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番外編
国王様の備忘録
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私はレンダルク=ヴァン=ケルンベルト。ケルンベルト国の国王だ。
私が不甲斐ないばかりに、王家の公式書物には書きあらわす事が出来ない衝撃的な事件が起こってしまった。
歴代の王達に顔向け出来ないな…。
そこで、戒めの意味も込めて内容をここに記そうと思う。
もう少し歳を取って、隠居したらこの文書も持って行く予定だ。その時、ナリアーヌはついてきてくれるのだろうか。
マリア嬢が教えてくれたが、この部屋や私の隣に私の愛する妻・正妃であったナリアーヌは良く居るらしい。だか、私の傍に居てくれるのか、王宮に居るのか些か不明だ。
私の愛するナリアーヌ。あれが私の元を去り、天へ召されたのは気付けば15年も経ってしまった。
街外れの孤児院への慰問へ行った帰りだった。行きは晴れていたのに、昼過ぎから雨が降りだし、王宮へ帰る頃には本降りになっていた。
王妃と、王妃付きの侍女と、護衛兼従僕の二人が馬車に乗り出掛けていた。
いつもの事だからと、普段通りに朝食時にその日の予定などの会話をし、夕食時に今日一日何があったかを報告し合うものだと思っていた。
だが、夕食の頃になっても帰って来ず、受けた報告といえば、正妃が乗った馬車は、帰り道で谷へ落ちたというものだった。
ナリアーヌは、好奇心旺盛な、いわゆるじゃじゃ馬娘。華美なドレスで着飾るより、いろんな所へ出歩いて見聞を広げる方に興味があった。
正妃となるにあたり、王宮の奥に閉じ込めて置きたかったが、ナリアーヌの好きなようにさせていた。生き生きとしている顔を見るのが好きだった。
それが仇になったとは…。
ナリアーヌよ、何故帰って来なかった。共に生涯を歩もうと誓ったではないか。ベッドで朝起きるのも、苦になった。目が覚めると、いつも隣で寝ていたナリアーヌが居ないのだ。大きな広いベッドに一人きり。
ベッドで過ごすのが多くなり、やがて…私はいつしか頭に靄がかかるように、動きたく無くなった。無気力というやつか。
私は国王でありながら、ナリアーヌの居なくなった国を護る事もしなくなってしまったのだ。
だが、頭がすっきりとしたあの日、異世界から来たというマリア嬢がどうやら私を救ってくれたらしい。
しかも、ナリアーヌが傍に居ると言うではないか。
これはもう、メソメソしている場合ではない!格好いい所を見せてやらねば!
そして、定期的にマリア嬢をお茶に誘い、ナリアーヌがどうしているかを聞き出さねば!!
それからの私は、この15年を埋めるように仕事をした。
近況はルークに教えてもらいながら。
いつの間にかルークも大人になっていて、愛する女性も近くに居るみたいだから、早く仕事を私が引き継いで楽にさせてやらねば!孫の顔を見てみたいぞ!まだ私はやれる!
弟であるヤルドレンに、まさか毒を嗅がされていたと聞いた時は悲しかったが、理由を聞いて、少しホッとしてしまった。愛する女性の為にだったからだ。私が憎くてしょうが無い!とかでなくて良かった。
しかしドレイク侯爵の娘、カトリーヌ嬢を昔から好いていたとは気付けなかったな…。
本当であれば、大変なスキャンダルであるから、処遇も決めたりしなければならなかったが、箝口令を敷いて、偽りの処遇としてしまったが…ナリアーヌよ。これで【レンダルク、よくがんばりました!ステキよ!】って言ってくれているか?
そうだ、第一王子のランロットもマリア嬢が救ってくれたんだったな。
ランロットの侍女のキャロルには困ったもんだ。まあ、それも私は気付けなかったんだが…。
何にせよ元気になってくれて本当に良かった!ゆくゆくは、第一王子であるランロットが国王になって欲しいが、本人はどう思っているかな。
キャロルは、私より4つ歳が若かったんだったか。だから、今は44歳。
ランロットが今28歳だから…いやでも、生まれた時から懸想してたといったな。
16歳でランロット付きになり、そこからか…長いな。これこそ醜聞…。
ある意味、愛ではあるが、狂気だな…。確かに、私とナリアーヌの子だ。可愛くて仕方ないのは分かる!分かるが…私らだってランロットと、一緒に遊んでやったり、出掛けたかったからな。キャロルはちょっと重めに罰したい位だ!
