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3. 迎えの馬車
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「お願いします!主人に、連れて来てと言われております。もしご都合が悪ければ、よろしい日時に後日お迎えに上がりますから!!」
朝の、助けた御者にそう懇願されたナターシャは、困り果てていた。
☆★
宿屋の受付から、言づけを聞いてすぐ、どういう事かしらと三人で話し合う。
本当は昼食を食べて商人組合に行こうとしていたのだが、〝迎え〟が来ると言われた。無視をしていいかが分からなかった為、仕方がないから〝迎え〟が来たら聞いてみる事にしたのだ。
すると、〝迎え〟は先ほど助けた馬車が宿屋の前に停まり、これまた先ほど助けた御者が来たのだ。そして、
「先ほどは、本当にありがとうございました。さぁ、乗って下さい。」
と、当然のように言われたからナターシャは、
「すみません。どういう事でしょうか。購入の話でしょうか。」
と聞いた。
すると、御者が言うには、主人が改めてお礼がしたいと言うので、屋敷へ招待すると言われたのだ。
なぜ宿屋が分かったかというのは、ナターシャがこの王都に暫く滞在すると言っていた為に高級宿屋を、順番にあたらせたのだとか。異国風の若い女性が二人と、男性が一人の宿泊客を探したらしい。
この国は肌が褐色の人が多く、ナターシャ達は少しだけ肌が薄い為にそのように探したのだろう。本当に探してくれるとも思わず、名前も告げずに立ち去ったから。
「先ほども言いましたが、お礼はハンカチを使っていただく事でと申し上げました。購入の話でなければ、伺う理由がございません。」
そうナターシャが言うと、御者は冒頭の言葉を発したのだった。
「ナターシャ、仕方ないから屋敷へ行こうぜ。もしかして〝お礼〟が購入してくれる事かもしれない。この御者も、主人に言われたからと命令を聞いているだけで、俺達が行かなかったら鞭打ちの刑にされるかもしれないぜ?」
エドは、御者の必死なお願いにそう助け船を出した。
自分も、侯爵家に雇われている者として、侯爵家の人間に命令されたら断れないし、他所の屋敷で命令に背いた使用人が鞭打ちの罰を与えられたという話を聞いた事があったからだ。もちろん、ナターシャの家はそんな事はないし、断るような無茶な命令はされない。
今回の、〝ナターシャに付いて隣国へ行く〟というのも、領主に行かないかと聞かれ、面白そうだと思ったから承諾したのは秘密にしている。
「え!?そ、それはダメよね…仕方ないわ。こんな格好でいいのかしら?着替えた方がいい?」
「そうですね。もう少し華やかな服に着替えてきましょうか。今は動き易さを重視した服ですから。」
「じゃあ俺はここで待ってるよ。って、俺達も行っていいよな?」
「それはもう!ありがとうございます!!」
御者は、エドが言った言葉により、ナターシャが来てくれる事になったのでエドは神様のようだと思いながらお礼を言った。
もちろん、ナターシャ達が断ったとしても御者が鞭打たれる事はなく、きっと毎日押しかけるだけだろうと思っていたが、そこは敢えて否定はしないでおいた。
☆★
「ねぇ…ここはお城?」
ナターシャは、馬車が止まり御者が扉を開けてくれ、外に出るとその景色を見て早々に言った。
そこは、見渡す限りの緑。
門を入ってすぐ、木々や小さな色とりどりの花が種類毎に広い庭に分けられて植えられているので、丁寧に庭師が世話しているのだろうと一目で分かった。
その、真ん中には舗装された道が緩いカーブを描きなから遥か彼方へと続いている。遠くに、ここから見ても大きな、高くそびえ立つような塔が何本もあるお城が見えた。
「はい。少し前までは、王宮の離れとして使われていたそうです。今は、我が主であるアレクサンダー公爵家が使っておいでです。」
「え!?」
「!?」
「公爵家!?」
アレクサンダー公爵と御者から聞き、さすがにナターシャ達は驚いた。
このアレクシナツニーシ国に来る前に、家庭教師から近隣の勉強は教えてもらっていたが、さすがに少し復習をしてきたのだ。
この国は、アレクシナツニーシ国。
国王陛下はドラガン=アレクシナツニーシ様、四十八歳。正式な子供は一人で、王子の名前はラドヴァン=アレクシナツニーシ。二十五歳だが未だ未婚だったはずだ。
ドラガン国王の妹君が嫁がれた先が、アレクサンダー公爵家だ。まさか、今朝助けた馬車は、その妹君の馬車だったのか!とナターシャは驚いたのだ。
装飾は細かな所まであったけれど派手派手しさはかなり抑えられた馬車だったので、貴婦人ではあると思ってはいたが、まさかそこまで高貴な方だったとは、と。
