【完結】『お姉様に似合うから譲るわ。』そう言う妹は、私に婚約者まで譲ってくれました。

まりぃべる

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7. 夕食

 その日の夕食。

 お父様が、話を始めました。

「ルシウス様との婚約をサーラと進めて欲しいと聞いたが。」

「はい、お父様。」

 キャシーを見ると、黙々と食事をしているので私が答えた。

「サーラ、いいのね?今まで、領主になる為の勉強を頑張ってきたけれど。」

「それは…!ですが、正直言いますと、婿入りして下さる相手を自分から見つけるのは難しいのです。」

「そうなのね…。私は、オスカーを一目見て気に入って、声を掛けたのよね。サーラは、格好いいなぁと思う人に、さりげなく声を掛けるだけでいいのよ?あ、その人の前で儚くよろけるのもいいわね!あとは向こうから来てくれるから。」

 お母様は、ボールドウィン家の血筋で、家督はお父様に継いでもらっている。
お父様は、ディクソン伯爵領の隣の領地、バルソナー伯爵家の二男だったのよね。だからディクソン伯爵とも交流があったのだとか。

「それはお母様が美しいからです!私が声を掛けた人がいても、現に結婚の打診なんて今まで一度もきてないのでしょう?」

「なんだ、お姉様声掛けてたの?そんな事出来たんだ!」

 静かに食事をしていたキャシーが、顔を上げて驚いた顔で言ってきた。

「確かにライザは今も昔も美しい。だが、サーラもその血は色濃く継いでおるぞ。」

 お父様はお母様を見ながら顔を赤らめて言っている。
私に激励を送っているつもりでも、お母様に愛の告白をしているとしか思えないわよ。

「とにかく!ガーデンパーティーもお友達とおしゃべりするのは楽しいのですけれど、結婚相手を探しに行くのは無理なのです。ダンスパーティーなんてもってのほか!男性と手を繋いで踊るなんて!」

「あら、そこで儚く躓けばいいじゃないの。もしくは、しなだれかかるのもいいのよ?」

「お、お母様…!」

「いいなぁ。私も早くダンスパーティー行きたーい!そろそろありますわよね?結婚はまだしたくないけど、男性と話す機会なんて早々ないから楽しみ-!」

「キャシー。結婚相手を見つけても、すぐに結婚しなくていいんだぞ。」

「そうよ。早めにしないと相手がいなくなっちゃうわよ。」

「そうしたら結婚しないからいいわよ。」

「それはいかん。」

「えー、お父様。なんで?体裁が悪いって言うの?」

「…。」

「ま、確かに相手を見つけるのって難しいわよねー。私もいろんな方法を試してるんだけど、なかなかいい人がいないのよね。変な奴しか寄ってこないの。」

「あら、キャシーだめよ。変な奴は危険よ。キャシー可愛いから変な奴に狙われるんじゃないの?そういう時は、格好いい男性に『お助け下さいませ』って、こう上目づかいでいうのよ?」

 …お母様、もしかしてキャシーが変な行動をしている時って、お母様の真似ですか!?
お母様って案外悪女だったのね…。
お父様なんて、お母様をハートの瞳で見つめているわよ。
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