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21. 十年後
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十年後。
私は伯爵夫人となり、ルシウス様との間に、マークとマシューと言う名前の双子の男の子と、ナンシーと言う女の子を授かった。
「お母様ー?早くして下さい!」
「マーク、そんなに急かしてはいけないよ。お母様はナンシーを連れているのですから。」
「でもさマシュー。早くしないと、船が港に着いちゃうよ!」
「そんなに急ぐと転びますわよ。気をつけなさい。」
今日は、ターナー協会の、外国に買い付けに行っていた船が港に帰ってくる日。
七歳のマークとマシューは、大きな船が海に浮かぶのがとても不思議みたいで、見たいとせがまれ、お出迎えに来たのです。
私は四歳のナンシーの手を引いて、港に近づく。
「あ、船、もう着いてるよ!!人が出て来てる。」
「おーい!」
「おーい!」
港には結構な人がいる。
他にも大きな船が二隻止まっている。その関係者もいるのかもしれない。
ターナー協会の船も、それなりに大きく、遠い外国に向かう為、料理人やら医師やらも乗っているのでその人達の家族だろう人達も港に大勢いた。
「あまり遠くへ行くとはぐれてしまうわ。」
「やぁ、お義姉様!来てくれたのかい?」
ノーマン様が気づいてくれたようで、こちらに来てくれた。…よく見えたわね。船乗りは目が良いって本当なのね。
「ノーマン様!船、大きいですね!」
「ノーマン様、お帰りなさい!」
「お帰りなさい!」
「やぁ、マークにマシュー、ナンシーも。しばらく見ない間に大きくなったね。疲れただろう?お義姉様、寄って行けますか?」
「お忙しいのにごめんなさいね。」
「とんでもない!愛するキャシーの姉上なのですから!あ、多分キャシーも来ていると思うから。」
ターナー協会の建物は、港から目の前にある。私達はぞろぞろと協会へと入って行った。
コンコンコン
「入るよ。」
「お帰りなさい、ノーマン。あ、お姉様!!子ども達も!」
キャシーは、窓際のソファに座って縫いぐるみを作っていた。
「わーお父様!」
「お父様お帰りなさい!」
「うーん、キャシー。僕よりもお義姉様を見て喜んでない?」
「あら、そんな事ないわ!私も三カ月もノーマンと離れていて淋しかったもの。一緒に行きたかったわ!でもこんなお腹じゃあダメってお医者様に言われちゃったものね。それに、お姉様は特別なんだから仕方ないじゃない。お姉様、泊まって行けますの?」
「キャシー、ごめんなさいね。ルシウスが後で迎えに来てくれるから帰るわ。あなたも久しぶりに会えたんだし、家族水入らずで、ね。」
「わー久しぶり!パメラ、遊ぼう?」
「ブリトニーも遊ぼう!」
「マーク!マシュー!新しいカードゲームがあるのよ、やろう?」
「やろう?」
パメラは七歳でブリトニーは五歳と、二人共キャシーの娘。
二人共キャシーに似て、元気がいいのよね。
「キャシー、お腹は大丈夫?無理してないかしら?」
「お姉様、心配ありがとう!大丈夫よ。もうすぐ生まれるのですって!またその時は見に来てね。」
「ええ!楽しみね!でも、気をつけてね。」
コンコンコン
「入っても、いいかい?」
「あ、お父様だ!」
「お父様!」
「お父様-!」
「仕事を片付けて来たよ。お、キャシー、ずいぶんお腹大きくなったね。大丈夫かい?」
「お義兄様、心配ありがとうございます!ええ。大丈夫ですわ。また、生まれたら来て下さいね!」
「もちろんだ、なぁサーラ。ノーマン殿も元気そうで。」
「もう。お義兄様なんだから、ノーマンって呼んで下さいとあれほど…!」
「いやー、ノーマン殿のが年上だし、尊敬しているのですから。…して、今回の買い付けで、良さそうな物ありましたか?」
「そうですね…では、僕らはあちらの隅で話しましょうか。あ、ノーマンと呼ばないと二倍の高値を付けますからね!」
「ルシウス様、それは困りますわ。もう観念しては如何ですか?」
「うーん…では、ノーマン、よろしく頼むよ。そちらも、お義兄様ではなくてルシウスと呼んでくれるといいんだけど…。」
「ノーマン様の、キャシー崇拝は健在だから仕方ないのではないかしら?」
「そうかぁ。そのうちよろしく頼むよ。」
私は、妹になんでも譲ってもらっていたら、とても素敵な旦那様と歩む未来を手にしました。
まだ、どちらの子がボールドウィン伯爵領を継ぐのかは分からないけれど、それまでは楽しく伸び伸びと過ごせるといいわ。
誰がディクソン伯爵領を継ぐのかしら。
それもまた、今は分からないけれど、ルシウス様と子ども達に話していかなければね。
私達の、偶然であり必然の出会いも含めて…。
☆★☆★☆★
これで、完結です。
読んで下さいまして、ありがとうございました。
しおりをはさんでくれた方、お気に入り登録してくれた方、感想をくれた方本当に本当に、励みになりました!ありがとうございました。
また次回作も読んで下さると嬉しいです。
私は伯爵夫人となり、ルシウス様との間に、マークとマシューと言う名前の双子の男の子と、ナンシーと言う女の子を授かった。
「お母様ー?早くして下さい!」
「マーク、そんなに急かしてはいけないよ。お母様はナンシーを連れているのですから。」