「ささ、お早く。お待ちかねです。」
急かされ、呆けていた三人は慌てて屋敷へと向かった。
朝の、助けた御者にそう懇願されたナターシャは、困り果てていた。
☆★
宿屋の受付から、言づけを聞いてすぐ、どういう事かしらと三人で話し合う。
本当は昼食を食べて商人組合に行こうとしていたのだが、〝迎え〟が来ると言われた。無視をしていいかが分からなかった為、仕方がないから〝迎え〟が来たら聞いてみる事にしたのだ。
すると、〝迎え〟は先ほど助けた馬車が宿屋の前に停まり、これまた先ほど助けた御者が来たのだ。そして、
「先ほどは、本当にありがとうございました。さぁ、乗って下さい。」
と、当然のように言われたからナターシャは、
「すみません。どういう事でしょうか。購入の話でしょうか。」
と聞いた。
すると、御者が言うには、主人が改めてお礼がしたいと言うので、屋敷へ招待すると言われたのだ。
なぜ宿屋が分かったかというのは、ナターシャがこの王都に暫く滞在すると言っていた為に高級宿屋を、順番にあたらせたのだとか。異国風の若い女性が二人と、男性が一人の宿泊客を探したらしい。
この国は肌が褐色の人が多く、ナターシャ達は少しだけ肌が薄い為にそのように探したのだろう。本当に探してくれるとも思わず、名前も告げずに立ち去ったから。
「先ほども言いましたが、お礼はハンカチを使っていただく事でと申し上げました。購入の話でなければ、伺う理由がございません。」
そうナターシャが言うと、御者は冒頭の言葉を発したのだった。
「ナターシャ、仕方ないから屋敷へ行こうぜ。もしかして〝お礼〟が購入してくれる事かもしれない。この御者も、主人に言われたからと命令を聞いているだけで、俺達が行かなかったら鞭打ちの刑にされるかもしれないぜ?」
エドは、御者の必死なお願いにそう助け船を出した。
自分も、侯爵家に雇われている者として、侯爵家の人間に命令されたら断れないし、他所の屋敷で命令に背いた使用人が鞭打ちの罰を与えられたという話を聞いた事があったからだ。もちろん、ナターシャの家はそんな事はないし、断るような無茶な命令はされない。
今回の、〝ナターシャに付いて隣国へ行く〟というのも、領主に行かないかと聞かれ、面白そうだと思ったから承諾したのは秘密にしている。
「え!?そ、それはダメよね…仕方ないわ。こんな格好でいいのかしら?着替えた方がいい?」
「そうですね。もう少し華やかな服に着替えてきましょうか。今は動き易さを重視した服ですから。」
「じゃあ俺はここで待ってるよ。って、俺達も行っていいよな?」
「それはもう!ありがとうございます!!」
御者は、エドが言った言葉により、ナターシャが来てくれる事になったのでエドは神様のようだと思いながらお礼を言った。
もちろん、ナターシャ達が断ったとしても御者が鞭打たれる事はなく、きっと毎日押しかけるだけだろうと思っていたが、そこは敢えて否定はしないでおいた。
☆★
「ねぇ…ここはお城?」
ナターシャは、馬車が止まり御者が扉を開けてくれ、外に出るとその景色を見て早々に言った。
そこは、見渡す限りの緑。
門を入ってすぐ、木々や小さな色とりどりの花が種類毎に広い庭に分けられて植えられているので、丁寧に庭師が世話しているのだろうと一目で分かった。
その、真ん中には舗装された道が緩いカーブを描きなから遥か彼方へと続いている。遠くに、ここから見ても大きな、高くそびえ立つような塔が何本もあるお城が見えた。
「はい。少し前までは、王宮の離れとして使われていたそうです。今は、我が主であるアレクサンダー公爵家が使っておいでです。」
「え!?」
「!?」
「公爵家!?」
アレクサンダー公爵と御者から聞き、さすがにナターシャ達は驚いた。
このアレクシナツニーシ国に来る前に、家庭教師から近隣の勉強は教えてもらっていたが、さすがに少し復習をしてきたのだ。
この国は、アレクシナツニーシ国。
国王陛下はドラガン=アレクシナツニーシ様、四十八歳。正式な子供は一人で、王子の名前はラドヴァン=アレクシナツニーシ。二十五歳だが未だ未婚だったはずだ。
ドラガン国王の妹君が嫁がれた先が、アレクサンダー公爵家だ。まさか、今朝助けた馬車は、その妹君の馬車だったのか!とナターシャは驚いたのだ。
装飾は細かな所まであったけれど派手派手しさはかなり抑えられた馬車だったので、貴婦人ではあると思ってはいたが、まさかそこまで高貴な方だったとは、と。
「ささ、お早く。お待ちかねです。」
急かされ、呆けていた三人は慌てて屋敷へと向かった。
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