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本編
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「マリア!良かった!!」
「マリアちゃん良かった!」
目を覚ますと、顔色の悪いルーク様が椅子に座って手を握ってくれていて、その後ろにロイさんが立っていた。
「あ…ンンッ」
喉が少し変で、声が上手く出なかったから、咳払いしてみる。
「水、飲むか。タリア、頼む。それからロイ、医師を呼べ。」
「分かった。マリアちゃん、ちょっと待っててね。」
「マリア様、この度は私が不在の事で…申し訳ありませんでした。目を覚まされて本当にようごさいました…ウッウッ…。お水でございます。ウッウッ…。」
「タリア、ありがとう。あなたのせいでは無いわ。だから泣かないで。私は大丈夫よ。あの紅茶を入れてくれた子は?どうしたの?」
「あれは今、拘束されている。毒を入れたのだ。それを飲んでいたら…よく飲まなかったな。」
「とても震えていたんです。やりたくなかったんじゃないかと思って。私は生きています。あの子はきっと、紅茶と間違えちゃったのよ。」
「そうそう間違えんだろう。だが…無味無臭の毒だ。何故気付いた?」
「でも…。何故って…湯気がいつもと違ったんです。だから、何の紅茶かなと思って聞いたの。そしたら、走り出しちゃって。」
「ん?湯気…?そうか…。けれど、悪い事をした事実は変わらない。罪は償わなければならない。」
「ええ…そうですね。我が儘言って、ごめんなさい。でも、誰かに命令されたのかもしれないから、聞いてみて下さい。お願いします。」
と、ベッドの上にいるからやりにくいけどペコリ、とお辞儀をした。
「分かった分かった!だから顔を上げて。背後関係を精査して、追って沙汰を出すから、その時にまた教えよう。それでいいか?」
「はい!ありがとうございます。…あの子辞めちゃいます?あ、それはまだ分からないですよね。」
「辞めて欲しくないのか?あれは初めてお茶を出しに来たのだろう?」
「はい、初めて見る顔だと思います。でも、タリアにこの国の事を教えてもらった時に、王宮で働くのはとても栄誉ある事だと知りました。だから辞めさせるのは勿体ないなと思ったのです。あんなにわかりやすく震えて…嘘が付けないのかなと思いました。」
「ふむ…なるほどな。まあ、善処しよう。ただ、マリアは異世界から来たとはいえ今は表向きは異国の姫となっている。だから、普通に考えれば毒を盛るとは極刑になるのだ。それだけは覚えていて欲しい。もう少し待ってくれ。」
「…!はい。分かりました。あ、今日は公務がありましたよね。忙しいのにすみませんでした。ルーク様も、顔色良くないですから、しっかりお休み下さいね。」
それから、ロイさんが呼んできてくれた待医に診てもらったが後遺症とかは特になく、明日からは普通に過ごしていいと許可をもらった。
あの占い師さんも言っていたものね。毒を吸い込まないように、意識を無くさせたって。
でも、何で紫色というか、黒い色の湯気が出ていたのかしら?すごく分かりやすかったのだけど。
「マリアちゃん良かった!」
目を覚ますと、顔色の悪いルーク様が椅子に座って手を握ってくれていて、その後ろにロイさんが立っていた。
「あ…ンンッ」
喉が少し変で、声が上手く出なかったから、咳払いしてみる。
「水、飲むか。タリア、頼む。それからロイ、医師を呼べ。」
「分かった。マリアちゃん、ちょっと待っててね。」
「マリア様、この度は私が不在の事で…申し訳ありませんでした。目を覚まされて本当にようごさいました…ウッウッ…。お水でございます。ウッウッ…。」
「タリア、ありがとう。あなたのせいでは無いわ。だから泣かないで。私は大丈夫よ。あの紅茶を入れてくれた子は?どうしたの?」
「あれは今、拘束されている。毒を入れたのだ。それを飲んでいたら…よく飲まなかったな。」
「とても震えていたんです。やりたくなかったんじゃないかと思って。私は生きています。あの子はきっと、紅茶と間違えちゃったのよ。」
「そうそう間違えんだろう。だが…無味無臭の毒だ。何故気付いた?」
「でも…。何故って…湯気がいつもと違ったんです。だから、何の紅茶かなと思って聞いたの。そしたら、走り出しちゃって。」
「ん?湯気…?そうか…。けれど、悪い事をした事実は変わらない。罪は償わなければならない。」
「ええ…そうですね。我が儘言って、ごめんなさい。でも、誰かに命令されたのかもしれないから、聞いてみて下さい。お願いします。」
と、ベッドの上にいるからやりにくいけどペコリ、とお辞儀をした。
「分かった分かった!だから顔を上げて。背後関係を精査して、追って沙汰を出すから、その時にまた教えよう。それでいいか?」
「はい!ありがとうございます。…あの子辞めちゃいます?あ、それはまだ分からないですよね。」
「辞めて欲しくないのか?あれは初めてお茶を出しに来たのだろう?」
「はい、初めて見る顔だと思います。でも、タリアにこの国の事を教えてもらった時に、王宮で働くのはとても栄誉ある事だと知りました。だから辞めさせるのは勿体ないなと思ったのです。あんなにわかりやすく震えて…嘘が付けないのかなと思いました。」
「ふむ…なるほどな。まあ、善処しよう。ただ、マリアは異世界から来たとはいえ今は表向きは異国の姫となっている。だから、普通に考えれば毒を盛るとは極刑になるのだ。それだけは覚えていて欲しい。もう少し待ってくれ。」
「…!はい。分かりました。あ、今日は公務がありましたよね。忙しいのにすみませんでした。ルーク様も、顔色良くないですから、しっかりお休み下さいね。」
それから、ロイさんが呼んできてくれた待医に診てもらったが後遺症とかは特になく、明日からは普通に過ごしていいと許可をもらった。
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でも、何で紫色というか、黒い色の湯気が出ていたのかしら?すごく分かりやすかったのだけど。
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