「でもさマシュー。早くしないと、船が港に着いちゃうよ!」
「そんなに急ぐと転びますわよ。気をつけなさい。」
今日は、ターナー協会の、外国に買い付けに行っていた船が港に帰ってくる日。
七歳のマークとマシューは、大きな船が海に浮かぶのがとても不思議みたいで、見たいとせがまれ、お出迎えに来たのです。
私は四歳のナンシーの手を引いて、港に近づく。
「あ、船、もう着いてるよ!!人が出て来てる。」
「おーい!」
「おーい!」
港には結構な人がいる。
他にも大きな船が二隻止まっている。その関係者もいるのかもしれない。
ターナー協会の船も、それなりに大きく、遠い外国に向かう為、料理人やら医師やらも乗っているのでその人達の家族だろう人達も港に大勢いた。
「あまり遠くへ行くとはぐれてしまうわ。」
「やぁ、お義姉様!来てくれたのかい?」
ノーマン様が気づいてくれたようで、こちらに来てくれた。…よく見えたわね。船乗りは目が良いって本当なのね。
「ノーマン様!船、大きいですね!」
「ノーマン様、お帰りなさい!」
「お帰りなさい!」
「やぁ、マークにマシュー、ナンシーも。しばらく見ない間に大きくなったね。疲れただろう?お義姉様、寄って行けますか?」
「お忙しいのにごめんなさいね。」
「とんでもない!愛するキャシーの姉上なのですから!あ、多分キャシーも来ていると思うから。」
ターナー協会の建物は、港から目の前にある。私達はぞろぞろと協会へと入って行った。
コンコンコン
「入るよ。」
「お帰りなさい、ノーマン。あ、お姉様!!子ども達も!」
キャシーは、窓際のソファに座って縫いぐるみを作っていた。
「わーお父様!」
「お父様お帰りなさい!」
「うーん、キャシー。僕よりもお義姉様を見て喜んでない?」
「あら、そんな事ないわ!私も三カ月もノーマンと離れていて淋しかったもの。一緒に行きたかったわ!でもこんなお腹じゃあダメってお医者様に言われちゃったものね。それに、お姉様は特別なんだから仕方ないじゃない。お姉様、泊まって行けますの?」
「キャシー、ごめんなさいね。ルシウスが後で迎えに来てくれるから帰るわ。あなたも久しぶりに会えたんだし、家族水入らずで、ね。」
「わー久しぶり!パメラ、遊ぼう?」
「ブリトニーも遊ぼう!」
「マーク!マシュー!新しいカードゲームがあるのよ、やろう?」
「やろう?」
パメラは七歳でブリトニーは五歳と、二人共キャシーの娘。
二人共キャシーに似て、元気がいいのよね。
「キャシー、お腹は大丈夫?無理してないかしら?」
「お姉様、心配ありがとう!大丈夫よ。もうすぐ生まれるのですって!またその時は見に来てね。」
「ええ!楽しみね!でも、気をつけてね。」
コンコンコン
「入っても、いいかい?」
「あ、お父様だ!」
「お父様!」
「お父様-!」
「仕事を片付けて来たよ。お、キャシー、ずいぶんお腹大きくなったね。大丈夫かい?」
「お義兄様、心配ありがとうございます!ええ。大丈夫ですわ。また、生まれたら来て下さいね!」
「もちろんだ、なぁサーラ。ノーマン殿も元気そうで。」
「もう。お義兄様なんだから、ノーマンって呼んで下さいとあれほど…!」
「いやー、ノーマン殿のが年上だし、尊敬しているのですから。…して、今回の買い付けで、良さそうな物ありましたか?」
「そうですね…では、僕らはあちらの隅で話しましょうか。あ、ノーマンと呼ばないと二倍の高値を付けますからね!」
「ルシウス様、それは困りますわ。もう観念しては如何ですか?」
「うーん…では、ノーマン、よろしく頼むよ。そちらも、お義兄様ではなくてルシウスと呼んでくれるといいんだけど…。」
「ノーマン様の、キャシー崇拝は健在だから仕方ないのではないかしら?」
「そうかぁ。そのうちよろしく頼むよ。」
私は、妹になんでも譲ってもらっていたら、とても素敵な旦那様と歩む未来を手にしました。
まだ、どちらの子がボールドウィン伯爵領を継ぐのかは分からないけれど、それまでは楽しく伸び伸びと過ごせるといいわ。
誰がディクソン伯爵領を継ぐのかしら。
それもまた、今は分からないけれど、ルシウス様と子ども達に話していかなければね。
私達の、偶然であり必然の出会いも含めて…。
☆★☆★☆★
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また次回作も読んで下さると嬉しいです。
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そう言って下さいまして、とてもとても嬉しいです>^_^<
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最後まで読んでいただき、ありがとうございましたo(*´︶`*)o
くろいゆき様、今回も感想をありがとうございます!
そう言って下さいましてありがとうございます)^o^(
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました(●^ー^●)
キノコ♪様、今回も感想ありがとうございます!
そう言って下さいまして、嬉しいです)^o^(
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最後まで読んで下さいまして、ありがとうございましたo(*´︶`*)o