【完結済】呼ばれたみたいなので、異世界でも生きてみます。

まりぃべる

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本編

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国王様の前に辿り着いた。

「国王陛下、第二王子ルークウェストです。今日は、ありがとうございます。」
「よいよい。ルーク…良くやった!今まで私の代わりを良く務めてくれた。ゆっくりするか?」
「はい。また、相談させて下さい。」
「楽しみだ。そしてマリア嬢よ。本当に感謝する。」
「マリア・サガワです。今日はお招き頂きありがとうございます。いえ、私は何も…。」
「自分を褒めれば良いぞ。マリアの働きのお陰で私はこの通りじゃ!して、ナリアーヌはおるか?」
『うふふ。マリアさん。とっても綺麗よ。』
「ええ。お隣に立っておられますよ。とっても素敵なドレスをお召しです。」
「そうかそうか!私が見えないのは残念だが、隣に居るか!本当は椅子も用意したかったんだがな。周りに怒られたわい。」
『必要ないわ。お友だちも見に行きたいもの。』
「ナリアーヌ様は、ずっと座っている訳ではないそうなので、お気持ちだけでいいそうですよ。」
「なるほどな。ナリアーヌらしいわ。マリア嬢よ、ルークをよろしくな。」
「え!は、はい。こちらこそ…。」
「では、父上。お許しも出た事ですのでこの場をお借りしてよろしいですか?」
「元よりそのつもりだったのじゃろ。好きにせい。」
「ありがとうございます。」

何の事かな?と思ったら、ルーク様が私の腰に手を当て、後ろを向いて、と言った。
そして…

「皆、日頃はこの国の為に尽力を尽くしてくれて感謝する。今日は、報告がある。この隣の女性は、異世界から参った。マリア・サガワと言う。私はこの女性と生涯を共にしたい。皆にも協力を求める事があるかもしれない。その際は、力を貸してくれると助かる。よろしく頼む。」
と、一礼をしてから口上を述べた。

「マリア、皆に何か言えるか?」

え?この大勢の前で!?…でも、ルーク様の隣にずっといるということは、腹を括らなきゃ。
私はスウと息を吸うと、大きな声で気持ちを話す。

「私は、マリア・サガワと申します。この国で生まれてはいませんが、この国で過ごし、これからも生きていこうと思います。その際ルークウェスト様が、このように言って頂きとても嬉しく思っております。未熟者ではございますが、お力添えよろしく賜りたいと存じます。」
と、最上級の礼をする。

と、初めはパラパラと、やがて大きな拍手があちらこちらから聞こえた。

「顔を上げていいぞ。頑張ったな。」
と、ルーク様が笑いかけてくれる。

《第二王子殿下、良かったです!》
《第二王子殿下、頑張って下さい!》

と、そこかしこで聞こえる。国王様が倒れてから、ルーク様が一人で公務をやられていたのをみんな見守っていたのかな。


国王様が、
「皆の者、これより舞踏会を始めよう。今宵はみな、楽しんでくれ!」
と口上を述べた。終わると同時に、音楽が流れる。


「マリア。練習の成果を披露する機会だ。一緒に踊る栄誉を頂けませんか?」
と、片膝を付いてダンスを誘ってくれた。

「はい!」




ダンスは、男性と女性がペアになり、中央の広間で踊る。体も密着し、両手も握って踊るので、緊張する。それなのにルーク様とのダンスは、思いの外楽しくて三回も踊ってしまった。
息も上がってきた頃、ルーク様が休憩しようと言ってくれた。

「マリア。とても楽しかった。喉が渇かないか?向こうへ行こう。」
と、私の腰に手を当てて、広間から離れる。そして近くに居た侍従からワイングラスを2つ、受け取りテラスの方へ連れて行ってくれた。

「ワインだ。寒くはないか?」
と、ルーク様は、ワイングラスを1つ、私に手渡した。
そして、外に出たため肌寒くないかと聞いてくれたのだろう。

「はい。ダンス、私も初めてでしたが楽しかったです!でもちょっと疲れました…。」
「ハハッ。続けて踊ってしまったからな。悪かった。マリアとの仲を見せびらかしたかったんだ。」

見せびらかしたかったって…恥ずかしいわ…。
でも…それよりも恥ずかしかったのは。
「ルーク様、先程いろんな人の前で私との事を言ったのは何故ですか?」
と、聞いてしまう。だって、いわば公開プロポーズでしょ?びっくりしたし、あんな大勢の人の前で、意気込みを言わせるなんて…。

「マリア…怒っているのか?悪かった!でも、他の誰かに取られたくなかったんだ。先程も言ったが、少しでも早くマリアは俺の大切な人だと知らしめたかった。」
と、ルーク様は頭を無造作にガシガシと掻いている。
それを聞き、ルーク様の照れたような顔を見ると、なんだか怒る気も萎んでしまった。
でも、少し位は言ってもいいわよね?
「もう!少しは教えて下さいませ!緊張しちゃいます。」
「悪かったって!ああ。マリアの怒った顔も可愛いな。さっきは見せびらかしたかったが、独り占めしたいな。もう部屋に行くか。」
と言い出した。

「ルーク様はお疲れですか?会場に戻らなくていいのですか?」
「マリアは初めての夜会だもんな。でもこれから幾らでも参加出来るから。今日はせっかく気持ちが通じ合った日だ。さあ、部屋に戻ろう!」
と言うと、私の手を素早く繋いで、スタスタと早歩きで連れて行ってくれる。途中、侍従にワイングラスを返すのも忘れずに。
そんなに急がなくても…。






「ルーク様、ここは?」
「ここは俺の部屋だ。」
え!?
「な、なんで?」
「今までマリアが使っていた部屋は、国賓が泊まる客室のようなものだった。ここからは遠くて、淋しかったんだぞ。これからは、俺の部屋の隣を使って欲しい。そして、俺の部屋から廊下に出ずにマリアの部屋にも行けるんだ。これは、どういう意味かわかるか?」
えと…意味?んーもしかしたら…そういう事?お客さんから、恋人というか、将来の夫婦へランクアップというか…。
「えと…はい。」
「無理強いはしない。でもこれでもずっと我慢していたんだ。触れてもいいか。離れたくないんだ。」
「でも…あの…」
「これからも一緒に生きていこう。」










その夜は、恥ずかしくてとてもじゃないけれど言葉には言い表せないわ…でも全身でルーク様に愛されてると実感出来て素敵だったの!

この世界に何故か呼ばれたけれど、大切な人も出来たし、何とかこれからも生きてみます!











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これにて本編は一旦終わりです。
拙い文章ではあったと思いますが、ここまで読んで下さった方々、本当にありがとうございました。しおりを挟んで下さった方、お気に入りに登録して下さった方などとても励みになりました。
番外編?も少し書こうと思います。
折を見て、続編も書けたらと思います。時間は少し掛かると思いますが、それも読んで頂けるととっても嬉しいです。
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