ランロットも、一緒に居た時間は長かったけれど、頭に靄が掛かっていたし、楽しい時間だったかは良く分からないと言っていたから、キャロルが居なくなっても大丈夫だろう。
これは、ナリアーヌも納得してくれるよな?
さすがランロット!私の息子だけあって優秀だ。教えてやった事をすぐに吸収しておる。あとは、愛する者さえ現れれば、王家も安泰であるのだが…。まあ、それは追々であるな。
それから、第二王子のルークウェスト。あれにも苦難を強いてしまったな。私もランロットも、公務が出来る状態では無かった為、ルークが頑張ってくれたのだろう。
10歳、11歳あたりだよな…。まだ遊びたい盛りだったろうに私が不甲斐ないばかりに…。
ドレイク侯爵と、タリアの夫のトーマス伯爵が始めは教えてくれていたみたいだが、さすが私の息子!頭は良かったのだろう。切り盛りしてくれて、国が衰える事は無く、助かった。
しかしそろそろ、ゆっくりさせてやらねばな。
先日の、ルークから久しぶりのお願い、をされた時は心が震えたな!
『父上。生涯を共にしたい人が出来ました。マリアと結婚したいです。他の人とは考えられません!許して下さい!』
いつの間にか、ルークも青年となり、誰かを愛し、家族となりたい人が居るだなんて…。
ナリアーヌよ、これを許さなかったらきっと、プリプリと頬を膨らまして【別居します!】とか言っただろうな。
そうだ、もう一つのお願いのがもっと驚いたが、我が息子ながら偉くなったと思ったな。この国をより良くしようと思っている気持ちは、ルークのが強いかもしれぬ。
【マリアと、国中を視察して回りたいのです。兄上には申し訳ないのですが、早めに結婚式をしてから、旅行がてら…】
今まで若いながらも休まず一人で公務をしてきたのだ。そろそろ、ルークは一線を退く時が来たか。道中くれぐれも気を付けるんだぞ!孫の顔が見れるなら尚いいな。
ふう…今日はここまでとしよう。
ナリアーヌよ、今日も隣で寝てくれているか?青いローズは変わらず咲いておるぞ。【ステキね!】って傍で笑ってくれておると信じとるぞ。
私が不甲斐ないばかりに、王家の公式書物には書きあらわす事が出来ない衝撃的な事件が起こってしまった。
歴代の王達に顔向け出来ないな…。
そこで、戒めの意味も込めて内容をここに記そうと思う。
もう少し歳を取って、隠居したらこの文書も持って行く予定だ。その時、ナリアーヌはついてきてくれるのだろうか。
マリア嬢が教えてくれたが、この部屋や私の隣に私の愛する妻・正妃であったナリアーヌは良く居るらしい。だか、私の傍に居てくれるのか、王宮に居るのか些か不明だ。
私の愛するナリアーヌ。あれが私の元を去り、天へ召されたのは気付けば15年も経ってしまった。
街外れの孤児院への慰問へ行った帰りだった。行きは晴れていたのに、昼過ぎから雨が降りだし、王宮へ帰る頃には本降りになっていた。
王妃と、王妃付きの侍女と、護衛兼従僕の二人が馬車に乗り出掛けていた。
いつもの事だからと、普段通りに朝食時にその日の予定などの会話をし、夕食時に今日一日何があったかを報告し合うものだと思っていた。
だが、夕食の頃になっても帰って来ず、受けた報告といえば、正妃が乗った馬車は、帰り道で谷へ落ちたというものだった。
ナリアーヌは、好奇心旺盛な、いわゆるじゃじゃ馬娘。華美なドレスで着飾るより、いろんな所へ出歩いて見聞を広げる方に興味があった。
正妃となるにあたり、王宮の奥に閉じ込めて置きたかったが、ナリアーヌの好きなようにさせていた。生き生きとしている顔を見るのが好きだった。
それが仇になったとは…。
ナリアーヌよ、何故帰って来なかった。共に生涯を歩もうと誓ったではないか。ベッドで朝起きるのも、苦になった。目が覚めると、いつも隣で寝ていたナリアーヌが居ないのだ。大きな広いベッドに一人きり。
ベッドで過ごすのが多くなり、やがて…私はいつしか頭に靄がかかるように、動きたく無くなった。無気力というやつか。
私は国王でありながら、ナリアーヌの居なくなった国を護る事もしなくなってしまったのだ。
だが、頭がすっきりとしたあの日、異世界から来たというマリア嬢がどうやら私を救ってくれたらしい。
しかも、ナリアーヌが傍に居ると言うではないか。
これはもう、メソメソしている場合ではない!格好いい所を見せてやらねば!
