるのかもしれません。それともクラス全員から白い目で見られたのが精神的に堪えたのでしょうか。二人ともどちらかというと図太い性格だと思っていましたが。
そして今度こそ仮病ではなく本当の病気で学園を休みがちになっていったのでした。
一度婚約者としての義務で「お見舞いに行った方がいいでしょうか?」と尋ねてみたところ、彼の家の人に丁重に辞退されてしまいました。おそらくアルバートの方もあんなことがあったので私の顔を見たくないのでしょう。
それから約一か月後のことでした。
ある日学園から帰ってくると、私は父上に呼ばれます。
そして父上と向かい合わせに座りました。
「何でしょうか?」
「お前も気になっていると思うが、婚約者の件だ」
「ああ」
そう言われて納得します。
私から話した訳ではないですが、父上もアルバートに何があったか薄々知っているのでしょう、淡々と話していました。
すでに私のアルバートへの気持ちもすっかり冷めてしまっていましたが、婚約者である以上結婚しなければならないのかと密かに心配していたのです。
「知っての通り、婚約者のアルバートは最近すっかり塞ぎこんでしまっている。学園に通うことも出来ぬ者が跡を継げるはずもないから、彼との婚約は取り消させてもらうことにした」
「分かりました」
「そしてアルバートとの婚約を破棄した以上、新しい婚約者を決めなければならないと思ってな。今度こそうまくいくといいのだが」
そう言って父上は少し不安そうな表情になりました。
私も婚約解消については何も思いませんでしたが、新しい婚約者と聞くと急に婚約してきます。今度はうまくやっていける相手だといいのですが。
「実は今日すでに呼んでいるんだ。入ってくれ」
父上が言うと、ドアが開きます。そこに立っていたのはマクシミリアンでした。
あの事件以来、アルバートと関わることがなくなった代わりという訳でもないですが、マクシミリアンと話すことが増えていましたが、まさか婚約者になるとは思ってもいませんでした。
「嘘……」
「マクシミリアン・レヴィンズです。よろしくお願いします……と言っても今更こんなかしこまる間柄でもないが」
そう言って彼は苦笑します。まさか知り合いがいきなり婚約者になるだなんて。私はどう反応していいか分からずに困ってしまいました。
「マクシミリアンは家格も申し分ないし、真面目に成績も優秀だと聞く。今度こそいい婚約者となってくれるだろう」
「はい、不束者ながら努力いたします」
そう言ってマクシミリアンは父上に向かって頭を下げます。
私は思わず本人に尋ねてしまいます。
「マクシミリアン……このことを知っていたのですか!?」
私が尋ねると、彼は苦笑しました。
「いや、僕も聞いたのは昨日のことだ。驚いたよ、確かにソフィアはアルバートがあんな感じだから婚約はどうなるんだろうと心配していたけど、まさか僕がなるなんて」
「そう、だから今日は何となく挙動不審だったんだ」
私は今日のマクシミリアンの様子を思い出します。
今日の彼は私に対してなぜかやたら目を合わせなかったが、そんな事情があったとは。
とはいえ、彼のような相手が婚約者でどこかほっとしている自分がいました。
彼は生真面目な性格なのでもしかしたら衝突することもあるかもしれませんが、自分が正しいと思うことを続けている限りは、うまくいかなくなることはないでしょう。
「とはいえ相手がソフィアで良かった」
「はい、私も見ず知らずの他人ではなくマクシミリアンが相手で良かったです。これからもよろしくお願いします」
「ソフィア、こちらこそよろしく」
こうして私たちは新しい関係性で学園生活を再開するのでした。
そして今度こそ仮病ではなく本当の病気で学園を休みがちになっていったのでした。
一度婚約者としての義務で「お見舞いに行った方がいいでしょうか?」と尋ねてみたところ、彼の家の人に丁重に辞退されてしまいました。おそらくアルバートの方もあんなことがあったので私の顔を見たくないのでしょう。
それから約一か月後のことでした。
ある日学園から帰ってくると、私は父上に呼ばれます。
そして父上と向かい合わせに座りました。
「何でしょうか?」
「お前も気になっていると思うが、婚約者の件だ」
「ああ」
そう言われて納得します。
私から話した訳ではないですが、父上もアルバートに何があったか薄々知っているのでしょう、淡々と話していました。
すでに私のアルバートへの気持ちもすっかり冷めてしまっていましたが、婚約者である以上結婚しなければならないのかと密かに心配していたのです。
「知っての通り、婚約者のアルバートは最近すっかり塞ぎこんでしまっている。学園に通うことも出来ぬ者が跡を継げるはずもないから、彼との婚約は取り消させてもらうことにした」
「分かりました」
「そしてアルバートとの婚約を破棄した以上、新しい婚約者を決めなければならないと思ってな。今度こそうまくいくといいのだが」
そう言って父上は少し不安そうな表情になりました。
私も婚約解消については何も思いませんでしたが、新しい婚約者と聞くと急に婚約してきます。今度はうまくやっていける相手だといいのですが。
「実は今日すでに呼んでいるんだ。入ってくれ」
父上が言うと、ドアが開きます。そこに立っていたのはマクシミリアンでした。
あの事件以来、アルバートと関わることがなくなった代わりという訳でもないですが、マクシミリアンと話すことが増えていましたが、まさか婚約者になるとは思ってもいませんでした。
「嘘……」
「マクシミリアン・レヴィンズです。よろしくお願いします……と言っても今更こんなかしこまる間柄でもないが」
そう言って彼は苦笑します。まさか知り合いがいきなり婚約者になるだなんて。私はどう反応していいか分からずに困ってしまいました。
「マクシミリアンは家格も申し分ないし、真面目に成績も優秀だと聞く。今度こそいい婚約者となってくれるだろう」
「はい、不束者ながら努力いたします」
そう言ってマクシミリアンは父上に向かって頭を下げます。
私は思わず本人に尋ねてしまいます。
「マクシミリアン……このことを知っていたのですか!?」
私が尋ねると、彼は苦笑しました。
「いや、僕も聞いたのは昨日のことだ。驚いたよ、確かにソフィアはアルバートがあんな感じだから婚約はどうなるんだろうと心配していたけど、まさか僕がなるなんて」
「そう、だから今日は何となく挙動不審だったんだ」
私は今日のマクシミリアンの様子を思い出します。
今日の彼は私に対してなぜかやたら目を合わせなかったが、そんな事情があったとは。
とはいえ、彼のような相手が婚約者でどこかほっとしている自分がいました。
彼は生真面目な性格なのでもしかしたら衝突することもあるかもしれませんが、自分が正しいと思うことを続けている限りは、うまくいかなくなることはないでしょう。
「とはいえ相手がソフィアで良かった」
「はい、私も見ず知らずの他人ではなくマクシミリアンが相手で良かったです。これからもよろしくお願いします」
「ソフィア、こちらこそよろしく」
こうして私たちは新しい関係性で学園生活を再開するのでした。
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