上 下
5 / 6

異世界の女神さま

しおりを挟む
「さてさて、転生者たちはどうしているでしょうか? えっと、ダンジョンに残っているのが32名、ダンジョンを出ているのが67名、ダンジョンと外を行き来しているのが1名ですか。放置されているダンジョンが53ヶ所、コアが破壊されたダンジョンは14ヶ所ですか。どれも転生者たちが破壊していますね。ボーナスど…んん。ポ、ポイントはダンジョンの拡張に使われていますね」

 特に砂漠の城。草原の塔。森の地下ダンジョン。山の坑道ダンジョンが目立っていた。砂漠や草原の転生者はダンジョンコアを4個、森と山は2個破壊していた。残り2個は海に近いダンジョンと森のダンジョンが1個ずつ破壊している。

「あの転生者のおかげでダンジョンは周知されているようですね。これで人類が成長して私の仕事が増えていけば、昇格も間違いなし! でも、そうなると、やっぱり、相手が、必要ですよね。でもでも、高望みをしているわけじゃないけど、私を一途に愛してくれる人がいいな。ランキング、ちゃんと参加してくれる人、いるのかな」

 オークの商人によって世界はダンジョンを知り、冒険者ギルドは高ランクの冒険者たちにダンジョンの捜索を命じていた。ダンジョンには特徴があり、入り口と思われる場所に入ってから外に出ると入った者だけにみえるクリスタルが現れる。

 オークからダンジョンの入り口にはクリスタルがあると聞いていたが、一度入らなければクリスタルが見えない仕様になっていることから城や塔など目立つダンジョン以外の捜索は難航していたが、ゴブリン退治の依頼を受けていた冒険者たちが巣穴と勘違いした先でコアを発見し、外に出たところでクリスタルが見えるようになったことで、ダンジョンは一度入らなければクリスタルを見つけられないが分かった。

 そこからはコアだけのダンジョン、ある程度モンスターや宝箱が配置されているダンジョン、死者が出るほどの凶悪なダンジョンが発見されていった。

 ギルドからコアは破壊しないよう通達が行われたいたが、コアだけのダンジョンは例外とされた。成長しない、資源を得られないダンジョンはモンスターの住処になりやすいこともあり、コアを破壊して入り口を消すことになっていた。

 死亡率の低いダンジョンは若い冒険者に人気となり、日に日にダンジョンは大きくなっていた。主も宝箱を設置したり、先に進むにつれ脅威度は上がっていくものの、その分手に入る宝はより良くしていた。

 元々脅威度の高いダンジョンは人気はなかったものの高ランクの冒険者たちは熱心に探索を続けていた。自身のレベルアップにもなり、倒すモンスターは高ランクなことから手に入る素材やたまに見つかる宝箱からは国宝級と呼んでもおかしくないほどの性能がある武具やアイテムが手に入ったためである。

 他国でもダンジョンのうわさは広がり、様々な場所でダンジョンが発見されていった。コアだけのダンジョンは破壊されていき、破壊した者たちは英雄と呼ばれるようになっていく。

「あれから1ヶ月。88名が捨てて、2名は命を落としてしまいましたか。意外に生き残ったというべきでしょうか? 力は与えたわけですし、2名も命を落としてしまったことは残念というべきですね。それにしても、10名の方がランキングに登録できるわけですか。い、意外に私を欲しておられる方は多いのですね。ま、まだ1ヶ月しか経っていないわけですし、まだ相手が見つかっていないだけかもしれないですけど…うれしいな」

 ランキング。
1 天バイヤー【奴隷の主】
2 田中【草原の塔】
3 サトウ【山の坑道ダンジョン】
4 あああああああああ【森の地下ダンジョン】
5 童帝【砂漠の城】
6 小五ロリ【海辺の触手ダンジョン】
7 眠りの太郎【森の罠ダンジョン】
8 ニート侍【草原の初心者向けダンジョン】
9 男の娘大好き【砂漠の着せ替えダンジョン】
10 ゴブリンマスター【森のゴブリンダンジョン】

「…出来ることなら、まともな方が残りますように。あ、そうだわ。1年後までランキングに参加した方に特典を与えましょう。1年も捨てずにいたのなら、ランキングに参加する意思があるということよね。それから1年毎に1位だけ特典を与えることを伝えて、さらなる発展を期待しましょう!」

 1年後、ランキングに残ったのは5名。10年間、守り抜いたのは…。
しおりを挟む

処理中です...