そして、定期的にマリア嬢をお茶に誘い、ナリアーヌがどうしているかを聞き出さねば!!
それからの私は、この15年を埋めるように仕事をした。
近況はルークに教えてもらいながら。
いつの間にかルークも大人になっていて、愛する女性も近くに居るみたいだから、早く仕事を私が引き継いで楽にさせてやらねば!孫の顔を見てみたいぞ!まだ私はやれる!
弟であるヤルドレンに、まさか毒を嗅がされていたと聞いた時は悲しかったが、理由を聞いて、少しホッとしてしまった。愛する女性の為にだったからだ。私が憎くてしょうが無い!とかでなくて良かった。
しかしドレイク侯爵の娘、カトリーヌ嬢を昔から好いていたとは気付けなかったな…。
本当であれば、大変なスキャンダルであるから、処遇も決めたりしなければならなかったが、箝口令を敷いて、偽りの処遇としてしまったが…ナリアーヌよ。これで【レンダルク、よくがんばりました!ステキよ!】って言ってくれているか?
そうだ、第一王子のランロットもマリア嬢が救ってくれたんだったな。
ランロットの侍女のキャロルには困ったもんだ。まあ、それも私は気付けなかったんだが…。
何にせよ元気になってくれて本当に良かった!ゆくゆくは、第一王子であるランロットが国王になって欲しいが、本人はどう思っているかな。
キャロルは、私より4つ歳が若かったんだったか。だから、今は44歳。
ランロットが今28歳だから…いやでも、生まれた時から懸想してたといったな。
16歳でランロット付きになり、そこからか…長いな。これこそ醜聞…。
ある意味、愛ではあるが、狂気だな…。確かに、私とナリアーヌの子だ。可愛くて仕方ないのは分かる!分かるが…私らだってランロットと、一緒に遊んでやったり、出掛けたかったからな。キャロルはちょっと重めに罰したい位だ!
ランロットも、一緒に居た時間は長かったけれど、頭に靄が掛かっていたし、楽しい時間だったかは良く分からないと言っていたから、キャロルが居なくなっても大丈夫だろう。
これは、ナリアーヌも納得してくれるよな?
さすがランロット!私の息子だけあって優秀だ。教えてやった事をすぐに吸収しておる。あとは、愛する者さえ現れれば、王家も安泰であるのだが…。まあ、それは追々であるな。
それから、第二王子のルークウェスト。あれにも苦難を強いてしまったな。私もランロットも、公務が出来る状態では無かった為、ルークが頑張ってくれたのだろう。
10歳、11歳あたりだよな…。まだ遊びたい盛りだったろうに私が不甲斐ないばかりに…。
ドレイク侯爵と、タリアの夫のトーマス伯爵が始めは教えてくれていたみたいだが、さすが私の息子!頭は良かったのだろう。切り盛りしてくれて、国が衰える事は無く、助かった。
しかしそろそろ、ゆっくりさせてやらねばな。
先日の、ルークから久しぶりのお願い、をされた時は心が震えたな!
『父上。生涯を共にしたい人が出来ました。マリアと結婚したいです。他の人とは考えられません!許して下さい!』
いつの間にか、ルークも青年となり、誰かを愛し、家族となりたい人が居るだなんて…。
ナリアーヌよ、これを許さなかったらきっと、プリプリと頬を膨らまして【別居します!】とか言っただろうな。
そうだ、もう一つのお願いのがもっと驚いたが、我が息子ながら偉くなったと思ったな。この国をより良くしようと思っている気持ちは、ルークのが強いかもしれぬ。
【マリアと、国中を視察して回りたいのです。兄上には申し訳ないのですが、早めに結婚式をしてから、旅行がてら…】
今まで若いながらも休まず一人で公務をしてきたのだ。そろそろ、ルークは一線を退く時が来たか。道中くれぐれも気を付けるんだぞ!孫の顔が見れるなら尚いいな。
ふう…今日はここまでとしよう。
ナリアーヌよ、今日も隣で寝てくれているか?青いローズは変わらず咲いておるぞ。【ステキね!】って傍で笑ってくれておると信じとるぞ。
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