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9. 兄との対話
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その日の夜。
もうあとは寝るだけと自分の部屋のベッドの上で本を読んでいると、濃い金色の髪が濡れたままのお兄様が部屋に来ました。きっと、仕事から帰ってきて、お風呂から出てすぐに来たのでしょう。
「おい。聞いたぞ。どうしてこうなった?」
部屋に入ってすぐに言われました。
お兄様とは、小さな頃はよく遊んでもらっていたと思いますが大きくなってからは、あまり仲が良くありませんでした。会えば、いろいろと振る舞い方で注意をされるのです。
ですので、聞きたい事だけ聞いて、早く部屋を出て行きたいのでしょう。
「お兄様、お仕事遅くまでお疲れ様ですわ。どうして、と言われましても…私の不徳の致すところです?」
「なんで疑問形なんだ。」
「だって疑問なのですもの、この私と婚約破棄だなんて。ゲオルク様は、口煩い私が嫌だったのでしょうね。王太子として、しっかりして欲しかったのですけれど…。ジャネットともいつの間にか親密になって、そうなったのでしょう。…私は今まで、公爵令嬢として恥ずかしくない振る舞いをしてきましたわ。未来の王妃としてもね。だけれど、ゲオルク様が私を望まないのですから、私はもうお支えする事は無理ですわね。ですから、修道院に入らせてもらおうと思います。お兄様、お世話になりました。」
そう私は言い、頭を深々と下げた。この口うるさいお兄様とも、修道院に入ればもう会えなくなるでしょう。お兄様も優秀でありますから、今も王宮で働いていますしまだ、働くでしょうから。
まぁ、ゆくゆくはこの公爵家も継がないといけませんから、いつかは王宮でのお勤めをお辞めになると思います。
もしくは、お兄様の事ですから続けながら領地も治めるかもしれませんけれど。
「な、なんだか珍しい。オリーフィアがしおらしいな。俗世を離れる話は本当なのか?いつもの高飛車なお前は何処へ行った?」
「お兄様、失礼ですわよ。私をそのように思っておりましたの?言いましたでしょう?私は、公爵令嬢の振る舞いをしていただけですわ。だって、そうしろと言われたのですもの…。だけれど、それももう必要ないのですから。婚約破棄された私に、婚約を申し込む人なんていないでしょうからね。」
「ふん。お前、今まで教えてもらった知識を捨てると言うのか?」
「私を捨てたのは、ゲオルク様ですわ!!仕方ないではありませんか。…ですから、庶民に私の持つ知識を教えて差し上げようとしているのです。修道院へ行けば、孤児の子もおります。知識を必要としている者達もいることでしょう。お兄様も、私がここにいるといつかここに帰って来たときに邪魔でしょう?自分の去り際くらいわきまえております。」
「………。」
「さぁ、その話だけでしたらお兄様お休みになって下さいまし。私に、怪我の労いさえも出来ないほどお疲れみたいですからね。」
「あ、すまない。オリーフィア怪我は…」
「取って付けたように言わないで下さいな。ではお休みなさいませ。」
もうあとは寝るだけと自分の部屋のベッドの上で本を読んでいると、濃い金色の髪が濡れたままのお兄様が部屋に来ました。きっと、仕事から帰ってきて、お風呂から出てすぐに来たのでしょう。
「おい。聞いたぞ。どうしてこうなった?」
部屋に入ってすぐに言われました。
お兄様とは、小さな頃はよく遊んでもらっていたと思いますが大きくなってからは、あまり仲が良くありませんでした。会えば、いろいろと振る舞い方で注意をされるのです。
ですので、聞きたい事だけ聞いて、早く部屋を出て行きたいのでしょう。
「お兄様、お仕事遅くまでお疲れ様ですわ。どうして、と言われましても…私の不徳の致すところです?」
「なんで疑問形なんだ。」
「だって疑問なのですもの、この私と婚約破棄だなんて。ゲオルク様は、口煩い私が嫌だったのでしょうね。王太子として、しっかりして欲しかったのですけれど…。ジャネットともいつの間にか親密になって、そうなったのでしょう。…私は今まで、公爵令嬢として恥ずかしくない振る舞いをしてきましたわ。未来の王妃としてもね。だけれど、ゲオルク様が私を望まないのですから、私はもうお支えする事は無理ですわね。ですから、修道院に入らせてもらおうと思います。お兄様、お世話になりました。」
そう私は言い、頭を深々と下げた。この口うるさいお兄様とも、修道院に入ればもう会えなくなるでしょう。お兄様も優秀でありますから、今も王宮で働いていますしまだ、働くでしょうから。
まぁ、ゆくゆくはこの公爵家も継がないといけませんから、いつかは王宮でのお勤めをお辞めになると思います。
もしくは、お兄様の事ですから続けながら領地も治めるかもしれませんけれど。
「な、なんだか珍しい。オリーフィアがしおらしいな。俗世を離れる話は本当なのか?いつもの高飛車なお前は何処へ行った?」
「お兄様、失礼ですわよ。私をそのように思っておりましたの?言いましたでしょう?私は、公爵令嬢の振る舞いをしていただけですわ。だって、そうしろと言われたのですもの…。だけれど、それももう必要ないのですから。婚約破棄された私に、婚約を申し込む人なんていないでしょうからね。」
「ふん。お前、今まで教えてもらった知識を捨てると言うのか?」
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「………。」
「さぁ、その話だけでしたらお兄様お休みになって下さいまし。私に、怪我の労いさえも出来ないほどお疲れみたいですからね。」
「あ、すまない。オリーフィア怪我は…」
「取って付けたように言わないで下さいな。ではお休みなさいませ。」
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